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みんかぶプレミアムとは投資信託を選ぶ基準として、ファンドサイズつまり、純資産総額に着目して、資産規模の小さいファンドは避けるべきで、規模の大きなファンドを選ぶべきというアドバイスをする専門家の方がいます。
投信の純資産総額に着目する理由は、
① 多くの人が買っている(保有している)ので安心
② 規模が大きいと分散効果が得られやすい
③ スケールメリットによる低コスト化
といったところでしょうか。
それぞれ、正しいように感じられますが、果たしてどうでしょう?
確かにその方が安心かもしれません。但し、安心と投資成果と全く別です。
純資産総額が大きいファンドは、取り扱っている金融機関が多く、多くの受益者(保有者)がいます。また、解約せずに長く保有している可能性が高いでしょう。
しかし、そのファンドの保有者とあなたの投資目的が同じとは限りません。
投信選びで重要なことは、目的にあったファンドを選ぶことです。
投資信託の特徴として「分散投資効果」が期待できることが挙げられます。
決して間違っているわけではありませんが、規模が大きければ大きいほど分散投資効果が大きくなるとはいえません。
株式ファンドの銘柄分散効果は、30銘柄程度で十分に得られますので、純資産総額上位ファンドでないと分散投資効果が期待できないということではありません。
複数以上の資産クラスに分散するバランスファンドの場合は、分散投資するにはある程度の資産は必要でしょう。
ただし、運用資産が多ければより分散投資効果が期待できるのではありません。
分散投資効果は、あくまで何にどれだけ分散するか?つまり分散する資産の種類と配分比率で決まります。
純資産総額が大きいほど、スケールメリットが出そうですが、実際には、そう簡単ではありません。
保有証券の売買コストと、信託報酬等のコストに分けて考えてみましょう。
まず保有証券の売買コストについてです。
30年前ならいざ知らず、今は手数料の自由化が進み投信会社等の機関投資家の売買コストは、非常に安く抑えられているので、ファンドの純資産総額による違いは、さして大きくないものと思われます。
また、殆どのファンドの信託報酬率は、純資産総額に関わらず一律です。
信託報酬以外の監査費用などは影響があるでしょうが、極端に小さいファンドでない限り、極わずかな差でしかないでしょう。
スケールメリットによる低コスト化は、ファンドごとの純資産総額の多寡ではなく、個人で個別の株式や債券に投資するのと、投資信託という金融商品自体を比較する場合のメリットであって、純資産総額をファンド選びの基準とするには根拠が乏しいと考えられます。
基本的に運用には、投資対象の市場規模や流動性、またファンド特性の維持のための適正サイズがあります。
運用の世界では常識であり、投信会社が、各ファンドの適正サイズを想定し、運用資産に上限を設けています。
また、実際の投資信託の運用は、ファミリー・ファンド方式やファンド・オブ・ファンズ方式で、複数のファンドの資産が合同で運用されているケースが多くあります。
従って、個別ファンドの純資産総額で、運用効率等の比較をすることは現実的ではありません。
以上、見てきたように、ファンドのサイズは、投信選びの基準として適切だとはいえません。
個別ファンドの純資産総額にこだわるあまり、本来、自分自身の投資目的や投資スタンスと合ったファンドを見落としてしまうことは避けたいものです。
「純資産総額が大きいファンドを選びましょう」 という専門家のアドバイスは、聞き流したほうがよさそうです。
配信元:NTTデータエービック
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