ETF(上場投資信託)の買い方|米国ETF / 国内ETFに分けて解説
ETFは名前こそ難しいイメージがあるものの、買い方自体はいたって簡単。1度取引を経験すれば2回目以降の注文はスムーズにできるはずです。
では、ETF投資をスムーズに始められるように「米国ETF」「国内ETF」それぞれの買い方をわかりやすく説明します。
自分が興味あるETFの種類から確認してみましょう!
【事前準備】ETFを買うのに必要なもの
ETFを買うために必要な物は以下の通り。特段手間がかかるものがないので、気負いをする必要はありません。
- 口座開設に必要な本人確認書類(マイナンバー関連書類【必須】、運転免許証、住民票、保険証など)
- 証券口座
- 外国株口座(米国ETFを取引する場合)
- 投資資金
証券口座の開設って面倒なんじゃないの?と思う方向けに口座開設の手順も併せて紹介しておきます。口座開設に必要な手続きは大体10分もあれば終わりますよ。
- 証券会社の口座開設申込フォームにアクセス
- 本人情報・勤め先・インサイダー情報などの記入
- 振替口座の設定
- 本人確認書類のアップロード・送付
- 審査
- 口座開設完了!
米国ETFの買い方【5STEP】
米国ETFを買うためには証券口座だけでなく「外国株口座」の開設が別途必要になります。ただ、手間がかかるのは最初だけです。
証券口座(外国株口座)さえ開いてしまえば「入金&取引」をするだけで済みますので、必要な手間だと考えて手続きを進めましょう。
- 証券口座(外国株口座)を開設する
- 外国株口座に入金をする(円貨決済 / ★外貨決済★)
- 買い付ける米国ETF銘柄を決める
- 買い注文を出す
- 約定したら購入完了!
それでは、それぞれの手順のポイント・注意点を説明していきます。
証券口座(外国株口座)を開設する
まずは、証券口座と外国株口座を開設しましょう。
人気ネット証券のSBI証券の場合、以下の画面から外国株口座の開設ができます。総合証券口座を持っていれば「4つの書面を確認・同意」するだけで開設でき、非常に便利。
また、口座開設でつまづいてしまう典型的なパターンは以下の通り。
- 住民票・本人確認書類の住所と記入した住所が違う
- 入力した本人情報と口座名義・クレカ名義が異なる
- 記入したメールアドレスに誤りがあり手続きが進められない
- マイナンバー関連書類がなく口座開設ができない
入力ミスはのちのち「思わぬ手間と時間」がかかってしまうので要注意です。
外国株口座に入金をする(円貨決済 / ★外貨決済★)
続いて、投資資金の用意です。資金の入金方法は以下2種類があります。
円貨決済(日本円入金・自動両替・手数料高)
外貨決済(外貨入金・手数料安)
手間がかからないのは「日本円」を入金して自動で外貨両替する方法ですが、両替にはスプレッドという為替手数料がかかってしまい「お得さ」の観点では▲です。
一方、自分で外貨を用意して入金する方法は、手間がかかる分「手数料」が抑えられるので利益の最大化につながります。
外貨調達の方法は以下がありますので、チャレンジしてみることをおすすめします。
- 【おすすめ】証券口座内で為替取引をする
- FX口座を作り、外貨出金する
- 外貨預金で外貨出金する
為替両替のたびに多少なりとコストがかかってしまうので、一度にまとめて両替しておくと楽&お得ですよ!
買い付ける米国ETF銘柄を決める
次に買い付ける米国ETFを決めましょう。最初からニッチな銘柄にチャレンジするより以下のような「純資産総額」の規模が大きい人気ETFを少額から買い集めてみるのがおすすめです。
また、ETFの売買単位、最低必要資金は以下のようになります。
売買単位 |
1口、10口、100口など銘柄による |
最低必要資金 |
1口×取引所価格(数百円〜10万円程度) |
詳しくはこちら: ETFの選び方【米国ETF or 国内ETFどっちがおすすめ?】
買い注文を出す
買いたいETFが決まったら取引アプリで注文を出しましょう。資金に余裕があれば「成行注文」と「指値注文」の2つを試してみるのがおすすめです。
成行注文…注文を出したタイミングで売買が成立する価格で約定する。今すぐ買いたい場合に使うことが多い。
指値注文…価格を指定して株価が該当価格になったタイミングで約定する方法。特定の値段で買いたい場合に使われる。
米国ETFの場合、約定タイミングの感覚が掴めるまでは短期売買は避け、スイングトレードなどを試してみるのがおすすめ!
約定したら購入完了!
注文が約定したら購入完了です。
国内ETFの買い方【5STEP】
国内ETFに興味がある人向けに、国内ETFの買い方も紹介します。国内ETFは米国ETFと異なり「外貨用意が不要」「取引時間が日本時間基準なので取引しやすい」というメリットがあります。
米国ETFはなんだか難しそうと感じている方でも、国内ETFなら取引を始めやすいかもしれません。
大まかな手順は以下の通りです。
- 証券口座を開設する
- 証券口座に入金をする
- 買い付ける国内ETF銘柄を決める
- 買い注文を出す
- 約定したら購入完了!
証券口座を開設する
まずは、証券口座を開設しましょう。国内ETFの取り扱いラインナップを加味すると、SBI証券や楽天証券がおすすめです。
(国内ETF取扱銘柄一覧)
SBI証券
楽天証券
口座開設手順は以下を参照ください。
- 本人確認書類を用意する
- 本人情報を記入する
- 振替口座の設定
- 本人確認書類のアップロード・送付
- 審査
- 開設完了!
- 住民票・本人確認書類の住所と記入した住所が違う
- 入力した本人情報と口座名義・クレカ名義が異なる
- 記入したメールアドレスに誤りがあり手続きが進められない
- マイナンバー関連書類がなく口座開設ができない
などの凡ミスがないよう慎重に記入しましょう。証券会社ページの誘導にのればすぐに口座開設できるので「難しそう」という不安を抱く必要はありません。
ネット証券おすすめ口座ランキング(ミンカブ)
証券口座に入金をする
次は証券口座に必要資金を入金しましょう。
振り込みのたびにパスワードを打ったり、金融機関ページで作業するのは面倒だと思うので「今月の投資予算」を決めて月初などキリの良いタイミングで入金しておくのがポイントです。
目安としては10万円程度あれば滞りなく取引ができますよ。
買い付ける国内ETF銘柄を決める
次はいよいよ買い付ける銘柄選定をしましょう。
初心者でも実践しやすい選び方は「純資産総額」が多い人気銘柄からチャレンジする方法です。
【純資産が多い国内ETF例】
また、ETFの売買単位、最低必要資金は以下のように決められています。
売買単位 |
1口、10口、100口など銘柄による |
最低必要資金 |
1口×取引所価格(数百円〜10万円程度) |
買い注文を出す
最後は買い注文を出して約定すれば購入完了です。短期売買、長期保有など投資方針に合わせて取引しましょう。
約定したら購入完了!
ここまでで、国内ETFの買い方説明は終了です。さまざまな注文方法を試したりして、自分にあったETFトレードスタイルを見つけていきましょう。
ETFの選び方【米国ETF or 国内ETFどっちがおすすめ?】
ETFの買い方でも簡単に説明しましたが、この章では「ETFの選び方」をより詳しく説明します。
「どうやって選べばいいの?」
「なんとなくで銘柄選びをするのは不安」
「国内と米国どっちのETFがいいんだろう」
という疑問を解決できる内容になっていますので要チェックです。
ETFの選び方・手順は以下の4ステップで行うのがおすすめです。
- 配当金、値上がり、リスクヘッジの3つの目的のうちどれか決める
- 投資対象にする国・地域を選ぶ
- 純資産総額・流動性・乖離率・信託報酬が優れているものに限定する
- 投資に不慣れなら「国内ETF」がおすすめ!
配当金、値上がり、リスクヘッジの3つの目的のうちどれか決める
まずはETF投資の「目的」を決めましょう。初心者の場合以下3つの方針のうち自分が気になるものを「目的」に設定するのがおすすめです。
- 配当金狙いで定期収入を増やす!
- 値上がり益狙いで投資をする!
- 下落相場対策で金や債券の保有割合を増やす!(リスクヘッジ)
方針を決めれば、該当するETFも限られてきます。
投資対象にする国・地域を選ぶ
次は、どこの国、地域、何の資産に投資するのか決めましょう。人気どころでは以下が挙げられます。
- TOPIX(国内株式)
- 日経平均225(国内株式)
- S&P500(米国株式)
- 金(ゴールド)
- 原油
ただし、金ETF、原油ETFは値動きが活発なため、長期保有に不向きな場合もあります。短期売買で活用するのも1つの手です。
また、米国株式への投資は「国内ETFでも可能」です。米国へ投資=米国ETFではないので注意しましょう。
例) NEXT FUNDS S&P500指数(為替ヘッジあり)連動型上場投信
純資産総額・流動性・乖離率・信託報酬が優れているものに限定する
ある程度、候補になるETFが絞れてきたら、
の4観点が優れているものをピックアップします。
簡単に言い換えると以下のポイントを確認しようということです。
- 純資産総額 → 人気があるか、投資家からお金を集められているか
- 流動性 → 取引は活発で注文が成立しやすい状況になっているか
- 乖離率 → 取引価格と基準価額の差は小さいか
- 信託報酬 → 運用コストは低いかどうか
国内ETFで一例を出すと「NEXT FUNDS S&P 500 指数(為替ヘッジあり)連動型上場投信」なんかは、上記4項目をクリアしている銘柄のひとつですね。
NEXT FUNDSシリーズをチェックしてみる
投資に不慣れなら「国内ETF」がおすすめ!
「米国ETFと国内ETFどっちがいいの?」
ETFに興味を持っている人ならこうした疑問を抱くのではないでしょうか。結論としては以下のようにまとめられます。
- 外貨で取引をしたい(ドルで取引したい) → 米国ETF
- 手間をかけずにいろんな国・地域に投資したい → 国内ETF
米国ETFのほうが最近記事で取り上げられることが多いかもしれませんが、投資初心者からすると「国内ETF」の方がとっつきやすいと考えられます。
【国内ETFがおすすめの理由】
- 外貨両替が必要ない
- 配当金の二重課税調整がされる(銘柄による)
まずは国内ETFから投資してみて「ドルでも配当が欲しいな」など新しく願望が生まれたら米国ETFにもチャレンジしてみると良いかもしれません。
国内ETFを探す
ETFの売却はどうすれば良い?【売却タイミング例も紹介】
ETFの売却自体は「指値、成行、逆指値注文」などを使い売却すれば問題ありません。
それよりも気になるのは「いつ売却すれば良いか」ですよね。売却タイミングは大きく分けて5つあります。
- 短期で大きく値上がりした時(利確)
- 目標利回り(利益額)を達成したとき(利確)
- 予想と異なる値動きをした時(損切り)
- 現金が必要になったとき
- 今の投資先よりも優れた投資先がみつかった時
それぞれ「なぜそのタイミングで売却するのか」理由を見ていきましょう。
短期で大きく値上がりした時(利確)
わかりやすいのは短期で大きく値上がりしたタイミングです。5%を超える値上がり益が出ているタイミングでは利確(売却)をして、投資元本を増やす意識をするとGOOD。
一番良いのは「何%含み益がでたら利確する」というように取引ルールを決めておくと売却タイミングに迷うことが少なくなります。
ただし、長期保有前提の場合は何%ではなく「何年間長期保有する」など保有期間を決めておくことをおすすめします。
売買の手間や複利効果が薄れてしまうのを防ぐためです。
目標利回り(利益額)を達成したとき(利確)
など、目標とする利回り、利益額を達成したら売却するのもおすすめです。
予想と異なる値動きをした時(損切り)
デイトレードをしていて、予想とは異なる値動きをした場合も「損失を限定させる」という意味合いで売却するのもひとつの手段です。
損切りをしないと、どんどん損失が膨らんでしまうリスクがあります。「損小利大」を心がけるためにも「損切りライン」は決めておきましょう。
そして、損切りラインにタッチしたら「売却」をして、次の取引チャンスを待ちましょう!損切りができるかできないかで「投資家」としての腕が変わります。
現金が必要になったとき
投資をしていると「現金が必要になる場面」もあります。
急ぎで現金が必要になったタイミングも売却タイミングの一つです。
今の投資先よりも優れた投資先がみつかった時
ETFを含め、投資では「今よりも魅力的な投資先」が見つかるタイミングもあります。
「新興国株ブームが来ている」
「米国株の調子がよい」
「株式市場が不調で金や原油に資産が集まっている」
など、魅力的な投資先は変化します。ですから、今投資しているETFよりも利回りや成長見込みが優れたETFが見つかった場合は売却して投資先の変更をしてみましょう。
まとめ
今回は、ETFの買い方や選び方、売却ポイントについて解説しました。
実際に投資を始めるまでは不安もつきまとうと思うので、忘れないようリーディングリストに追加したり、ブックマークをして読み返せるようにしてみましょう!