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インタビュー「日本中小型クオリティバリュー株ファンド(愛称:花の山)」 ファンドマネージャーインタビュー

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2019/03/12 15:30

「日本中小型クオリティバリュー株ファンド(愛称:花の山)」 ファンドマネージャーインタビュー

投資信託を運用しているファンドマネージャーが、情報端末を見ながら情報収集している姿などが、投資関連のテレビ番組で紹介されたりしますが、実際の仕事内容について世間一般にはあまり知られていないのではないでしょうか?
そこで、今回はファンドマネージャーの方の日常の仕事内容を取材してみました。
お話しをうかがったのは、「日本中小型クオリティバリュー株ファンド(愛称:花の山)」の運用担当者である、大和住銀投信投資顧問株式会社 株式運用第一部 バリュー+αグループ シニア・ファンドマネージャーの金森 一仁 様です。

 

―ファンドマネージャーというと、情報端末に囲まれデスクに張り付いているイメージがあります。実際のファンド運用の仕事を教えて下さい。

 

まず、最初に申し上げたいのは、世の中には色々なファンドがあるので、運用方法も様々であるということです。デスクで大量のリサーチレポートなどの情報を取捨選択して運用するスタイルの方もいます。
私はどちらかというと泥臭いスタイルが性に合っていて、「百聞は一見にしかず」じゃないですが自分で得た情報を使いたいという気持ちがあります。
私が運用している中・小型株は、大型株に比べアナリストリサーチなどの情報が少ないため、企業経営者の方々に、色々話を聞きに行けば成果が得られると考えています。

 

規模別でみた1社あたりのアナリスト数の分布:小型株・その他は市場が注目しない銘柄で大きな収益獲得のチャンス!

努力をすれば実りのあるところで努力しよう。汗をかくのであれば結果につながるところで勝負して汗をかこうということです。
私のスケジュールは、企業取材で詰まっています。おそらく当社で一番じゃないでしょうか。

 

―びっしり詰まったスケジュールですか。今日のスケジュールを教えて下さい。

 

今日は10時と11時に、それぞれ企業の方が来訪されお話しをうかがいました。午後からは決算説明会とスモールミーティングで各1社ずつでしたので、合計4件です。
概ね一日、5社前後、多い日は7社の日もあります。年間では、約1,000件以上のミーティングをこなしています。数をこなすことは非常に重要だと思っています。そのことで、情報と情報のつながりが生まれやすく、情報に付加価値が生まれるのです。

担当ファンドマネージャーの企業調査件数に関する図

 

―年間1,000件はすごい数ですね。私なんかはそれだけ多く取材しているとこんがらがってしまいそうです。

 

最初の頃は大変でした。特にカタカナ名の会社はごちゃごちゃになりやすいですね。でも2年くらい続けていくと慣れてきました。
ただ、毎年1,000件を超える取材をしていると、この会社は初めてお会いすると思っていたら、以前にお会いしていたなんてこともありました。訪問前にノートを見直していると「あれ!」って感じで・・・。
そういうこともあるので、予めその企業について下調べすることが大事ですね。明日から2日間出張で、計10社程訪問するのですが、昨日夜10時まで下調べしても終わらなくて。このあと続きを行います。下調べは、例えば会社の沿革などです。例えば、ホームページに掲載されている沿革は、都合の悪いことが省かれているケースがあるので、有価証券報告書に記載されている沿革から調べていきます。

 

―取材の際に気を付けていることを教えて下さい。

 

基本的に、色あせない情報を得ようとしています。終わった決算の数字は、3ヵ月経つとそこまで重要な情報ではなくなることもありますので。
今、会社が持っているビジネスは、どうしてその形になったのか?ラッキーパンチなのか?それともしっかりとした技術やマーケティングの結果なのか?
また、過去、逆境を跳ね返せた会社なのかどうか?などを最初に押さえておかないといけないですね。そういった情報は色あせません。
例えば、逆境を跳ね返せた会社なら、たとえまた逆境にあって株価が下がったとしても、安心して見ていられるし、この会社の根本的な力は落ちてないと確信があれば買えるわけです。

 

―色あせない情報が大切だというのは、個人投資家も参考にできそうですね。

 

それからもう一つ、気を付けていることは、応対していただく方によって、聞き方や内容などを変えることです。お会いする方の中には、口下手な方もいらっしゃいます。そういう場合は、例えば会社の沿革などを参考に「何が起きたのですか?」と質問するなど、情報を引き出せるよう工夫します。先ほど下調べが大切だと言いましたが、予め調べておいたことがここで役立ちます。
また、自社にプライドを持たれている方は、とにかく褒める。そうすると色々な話が聞き出せます。
共通するのは、笑顔で接することです。お会いしている経営者の方々は取材慣れしていない方々も多いので、笑顔で場の雰囲気を盛り上げることも大事ですね。
その一方、自社のことを伝えることが上手な企業トップの方もいらっしゃいます。そういう会社は良い会社だと思ってしまいますし買いたくなるのですが、往々にして株価は高くなっています。
バリュー投資(割安株投資)は口下手な方からも話を聞き出す必要があると思っているので、そのための努力はしています。

 

―内容は良くても投資家に注目されず、株価が割安な会社を選ぶのですね。

 

そのとおりです。注目されていない会社の株価は結局上がらないのでは、と思われがちですが、そんなことはありません。業績として結果に出てくれば、市場は見ており株価に反映されます。
私は、決算発表の時期には結構稼げています。隠れていた部分が陽の目を見れば成果につながります。

 

―失敗談などあれば教えて下さい。

 

あるプリント配線板の会社は、15年3月期は赤字だったのですが、取材をとおして16年3月期には、黒字化できるのではないかという感触を得ました。でも株価が非常に低くて、自分自身を信じきれず買えませんでした。その後、予想通り黒字化し株価は大幅に上昇しました。その時の教訓は、良いと確信したら迷わないということです。組み入れ比率はあくまでポートフォリオのリスク管理の範囲内にすべきですが、自分自身を信じ抜くことが大事だなと思いました。

 

―ポートフォリオのリスク管理の範囲内でとのことですが、具体的に教えて下さい。

 

それでは、「日本中小型クオリティバリュー株ファンド(愛称:花の山)」を例にとってご説明しましょう。当ファンドの投資対象である中・小型株は、ボラティリティが高いという特徴があります。つまり上にも下にも大きく変動するため、大きく下がってしまうと取り返すのが大変です。少し矛盾するかしれませんが、「日本中小型クオリティバリュー株ファンド(愛称:花の山)」では、ボラティリティが高い市場の中で、いかに安定的にパフォーマンスを稼ぐかを目指しています。そのための工夫の一つが、利益を創出している足腰がしっかりした、安定的な投資成果が得られる会社を選んでいることです。
もう一つは、リスクモデルを用いて、ポートフォリオ全体のリスクを管理していることです。株式の組み入れ比率をポートフォリオのなかで何パーセント持つことが最適なのかを数値化して全体のリスクを制御し、市場の変動リスクを極力抑えることを目指しています。
お客様の立場からすると、勝った、負けた(上がった、下がった)とハラハラするよりも、安心して長く投資いただけるよう運用しています。

 


【インタビュアーより】
ファンドの愛称「花の山」は、相場格言「人の行く、裏に道あり、花の山」からのネーミングです。「花の山」すなわち大きな投資成果は、人と同じことをやっていては得られない、との意味ですが、ご担当者の運用方法をうかがい納得できました。但し、進んでいるのは裏の道ではなく真正面の道ですね。
「日本中小型クオリティバリュー株ファンド(愛称:花の山)」の今後に注目です。

 

>>「日本中小型クオリティバリュー株ファンド(愛称:花の山)

 

 

*記事内の会社名、組織名等は、記事掲載日現在のものです。

 

出所:NTTデータ エービック


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