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自分自身のリスク許容度を知れば、資産運用とくに長期の資産形成は、成功に大きく近づきます。
でも、「あなたのリスク許容度は?」と聞かれて、即答できる人はまずいないでしょう。
そこで、
❶リスク許容度とは
❷リスク許容度を知るために
❸リスク許容度に応じた資産運用法
の順で、確認していきましょう。
リスク許容度について知る前に、まずはリスクについて確認します。
投資でのリスクは日常使うリスクとは少し意味が異なります。
投資でいうリスクとは将来収益の不確実性(振れ)、価格が上がったり、下がったりするバラツキのことを指します。
つまり、リスクが大きいという意味は、変動のブレが大きいということです。
収益の下方向への振れ、つまり損失が出た場合、どの水準まで耐えられるか?がリスク許容度です。
リスク許容度には、2つの側面があります。
一つは、経済的側面。もう一つは心理的側面です。
経済的側面には、
・資産運用の期間(年齢)
・家族構成
・金融資産額
・収入
などがあります。
一般的に、運用期間が長く、金融資産額と収入が多いほど、リスク許容度は大きくなるとされています。
心理的側面は、そういったこととは別に、気になって夜も寝られない・・・、不安になって運用を続けられなくなる・・・そのような状況に陥ってしまう運用資産の評価損の水準がどの程度なのか。ということです。
リスク許容度について知識を深めるには、投信の運用会社や販売金融機関のHPで紹介されている、リスク許容度診断ツールやロボット・アドバイザー(ロボ・アド)を活用するのがいいでしょう。
経済的側面や心理的側面に関するいくつかの質問に答えていくと、リスク許容度が表示されます。
リスク許容度の範囲で、より高いリターンが期待できる、資産やファンドの組み合わせ等も併せて紹介される場合もあります。
さあ、これでリスク許容度と、投資対象や配分比率も分かったので、運用開始!
いえいえ。ちょっと待って下さい。
できれば、複数以上の診断ツールを試してください。
経済的側面に関する設問は、どのツールもほぼ同じ内容ですが、心理的側面については、各ツールで、大きく異なります。
投資とは全く関係のない心理テストのような質問が用意されているツールもあれば、運用期間中の損益の水準や、評価額の推移をチャートで示して、選択できるようになっているツールもあります。
なので、結果が同じになるとも限りません。
気持ちが前向きの時、後ろ向きのときなど、その時の心理状態で変わってくる可能性も十分にあります。
その上で、もう一つ。
経済的側面についてです。
経済的側面に関する設問では、現時点の自分自身について回答したと思います。
その結果を覚えておいてください。
次に、10年後、20年後を想定して回答して、その結果を比べてみましょう。
時間経過の経過に伴い、年齢を重ねることになるので、運用期間は短くなっていき、想定される金融資産額や収入も変わってくるはずです。
つまり、リスク許容度の経済的側面は、時間の経過とともに変化する。
心理的側面は、設問やその時の心理状態でも変化する。
・・・これが「リスク許容度」の正体なのです。
さて、ここからが実践編です。
設問や気持ち、また時間の経過とともに変化する、リスク許容度に応じた資産運用を考えてみます。
経済的側面から算出されるリスク許容度が、一般的に運用期間が長く、金融資産額と収入が多いほど大きくなるのは、何故でしょう?
運用期間が長いと、一時的に損失がでたとしても、回復のする時間が十分にあり、また、金融資産が多いと、損失が出ている期間に、資金が入用になった場合、他の金融資産でカバーすることで、損失が解消するまで運用を継続できるからです。
つまり、大きなリスクを取ったとしても、実際に運用資産を使うときに、困ったことになる可能性が低いのです。
以上のことを踏まえて、お金の使う時期に応じて、リスクを取るべきか取らざるべきかを考えてみましょう。
① 日常使う生活資金、使う時期が数年以内 ・・・ リスクは取らない (預貯金等)
② 使う計画あるが時期5年以上先、または未定 ・・・ 計画的にリスクを取る(運用商品(投信等+預貯金)
③ 将来ための資産形成 ・・・ リスクを取る
以上のようなイメージになります。
リスク許容度の経済的側面を、時間軸で分割した形です。
お金を使う時期は、固定ではなく、収入と支出、時間の経過によって流動的になります。
これに関しては、大多数の方はある程度イメージをお持ちだと思います。
そこに資産運用資金への配分を決めれば、それが自ずとリスク許容度に応じた資産配分になります。
本来、個人の性格に寄るところが大きいといわれる、心理的側面についても、実際のところは、経済的側面の影響が大きいと思われます。
お金を使う時期のイメージに基づいて、決めたリスク資産への配分であれば、ハラハラ・ドキドキすることなく、計画的にリスクを取りながらの運用が可能です。
リスク許容度に応じた資産運用は、リスク資産だけを取りして、リスクの大小を云々するものではなく、お金を使う時期に応じて、お金全体を管理すべきなのです。
そうすれば、投資するファンドごとや運用資産のみでリスク管理するよりも、リスクが取りやすくなるでしょう。
ハイリスク・ハイリターンの原則に基づいて考えれば、リスクを取った方がリターンも大きくなります。
つまり、お金を使う時期を基準にしたスク許容度に応じた資産運用は、より高いリターンが期待できる運用方法なのです。
❑ 『信託財産留保額の正体』 信託財産留保額のあるファンドを選ぶのもあり?
配信元:NTTデータエービック
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