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みんかぶプレミアムとは近年、世界的に金利が低下傾向にあるなか、少しでも高い金利を得ようと考えると、何かリスクを取る必要があります。
その方法の一つに、発行体企業の信用リスクをとって、より高い利回りを期待する、ハイ・イールド社債への投資があります。
2019年6月末現在で、ハイ・イールド債券型ファンドは、2兆3,676億円の純資産がありますが、その約3分の2である1兆5,549億円が、米国ハイ・イールド債券に投資するファンドとなっています。
しかし、今回注目したのは、米国ハイ・イールド債券ではなく、欧州のハイ・イールド債券です。
あえて欧州に注目したポイントは、日本円、米国ドル、欧州ユーロの金利水準です。
外貨建て資産への投資には、円と投資対象通貨との為替変動のリスクが伴います。比較的安定的な成果を期待して外債型ファンドに投資しても、為替変動が基準価額に大きく影響するケースも考えられます。
為替変動を低減する方法として為替ヘッジがありますが、為替変動リスクが大幅に低減する一方で、円金利とヘッジ対象の通貨の金利水準には注意が必要です。
米ドル建て資産を為替ヘッジすると、「円金利<ドル金利」なのでコスト(金利差分マイナス)となりますが、ユーロ建て資産をヘッジした場合は、「円金利>ユーロ金利」なのでプレミアム(金利差分プラス)となります。
では、具体的に欧州ハイ・イールド債券の投資環境についてはどうでしょうか?
今後の見通しも含め、「DWSユーロ・ハイ・イールド債券ファンド」シリーズなどの運用会社であるドイチェ・アセット・マネジメント様に取材を申し込んだところ、ドイツから当ファンドのポートフォリオ・マネージャーが来日中とのことで、直接、お話しをうかがうことができました。インタビューにお応えいただいたのは、欧州ハイ・イールド債券運用チーム責任者 シニア・ポートフォリオ・マネージャー パー・バーマン(Per Wehrmann)様です。
-それでは、足元の欧州ハイ・イールド債券の投資環境を教えて下さい。
2018年末にかけて世界的なリスク回避の動きが強まり、ハイ・イールド債券のスプレッド(対国債利回り差)が拡大し、債券価格が下落しました。
その要因としては、米国における金融引き締め・利上げ実施加速に対する警戒感の高まり、ユーロ圏景気の減速懸念、原油価格の下落基調、世界的な株式市場の下落傾向、イタリアの財政問題、英国EU離脱問題、米中貿易戦争などが考えられます。
しかし、2019年に入り市場は落ち着きを取り戻し、主要な中央銀行が「金融正常化」(金融引き締め・金利上昇)から「緩和的な政策姿勢」に方向転換したこともあり、割安感のあるハイ・イールド市場に資金流入が続き、スプレッドが縮小しています。
景気拡大の速度という面では、若干減速していますが、後退しているかと言うとそうではありません。現在の緩やかな景気拡大は、欧州ハイ・イールド債券市場を支えるとみています。
また、中央銀行の金融政策は、2018年は引締め(金利上昇)のスタンスでしたが、2019年は、金融緩和(金利低下)に転換しています。低金利環境が思っていたより長く続きそうで、この部分がハイ・イールド債券にとってプラスに働く要因になるのではないかと考えています。
-景気に過熱感がある環境よりも、緩やかな景気拡大のほうが、ハイ・イールド債券市場にとっては、好ましい環境と言えるわけですね。では、欧州市場のリスク(不透明)要因としては何が考えられますか?
「ブレグジット」、「ポピュリズム・保護主義の台頭」、「米中貿易摩擦問題」の3つが主な不透明要因です。
ブレグジットについては、英国の「合意なきEU離脱」リスクに対する市場の懸念が高まることが考えられます。今後のEUとの交渉に注目しています。
ポピュリズムの台頭については、欧州各国でポピュリズム政党が勢力を拡大中であり、引き続き懸念事項と言えます。
加えて、今後、米国と中国の間で関税の引き上げが繰り返されると、世界経済に及ぼす悪影響も不透明感を強める結果となりそうです。また、企業業績への影響が予想されることから、個別の銘柄選択が鍵になると考えています。
-これらは日本経済にとってもリスク要因と言えそうです。では、欧州ハイ・イールド債券と米国ハイ・イールド債券を比べた場合の違いや特徴についてうかがえますか?
米国と欧州のハイ・イールド債券のスプレッド(対国債利回り差)を比べると、米国の方が高くなっています。これは、米国ハイ・イールド市場と欧州ハイ・イールド市場の発行体の格付けの割合によるものが大きく影響しています。
ハイ・イールド債券という資産クラスの中では、より格付けの高いBB格の比率は、欧州が約70%であるのに対し、米国は約40%、となっています。欧州ハイ・イールド債券のほうがクレジットのクオリティが高い、つまりより安定的であるといえます。
また、デフォルト(債務不履行)率にも違いが見られます。欧州のハイ・イールド債券のデフォルト率は、米国に比べて近年、低い水準が続いています。これは、欧州の格付けが相対的に高いことを表しています。
また、米国の企業と欧州の企業の財務リスクに対するスタンスの違いもあります。米国の企業は財務リスクにアグレッシブであるのに対し、欧州の企業は慎重姿勢をとる傾向があります。
2016年は、米国のハイ・イールド債券のデフォルト率が上昇しました。これはエネルギー価格の下落に伴い、財務リスクが高まった企業が多かったためですが、欧州ハイ・イールド債券への影響は限定的でした。
エネルギーセクターの比率が、米国が約15%であるのに対し、欧州は数%です。エネルギー価格の変動性がセクターベースのデフォルト率に影響を及ぼすことも相違点といえます。
-それでは最後に、欧州ハイ・イールド債券ファンドに投資する場合のポイントを教えて下さい。
スプレッドの縮小による価格上昇もありますが、ハイ・イールド債券の最大の魅力は、高い金利収入であり、その積み上げによるトータルリターンの向上です。
為替ヘッジの面に関して言えば、欧州はプラス要因があります。米ドルと円に関しては直近3%近くのヘッジコストとなりますが、ユーロに関しては0.2%程度のヘッジプレミアムとなりますので、3.2%近くの利回りへの影響を考慮すべきです。
この部分は、欧州ハイ・イールド債券への投資妙味と言えるでしょう。
【インタビュアーより】
欧州ハイ・イールド債券への投資は、ブレグジット等の懸念材料もあるものの、中長期投資として捉えれば良好な投資環境だと言えるのかもしれません。為替ヘッジ付のコースであれば、現在、外貨建て資産を保有している方の分散投資先としても有効な選択肢となるのではないでしょうか。
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配信元:NTTデータ エービック
順位 | ファンド名 | 運用会社 | レーティング (1年) |
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ドイチェ
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ドイチェ
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ドイチェ
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