投資信託の性質とは?他の金融商品とのリスク・リターン比較 みんかぶ編集室 2022.01.17 はじめての投資信託 目次投資信託とは他の金融商品との違いまとめ 投資信託とは みなさんは投資信託をご存知でしょうか。投資信託とは、簡単に言ってしまえば、自分が金融商品を運用する代わりに、投資のプロに株式や債券などの運用を任せる金融商品となります。 多くの人が投資信託に投資することによってお金が集まり、そのお金をプロが代わりに運用して利益を生み、その運用結果を投資額に応じて投資家に還元する仕組みとなっています。 また、運用者(ファンドマネージャー)は、運用することによって得られた利益の一部が自身の報酬となります。 とはいえ投資信託は金融商品の一つなので、株式投資やFXと同様にメリットもあればリスクがあります。投資信託で資産形成を行う際には以下のようなメリット・デメリットが存在します。 メリット 少額から分散投資ができるプロに運用を任せることができる海外の金融商品が買える デメリット 他の金融商品と比べて、比較的コストがかかる元本保証がない では、投資信託は他の金融商品と比較してどのようなリスク・リターンの性質があるのでしょうか。 他の金融商品との違い 株式や外貨、投資信託をはじめとする金融商品には以下のリスクとリターンが存在します。リスクリターンを理解し、他の金融商品との違いをみていきましょう。 価格変動リスク 株や外貨など、金融商品は日々価格が変動します。投資信託も例外ではなく、ポートフォリオ(金融商品の組み合わせ)に組み込まれている価値の変動などによって、投資信託自体の価値も日々変化します。 信用リスク 信用リスクとは、株式や債券などの発行主の財政・経営状況によってもたらされるリスクをさします。例えばある企業が借入しているにも関わらず、そのお金を返せなくなるかもしない状況に陥った場合、その企業の評価は下がってしまいます。 為替リスク/カントリーリスク 海外の金融商品を買う際には為替リスクやカウントリーリスクと呼ばれるリスクを考える必要があります。為替リスクとは、外国の金融商品を買っている際に円の価値が下がり、円換算した際に価値が変動してしまうリスクのことをさします。カントリーリスクとはその国の政治や経済、社会情勢によって影響を受けるリスクのことを指します。 リターンはリスクの裏返し 金融の世界ではリスクとリターンはトレードオフの関係となっています。より高いリターンを求めればより高いリスクが伴います。例えばカウントリーリスクの少ない日本国債は利率が低いのに対して、大きい新興国の国債は非常に高い利率となっています。自分にあったリスク・リターンをもつ金融商品を選んで投資をしましょう。 流動性も考える必要がある 金融商品には流動性という観点があります。金融商品は文字通り商品ですので、取引を成立させるためには買手と売手の両方が必要となります。自分が買いたいのに売りたい人がいなければ取引は成立しません。 流動性が高いというのは市場に多くの人が取引するため、容易に買手や売手が見つかる状況のことをさします。よって、流動性が低いと自分が取引したい価格で取引できなくなる可能性が出てきます。 金融商品の比較 商品名 リターン 信用リスク 価格変動リスク その他リスク 流動性 投資信託 ○ ○ ○ ▲-○ ○ 預金 × ◎ ◎ ◎ ◎ 株式 ◎ △ △ ○ ○ 外貨(FX) ◎ × ▲ ▲ ○ 債権 △ ◎ ◎ ○ ▲ リターン 投資信託のリターンは他の金融商品と比べて、真ん中ほどを位置しています。株式や外貨と比べると低いものの、債券や預金よりは高くなっています。投資信託には様々な種類がありますが、その多くはポートフォリオに債券や株式など、様々なリターンのものを含んでいるため、当然と言えるかもしれません。 信用リスク 投資信託の信用リスクは、比較的低いと言えます。投資信託は少額で多くの種類の金融商品を購入したことになるので、ある会社・国の状態が悪くなり、信用リスクが高くなったとしても、他で補うことができるのです。 価格変動リスク 投資信託の価格変動リスクは信用リスクと同様に比較的低いと言えます。株式や外貨などの価格変動リスクが非常に高い金融商品を組み込んではいる一方でとても低い債券にも投資をしています。株式や外貨をそのまま買うよりは、価格変動リスクは抑えられると言えます。 その他リスク カントリーリスクや為替リスクは投資信託によって異なります。例えば海外の株式や債券を多く含んでいる場合には、為替リスクが大きくなります。さらに新興国のものを多く含んでいればカントリーリスクも大きくなります。自分のリスク選好度にあった投資信託を選択しましょう。 流動性 投資信託の流動性は、他と比較すると株式や外貨と同等と評価することができます。基本的には流動性が高く、自分が取引したい価格で取引ができるでしょう。 まとめ 投資信託の性質はご理解いただけたでしょうか。投資信託に投資することによって、少額から分散投資をすることができ、プロに運用を任せることができます。しかしその分他の金融商品と比べると手数料がかかってしまいます。 普段から株式市場や為替動向を見ることのできない場合は、投資信託への投資は良い選択肢の一つとなるかもしれません。どのような投資信託があるのか調べてみてはいかがでしょうか。