投資信託の売り時とは?ファンドの途中入れ替えと資産形成のやめ時について【第21回】

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著者:みんかぶ投信
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投資信託の売り時とは?ファンドの途中入れ替えと資産形成のやめ時について【第21回】

N商事に務める福山春雅(通称ハルちゃん)は結婚資金が必要となる時に備えて、積立資産の売り時について、N商事顧問で元証券マンの瀬山に教えてもらうようです。

資産形成の最終目的は貯めた資産を使うこと

ハルちゃん

あ、セーさん!ぐふふ・・・。

瀬山

怪しい笑い方をしてどうしたんですか?

ハルちゃん

実は彼女ができたんですよ!

瀬山

すごいじゃないですか!良かったですね。

ハルちゃん

はぁ~幸せいっぱいです。いずれ結婚しちゃったりするのかなぁ。・・・でも結婚資金なんてとても用意できないなぁ。

瀬山

そんな時のための積立投資じゃ無いですか!

ハルちゃん

たしかにそうですね!でもそうなったら売却をしないといけないんですよね。売り時の判断とか難しそうですね・・・。

瀬山

たしかに難しいですが、避けては通れない問題ですから、少し売り時についてお話ししましょうか?

ハルちゃん

はい、是非お願いします!

瀬山

例えば電化製品や自動車ですと、購入することが到達点で、あとは使っていくだけですよね。

ハルちゃん

資産形成の到達点はどこなんですかね?

瀬山

資産形成は購入を始めても道半ばで、それを増やし、さらに使うことが到達点です。

ハルちゃん

使うことですか。たしかに貯めるだけでは意味がありませんよね。

瀬山

最近では色々なメディアで資産形成を取り扱うようになってきています。でも。まとまった資産が無ければ積立をしましょうとか、コストの低いインデックスファンドが良いとか、入り口の話しが多くて、出口の話しが十分にされていない印象があります。

ハルちゃん

私も出口は気になっていましたが、資産形成は長期投資だから考える必要は無いという記事をネットで見て、そんなものかなと思ってしまっていました。

瀬山

そのように言う方はいますが、旅に出る時に目的地を決めないと放浪してしまうことになります。出口をどうするかは大事な話しですから、考えておく必要があると思います。

途中売却は景気の山と谷で考える

瀬山

さて、売り時と言った場合には、長期投資の途中の入れ替えと最終的な投資の出口の2つがあると思います。

ハルちゃん

最終的な売却だけでは無くて、たしかに途中の入れ替えもありますね。

瀬山

はい、以前から長期投資をするからといって、同じファンドを長期保有することに拘りすぎる必要は無いとお話ししてきました。まずは途中の売却についてお話しをしましょう。

ハルちゃん

お願いします!

瀬山

例えば株式ですと、値上がった銘柄を売却して、その資金で出遅れている銘柄を購入していきます。

ハルちゃん

株式はそうやって資産を増やしていくんですね。

瀬山

投資信託は株式に比べて動く値段の幅が小さいので、頻度は少なくて良いですが、考え方は同じで良いと思います。

ハルちゃん

投資信託も良い時に売却して、これから上がりそうな銘柄を買っていって良いんですね。売買のタイミングはどうやって考えるのでしょうか?

瀬山

株式や債券は、短期的には需給で変動しますが、長期的に見た場合には大きな景気動向の山と谷に沿って動いています。株式や債券は景気の先行指標のためタイミングはずれますが、景気動向と逆の動きをすることは無いと思います。

ハルちゃん

その株式や債券を資産として保有している投資信託もやはり景気動向に沿って動くんですね?

瀬山

そうです。個別株ですと不祥事などで景気が良くても下がってしまうこともあります。でも、ポートフォリオとして持っている投資信託であれば、商品の特性によって反応の違いはありますが、方向性としては景気動向と合っていくと思います。

景気の谷でも投資から手は引かずに現金比率を高める

瀬山

この景気動向の波を捉えるくらいのところで売りとか買いとか、入れ替えとかを考えていって良いと思います。

ハルちゃん

景気の山と谷に合わせて行動をしていくんですね。

瀬山

ただ、景気の谷の部分でも、投資から手を引いてしまうのでは無く、軸足は残しながら投資信託の比率を下げていって、一旦現金という投資対象に切り替えていく方が、ほったらかしにするよりも効果は上がると思います。

ハルちゃん

一度やめてしまうとまた始めるのが難しいんでしたよね。(第14回 積立対象の投資信託が下落したらどうする?積立をやめるかどうかの考え方とは参照)

瀬山

そうですね。ハルちゃんはセカンドライフまで40年近くあるわけですが、40年間ずっと景気が悪いとか良いということは有り得なくて、潮目の変化は必ず起きます。景気の谷がきたらどうすべきかは考えておいた方が良いと思います。

ハルちゃん

谷がきそうと思ったら、下落局面に強い銘柄に乗り換えておくのもありですかね?

瀬山

そうですね。下げの時には強い銘柄の比率を高くしておくのも良いですね。

ハルちゃん

以前教えて頂いた価格特性(第10回 チャートの形から価格特性をつかもう!参照)を元に保有する銘柄を考えておく必要がありそうですね。

個人投資家はドンピシャは目指さずに割り切って取引をする

ハルちゃん

ちなみに景気動向に合わせて勝手に資産を見直してくれるファンドとかってあるんですか?

瀬山

資産配分を見直してくれるバランスファンドはありますね。

ハルちゃん

へ~あるんですね。じゃあそれを買っておけば、自分では考えなくても良いんですかね?

瀬山

う~ん、そういったファンドの目的は投資成果よりも価格変動を小さくすることなので、景気の大きな流れでは無くて、細かく見直してしまうんです。そうすると価格は安定しますが、あまり投資成果は出にくいですね。

ハルちゃん

あくまで価格変動を小さくすることを目的にしているんですね。

瀬山

景気の谷にはキャッシュ比率を高くするファンドもありますが、景気の山がきたときに上手く買い向かえなかったりしますね。

ハルちゃん

そうなんですね。でも運用のプロでも上手くいかないのに、景気動向に合わせて取引するなんて私にできるんですかね?

瀬山

プロは保有者の要望に応えるためには景気の山で株を売って、景気の谷で株を買うことを目指さないといけません。でも、個人の場合にはそこまで考える必要は無いと思います。

ハルちゃん

もう少し気楽に取引しても良いという事ですか。

瀬山

はい。売った後にまだまだ上がっていくケースもありますが、売却した後のことは考えてもしょうがない、と割り切った方が良いと思います。

自分が想定していた商品性が違ってきたら売却する

瀬山

それと、投資信託の良さとして、一部売却ができますので、迷ったら半分だけ売るというのも一つだと思います。世の中には何倍にもなっているファンドもありますが、上がっているファンドを持ち続けるのも根気がいりますからね。

ハルちゃん

たしかに下がる前に売りたくなりそうですね。

瀬山

ハルちゃんの場合、これから景気の山と谷が何回もあるでしょうから、利益も大事ですが、経験を積んでいくことも大事です。見ているだけじゃ分からないので、行動した方が身に沁みますし。

ハルちゃん

なるほど。ちなみに利益が出ている時は景気の動向を見ながら利益確定していくとして、損をしてでも売却しないといけない場面ってあるんでしょうか?

瀬山

そうですね。価格特性が大きく変化してしまって、購入した目的を果たせなくなった場合には損してでも売却しておいた方が良いですかね。

ハルちゃん

景気上昇時に上がると思って買ったら、下値抵抗力のある銘柄に入れ替わってしまったとかですか?

瀬山

そうですね。それとファンドの運用は変わっていなくても、価格特性を勘違いしていたケースもありますからね。

ハルちゃん

たしかにそれもありそうですね。

瀬山

景気の山と谷に合わせて売買をしつつ、使う目的が出てきた場合には、利益確定を優先していってください。使うためにお金を貯めているわけですから、そこは躊躇する必要は無いです。

ハルちゃん

分かりました!

最終的な出口では分配金を利用して緩やかに現金化していく

瀬山

次に最終的な出口の話しですが、積立で始めていくのと同じように、緩やかに着陸に入っていきます。投資しているお金を使う際ですが、売却して使うだけでは無く、分配金を活用する方法もあります。貯めていくプロセスでは分配金は矛盾していますが、使うプロセスになれば売却と効果は同じです。

ハルちゃん

使う時になったら分配金が出るファンドに切り替えていくのも良いのですね。

瀬山

そうですね。毎月分配型は貯まったお金を運用しつつ毎月使っていくには良い仕組みだと思います。

ハルちゃん

毎月分配型は資産形成には向いてないけど、運用しながら使う分にはありなんでしたよね。(第9回 毎月分配ファンドは資産形成には使わないで!本来の利用方法とは?参照)

瀬山

そうですね。投資対象と合っていないのに何でも毎月分配にしているファンドや、こっちの方が分配金が高いから乗り換えましょう!といって取引させる販売姿勢には問題がありますが、毎月分配すること自体に問題は無いと思います

10年後・20年後に使う予定の資産は引き続きリスクを取っても良い

ハルちゃん

分配金以外に緩やかに着陸するにはどういった方法がありますか?

瀬山

そうですね。例えば40歳を過ぎて、今が景気の山に来ていると思ったら、株から債券に切り替えていくとか、出口の多様化を図っていくのも良いと思います。

ハルちゃん

実際にリタイアする時には全部売却してしまった方が良いのでしょうか?

瀬山

いえ、出口にきたら全てを安全資産にするのではなく、10年後20年後に使う部分は引き続きリスクを取り続けても良いと思います。

ハルちゃん

なるほど。使う予定がなければ価格が変動しても問題無いですもんね。

瀬山

はい。リスクを取った方が長期的なリターンは上がりますから、そこで全て終わらしてしまうのは勿体無いです。

ハルちゃん

完全に着陸するのはリタイア後のさらに先で、そこでもまだ高度を下げていくような感じで考えておけば良いんですね。

瀬山

そういうことですね。

まとめ

ハルちゃん

今日教えて頂いたことをまとめますと・・・

株式や債券は長期的に見れば景気動向に沿って動いている

投資信託も景気動向の波を捉えて売買をしていった方が投資成果は上がる

売却した後に上がっても気にせずに割り切って考える。迷う場合には半分だけ売却するのもあり

最終的な出口は緩やかに着陸に入っていく

全てを安全資産にしてしまうのでは無く、一定期間使う予定の無いお金は引き続きリスクを取っても良い

ハルちゃん

ありがとうございました!景気動向を見つつ、結婚資金のためのキャッシュ化のタイミングを図っていきます!

瀬山

次は二人の豊かな老後を目指して、最終的な出口を目指していってください。

ハルちゃん

分かりました!

瀬山

まだまだハルちゃんの資産形成の道のりは長いですが、楽しみつつ続けていってください。

ハルちゃん

はい、頑張ります!分からないことがあったらまた聞きにきてしまうと思いますが。

瀬山

いつでも来てください。

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