「FDA日米バランスファンド(みどりの架け橋)」とは
「FDA日米バランスファンド(みどりの架け橋)」
【運用方針】
- 主として、日本株式、日本国債、米国株式、米国国債を投資対象とする、日本、米国の金融商品取引所等の上場投資信託証券(ETF)に分散投資を行い、信託財産の中長期的な成長を図ることを目的とします。
- 各資産を投資対象とするETFは、流動性、時価総額および信託報酬等を勘案し、選定します。
-
基本投資配分比率(2023年2月現在)
- 安定型:日本株式10%、日本国債40%、米国株式10%、米国国債40%とします。
- 成長型:日本株式25%、日本国債25%、米国株式25%、米国国債25%とします。
- 積極型:日本株式40%、日本国債10%、米国株式40%、米国国債10%とします。*
- 組入外貨建資産については、原則として為替ヘッジを行いません。
- 各資産を投資対象とするETFへの基本投資配分比率は、株式会社FDアドバイザリーの投資助言に基づき、決定します。
*積極型:2023年2月27日設定
今回、取材にお答えいただいたのは、北國銀行様とFDアドバイザリー様です。
- 株式会社北國銀行
執行役員 ライフプラン部長 藪野 秀章 様
ライフプラン部ライフプラングループ グループ長 福田 雅之 様
- 株式会社FDアドバイザリー
代表取締役社長 今井 豊 様
運用部長 濱 健次 様
ラップファンドよりローコストだが、同等の成果を目指す
安定型と成長型で構成されていた「FDA日米バランスファンド(みどりの架け橋)」シリーズに、新たに積極型を追加した背景とは?
若年層も含めてより幅広いニーズに応える
2021年10月に「FDA日米バランスファンド(みどりの架け橋)」の安定型と成長型が設定され取扱いを開始し、順調に販売、残高も増加しています。
今年に入り再度、投資信託のラインナップを見直して取扱いファンドを追加するとともに、「みどりの架け橋」についても議論をしました。それまで、株式比率が20%と50%と比較的控えめでしたが、今後も見据え、株式投資比率の高いバランスファンドがあれば、若年層も含めてより幅広いニーズにお応えできるのではないか、ということで積極型の設定に至りました。
もともと「みどりの架け橋」シリーズは、世の中にあるラップ型ファンドは信託報酬が高すぎる・・・もっとコストが安く同様のパフォーマンスが実現できるのではないか?との想いからスタートしており、株式20%から80%のファンドが3本あれば、それを組み合わせることでお客様のご希望に応じたご提案ができると考えています。
業態を越えて共感が広がる「みどりの架け橋」
「みどりの架け橋」は、ローコストのバランス型ファンドの実現を目指したとのことですが、SOMPOアセットマネジメントは、ファンドの設定を「新しい試み」と捉えています。
“「ひとつ商品を作って“売れる・売れない”のレベルではなく、北國銀行の資産運用ビジネスの大きな変革の時期であり、販売会社と二人三脚の時間軸の長い新しい試みとして「みどりの架け橋」を設定しました。
信託報酬は、同種のファンドに比べかなり安い水準ですが、10年、20年、30年という単位で、北國銀行の若い世代のお客様や次世代のお客様の資産形成に使って頂ければ、信託報酬が低くても時間軸の長さでビジネスが成立するのではないかと考えています。」
(SOMPOアセットマネジメント株式会社 常務執行役員 八田 真 様)“
「みどりの架け橋」の販売会社は、北國銀行以外にも、北陸三県の店舗網を展開する今村証券とネット証券大手の松井証券が加わっています。両社とも「みどりの架け橋」のコンセプトや「みどりの架け橋」を通した顧客本位の業務運営に共感して販売会社に加わったとのこと。
銀行、証券会社、投信会社、業態の垣根を越えて共感が広がっているようです。
「みどりの架け橋」はローコストでも本当に優秀なのか?
「みどりの架け橋」の信託報酬と運用成果を同種のファンドと比較
みどりの架け橋シリーズの各ファンドの分類は以下のとおりです。
- みどりの架け橋 安定型 ・・・ 国際バランス・安定型
- みどりの架け橋 成長型 ・・・ 国際バランス・安定成長型
- みどりの架け橋 積極型 ・・・ 国際バランス・成長型
「みどりの架け橋」と同じ分類でコストの安い他の3ファンドと運用成績を比較してみました。 投資環境は、ファンド設定前の「低インフレ・低金利」「景気回復」という好環境から、設定後は、「インフレ・金利上昇」「景気減速懸念」という環境に変化しており、バランスファンドの運用においても厳しい状況といえます。
全ファンドノーロード化
―北國銀行が考える「お客さま本位の業務運営」
「みどりの架け橋」シリーズを含め、すべてのファンドをノーロード化(購入時手数料無料化)に踏み切った背景は?
投資信託の購入時手数料は役目を終えつつある
北國銀行では以前から、お客様の運用目標やライフプランに基づいて投信を提案してきましたが、お客様のニーズが多様化する中で、銀行の商品やサービスに限定されない包括的な提案が求められるようになってきました。
そのような流れを受け、顧客本位の運営に関する取り組みの次のステージとして、商品・サービスが限定されないアドバイスを中心にしたFDAを設立し、グループとして顧客本位のサービスの質を高めるという目線で取り組んでいます。
FDAでは、助言の対価を頂くビジネスモデルなので北國銀行で購入時手数料を頂くと二重取り感(ダブり感)があり、助言でフィーを頂くというビジネスモデルをグループ全体で目指していくためには、投信の購入時手数料は役目を終えつつあるのではないかという整理をしました。
顧客と銀行が、お互いWin-Winの関係になるためには、どうあるべきなのか
顧客本位の取組みを考える中で、改めて顧客の利益は何なのか?顧客の利益と銀行の利益が背反することなく、お互いがWin-Winの関係になるためには、どうあるべきなのかという議論をしました。 資産運用におけるお客様の利益は、お客様の資産残高が夢や目標に向かって着実に増えていくことでしょう。ところが、購入時手数料を頂くと、どうしてもマイナスからのスタートになってします。やはりこのことは、お客様の利益を損なうことになると考えました。
購入時手数料を全てなくすことがお客様の利益であり、お客様の投資信託の残高が増えれば、銀行の信託報酬やFDAの助言フィーの増加が見込めます。
お客様と私どもがWin-Winの関係になっていくというビジネスモデルを志向したいと考えて、購入時手数料を全てなくす決定に至りました。
みどりの架け橋はどの様なお客様に勧めているのですか?
ライフプランを起点にし、
顧客一人一人に合わせたファンド提案を実施
あくまでライフプランを起点にして、その人が運用できる額などを共有します。その上でお客様のリスク・リターン(求められるリターンと許容できるリスク)に応じて、「みどりの架け橋」がそれに当てはまるのであればお勧めしています。
最後にファンド愛称「みどりの架け橋」に託した想いを教えて下さい。
お客さまと北國銀行、FDAをつなぐ架け橋
愛称の「みどりの架け橋」は、行内でアンケートを実施して決定しました。グループのイメージカラー「みどり色」と企業理念の「豊かな明日へ信頼の架け橋を」からのネーミングですが、地域の皆様と豊かな未来を築くために、お客様の資産をしっかり守って作り上げていくためのお客さまと北國銀行、FDAをつなぐ架け橋という想いも込めています。 銀行本体でも運用をしており、その蓄積されたノウハウを「みどりの架け橋」を通してお客さまに還元していこうと考えています。
まとめ/インタビューを終えて
資産運用ビジネスの購入時手数料から助言フィーへの転換は、メガバンクや大手証券でも道半ばである中、明確な方針のもと、いち早く運用の助言に重きを置くサービスに転換を図っている北國フィナンシャルホールディングスの取組みは金融業界でも注目されています。
資産運用に関して投資家の志向は様々であり、どんなサービスを受けるかを選ぶのは、投資家自身です。 運用の助言に重きを置く北國フィナンシャルホールディングスのサービスは、これから資産運用を始めようと考えているものの、どんな投資方法が良いか分からない・・・すでに投信を保有しているけれど、本当にそのファンドで良いか少し不安・・・といったような人にとって有効な選択肢の一つと言えそうです。