利益を表す指標。すなわち投資することにより得られる収益のことです。
リスクというと危ないというイメージを持たれがちですが、投資信託のリスクは「値動きの幅」のことを指し、元本割れの危険性を表すものではありません。期待したリターン(収益)が予想を上回ったり下回ったりする「ブレ幅」をリスクと呼びます。
リスク「ブレ幅」の大きな運用は、大きなリターン「収益」を期待できますが、損失も大きくなる可能性があります。
逆に、「ブレ幅」の小さな運用は、大きな損失となる可能性も低いですが、その分期待できるリターンも小さくなります。
投資信託を選ぶ際は、どの程度のブレ幅を許容できるか、ご自身の投資目的に合ったファンド選ぶことが大切です。
将来を予測する上で一番知りたいのに、一番不確かなのが期待リターンです。
期待リターン:毎月の騰落(月次のリターン)の平均を出して、これを年率にしたもの
企業年金連合会(旧、厚生年金基金連合会)やGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)などの公的機関が公表している期待リターンの値を参考にしてみるといいでしょう。
企業年金連合会 | GPIF | |
国内株式 | 5.0% | 5.2% |
国内債券 | 1.5% | 2.0% |
海外株式 | 7.0% | 6.2% |
海外債券 | 3.0% | 3.5% |
データ出所
企業年金連合会:「政策アセットミックス」
GPIF:「年金積立金管理運用独立行政法人の中期計画(基本ポートフォリオ)の変更」(P7:期待リターン(名目リターン_市場基準ケース))
ちなみにリスクについて、上記のGPIFによると、
リスク | |
国内株式 | 25.1% |
国内債券 | 4.7% |
海外株式 | 27.3% |
海外債券 | 12.6% |
データ出所
GPIF:「年金積立金管理運用独立行政法人の中期計画(基本ポートフォリオ)の変更」(P8:リスク(標準偏差))
と想定しています。
投資額を100万円とした場合、期待リターンが4.8%ということは、1年後に48,000円増えることを期待しているということです。では、リスク22.48とはどういう意味でしょうか。
100万円に期待リターンを加えた、1,048,000円を中心とし、リスク22.48、金額にして235,590円の中に1年後3分の2の確率で収まるだろうということを意味しています。
つまり、812,410円から1,283,590円になる可能性が約67%、そして、さらに235,590円分外側になる、つまり576,820円から1,519,180円になる可能性が95%ということになります。それ以上やそれ以下になる可能性は5%で、100年に2、3回の割合でなりえるということを意味します。
値動きがなければリターンを得られないという意味で「リスク」は「リターン」の源泉です。 しかし、「リスク」の大きさが必ずしも「リターン」の大きさに比例ということではありません。
月間収益率がすべてプラスリターンでほぼ同じ値の投資信託があるとします。リスクすなわち標準偏差は平均値からの距離ですから、どの月間収益率もほぼ平均値と同じ値であり、距離である平均値との差はほぼ0(ゼロ)となります。従って、この投資信託のリスクはほぼ0%です。リスクが小さいわりに、各月間収益率がプラスであるため、累積した結果のリターンは大きな値になります。
一般的には、リターンが高く、リスクの低いファンドを探して投資することが成功の近道です。ドルコスト平均法を応用した少額積立投資では、値下がり局面は価格が安いため通常より購入できる数量が多くなります。一方、値上がりした時には購入数量が少なくなり高値掴みの影響が抑えられ、保有資産価値も大きくなります。つまり、リターンがプラスで、比較的 「リスク」の大きい商品を選んだほうがよい結果に繋がります。ポートフォリオを組んで分散効果を得ることで、一定のリターンを期待しながらリスクを下げることもできます。