償還期限のある投資信託は避けるべき?延長されるファンドの見分け方とは【第17回】

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著者:みんかぶ投信
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償還期限のある投資信託は避けるべき?延長されるファンドの見分け方とは【第17回】

インデックスファンドで積立を開始したN商事社員の福山 春雅(通称ハルちゃん)ですが、N商事特別顧問で元証券マンの瀬山(通称セーさん)に以前おすすめされたアクティブファンドも調べ始めました。今回はアクティブファンドでは設定されていることが多い償還期限について、教えてもらうようです。

 

償還期限は延長されることが前提

ハルちゃん

セーさん、お疲れ様です。

瀬山

お疲れ様。その後積立はちゃんと続いていますか?

ハルちゃん

はい、しっかり続けていますよ。そういえばセーさんが長期の積立にはアクティブファンドの方が向いていると言っていたので、最近は良いアクティブファンドが無いかも探しています。

瀬山

そうですか。しっかりと目的に合った銘柄が見つかると良いですね。

ハルちゃん

そういえばアクティブファンドを探していると、償還期限というものが設定されている銘柄が出てくるのですが、償還期限って何の期限ですか?

瀬山

償還というのは投資信託の運用を終了する日ですが、償還期限はその償還を実施する予定日ですね。

ハルちゃん

運用を終了するんですか?ということは、その投資信託は無くなってしまうんですか?

瀬山

そうですね。償還された場合は、償還実施日の基準価額で償還金が支払われて、その銘柄は無くなってしまいます。

ハルちゃん

なるほど。そうなりますと、長期投資するには償還期限が無い銘柄の方が良いということですか?途中で運用が終わってしまったら、また銘柄を探さないといけないですもんね。

瀬山

一概にそうとは言えませんね。今時間があれば、償還期限について少しご説明しましょうか?

ハルちゃん

大丈夫です!お願いします!

瀬山

まず、期限つきと無期限でどちらの銘柄が多いと思いますか?

ハルちゃん

う~ん、無期限ですかね?

瀬山

意外と期限つきの方が多いんです。

ハルちゃん

そうなんですか。

瀬山

なので、最初から期限つきを排除してしまうと、選択肢が大きく減ってしまいます。

ハルちゃん

でもいくら良い銘柄でも、運用の途中で無くなってしまったら困りますよね。

瀬山

長期投資の銘柄を選ぶ場合、無期限であればもちろん問題無いのですが、期限があったとしても、期限を延長していくのが前提になっていると思っておいて問題無いです。

ハルちゃん

え、償還期限は延長が前提なのですか?

瀬山

そうです。ためしに10年リターンランキング上位で償還期限がある銘柄の運用会社のページを見ますと、過去に延長されている銘柄が多いと思います。

画像:「スーパー小型株ポートフォリオ」信託約款変更のお知らせより
ハルちゃん

延長になると、このように発表されるんですね。

償還されてしまうケースを紹介

瀬山

ただ、運用成績が悪ければ期限通りに償還されてしまいますけどね。

ハルちゃん

やはり成績が悪いと続ける意味が無いのですね。他には償還してしまうケースはありますか?

瀬山

他ですと、償還期限が近くなってきて、その銘柄の商品性が今後の市場とマッチしないようなテーマ型ファンドも延長せずに償還になります。

ハルちゃん

なるほど。市場とマッチしなければ将来性も無さそうですもんね。

瀬山

あとは、純資産が少ない銘柄ですかね。純資産が少ないと信託報酬も少なくなってしまいますから、運用会社として採算が取れなくなってしまいます。

ハルちゃん

では純資産が集まっていて、運用成績が良ければ、償還されないケースが多いんですね。

瀬山

そういうことです。銘柄を選ぶ時に償還期限が設定されているからといって排除してしまうのは勿体無いと思いますよ。

償還期限を気にするよりも良い銘柄を選ぶ

瀬山

償還されてしまうと、当然一度清算されて税金が徴収されてしまい、長期投資には効率が悪くなってしまいます。先ほど紹介した償還されてしまうケースに該当しそうな銘柄は長期投資では買わないように気を付けた方が良いですね。

ハルちゃん

償還されてしまうと資産運用への影響が大きいのですね。

瀬山

はい。それと償還されてしまうと、先ほどハルちゃんが言っていたようにまた新しいファンドを探さないといけないので、非効率ですよね。取引をしている金融機関によっては新しい銘柄の購入時に手数料も掛かってしまいますし。

ハルちゃん

購入手数料は痛いですねぇ。

瀬山

無期限の銘柄でも成績が悪かったり、純資産が少なければ償還されてしまいます。絶対的に避けるのは難しいので、償還期限を気にするよりも、良い銘柄を選ぶことに注力した方が良いですね。

期限は10年を一区切りで考えている

瀬山

それと、償還期限を設けている銘柄は、ざっくり10年一区切りで考えているのが一般的ですね。

ハルちゃん

10年毎に延長するかを判断する感じなのですね。

瀬山

そうです。中には債券が投資対象で償還までの期限が4、5年の銘柄もありますけどね。主に銀行で販売されている銘柄となります。

ハルちゃん

そういった銘柄はなぜ期限が短いんですか?

瀬山

投資信託は本来自分で投資する期間を判断しますが、慣れていない人にとってはタイミングが判断できません。そういう人にとっては区切られている方が分かりやすいので、4、5年で区切られています。

ハルちゃん

なるほど。じゃあそういった銘柄も基本的には延長されないんですね。

繰り上げ償還は保有者に賛否を問う必要がある

ハルちゃん

ちなみに期限前に償還されてしまうことなんてあるんですか?

瀬山

ありますよ。そういった償還を繰り上げ償還といいます。

ハルちゃん

繰り上げ償還というのは頻繁に起こるものなのですか?

瀬山

そうですねぇ。例えば缶コーヒーでしたら、新しい商品を作って、ヒットすればロングランにして、売れなければ製造中止にすれば良いです。でも投資信託の場合には保有者がいると勝手にやめられないので、あまり頻繁に起こるものでは無いですね。

ハルちゃん

保有者がいても繰り上げ償還される場合もあるんですか?

瀬山

ありますが、保有者に対して繰り上げ償還の賛否を問わないといけません。その手続きの大変さを考えますと、なるべく繰り上げ償還はしたくないんですね。

ハルちゃん

では、よほど純資産が少なくなければ繰り上げ償還はされない可能性が高そうですね。

純資産は全コースの合算で判断

瀬山

それから、償還されてしまう純資産額のラインとしては、よく10億円以下だと言われています。ちなみにいくつかコースがある銘柄ですと、全部のコースの純資産の合算で考えられます。

ハルちゃん

Aコースの純資産が少なくても、Bコースが多ければ良いんですね。

瀬山

それと、複数のファンド資産を運用するファンドをマザーファンドといいますが、マザーファンドが大きい場合も、運用コストが抑えらるので、償還されないケースが多いです。

ハルちゃん

純資産以外にはどういった部分を見るべきでしょうか。

瀬山

やはりパフォーマンスが良い銘柄と、投信環境の見通しが良い銘柄を選ぶのが大前提ですね。良い銘柄であれば、採算が取れる銘柄のはずですので、期間が延長されると思っていて良いです。

ハルちゃん

まずはしっかりと良い銘柄を選ぶことなんですね。ちなみに償還するかしないかってどこが決めるんですか?

瀬山

運用会社が判断します。せっかくパフォーマンスが良くて資産が多いファンドを償還させても、次の受け皿のファンドに保有者がみんな来てくれるとは限りませんし、満期に合わせてお金を使ってしまうかもしれません。それに新ファンドを作るとコストも掛かりますので、延長した方が運用会社としてはメリットが大きいんですよね。

まとめ

ハルちゃん

今日教えて頂いたことをまとめますと・・・

基本的に良い銘柄の期限は延長されていくので、期限だけで銘柄選定から排除しない方が良い

償還されると一度清算されてしまい、投資効率が悪くなる。償還されてしまうケースに該当するような銘柄は長期投資では避けておく。

繰り上げ償還する際には保有者に賛否を問わないといけないので、その手間を考えると頻繁には起こらない

純資産10億円以下の銘柄でも違うコースやマザーファンドの純資産が大きいと償還されない

償還されないファンドを選ぶためにはパフォーマンスが良い銘柄と投資環境の見通しが良い銘柄を選ぶ

ハルちゃん

期間が設定されているものは長期投資ではだめとは限らないんですね。

瀬山

そうですね。最初の段階で選択肢を狭めてしまうのではなく、まずはパフォーマンスをしっかり見ることが大事ですね。

ハルちゃん

了解です。期限つきだけど気になっていたアクティブファンドをもう一度チェックしてみます!

今回登場したファンド

ファンド名 レーティング(1年)
三井住友DS

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