New Face紹介 2025年6月
6月の世界株式市場は、米中貿易協議の進展期待を背景に堅調なスタートを切りました。しかし、中東情勢の緊迫化により地政学的リスクが高まると、株価は一時的に上値の重い展開となりました。月末にかけてはイスラエルとイランの停戦合意や、米国の利下げ観測の高まりが好感され、先進国を中心に株式指数が最高値を更新するなど、全体としては堅調な相場展開となりました。
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こうした市場環境の下、6月の投資信託市場では新設ファンドの設定本数(ETFを除く)が33本、設定額は概算で2,069億円と、いずれも前月比で倍増しています。3月下旬に発表されたトランプ米大統領による関税政策の影響から、投資信託の新規設定も低迷が続きましたが、株式市場の回復基調を受けて、内外の株式型ファンドへの関心が高まったことが背景にあると考えられます。一方で、関税政策などを背景に先行きへの不透明感は依然として残っており、投資家の慎重な姿勢も根強い状況です。既存ファンドを含めた投資信託全体(ETFを除く)の資金流入額は、前月から大きく回復せず、低調な状況が続いています。
2025年6月 新規設定分類別比率

6月の新規設定ファンドで特に注目されるのは、設定額第1位で、2025年6月の設定金額全体の4分の3近く占めた「(早期償還条項付)野村ハイベータ日本株2506」です。野村アセットマネジメントが設定し、野村証券が単独で販売した単位型ファンドで、2025年に新規設定されたファンドの中で最大規模となる1,523億円を集めました。国内株式の中から市場全体よりも値動きの大きい「ハイベータ株」を中心に、割安性や収益性など複数の財務指標でスコアリングを行い、スコア上位銘柄を投資する戦略を採用しています。信託期間は約5年、基準価格が1万2,500円以上になった場合は安定運用に切り替え、繰り上げ償還されます。欧米株式が最高値を更新する一方、日本株は出遅れ感がある中で、国内株式への関心と期待の高まりを象徴する動きとなりました。
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第2位は、ニッセイアセットマネジメントが設定した単位型ファンドの「ニッセイ・円建てグローバル社債/バランスファンド2025-06」です。外貨建て投資適格社債を円で為替ヘッジしながら満期まで保有する「安定運用部分」と、米国の国債や株式、金などにレバレッジをかけて分散投資する「積極運用部分」の2本柱で運用され、約5年後の信託期間終了時に元本確保と追加収益の獲得を目指しています。岡三証券などで販売され、引き続き「持ち切り運用型ファンド」の人気も根強く、122億円の資金を集めました。
設定日 |
ファンド名 |
運用会社 |
設定額 (百万円) |
NISA成長投資枠 |
NISAつみたて投資枠 |
6月2日 |
大 和 |
1,484 |
○ |
○ |
|
6月3日 |
SBI |
1,473 |
|||
SBI |
64 |
○ |
|||
6月6日 |
三菱UFJAM |
4,783 |
|||
三菱UFJAM |
2,020 |
||||
三菱UFJAM |
1,686 |
||||
りそなAM |
1 |
○ |
|||
6月9日 |
SBI岡三 |
11,946 |
○ |
||
6月13日 |
Tロウプライス |
1,090 |
○ |
||
6月16日 |
三菱UFJAM |
10 |
|||
三菱UFJAM |
10 |
||||
三菱UFJAM |
10 |
||||
三菱UFJAM |
10 |
||||
6月18日 |
野 村 |
101 |
○ |
||
野 村 |
55 |
○ |
|||
野 村 |
50 |
○ |
|||
スカイオーシャン |
281 |
○ |
|||
スカイオーシャン |
129 |
○ |
|||
スカイオーシャン |
90 |
○ |
|||
大 和 |
261 |
||||
ニッセイ |
90 |
||||
6月24日 |
SBI |
762 |
○ |
||
6月26日 |
カレラ |
1,638 |
|||
6月27日 |
野 村 |
152,378 |
|||
明治安田 |
1,287 |
○ |
|||
りそなAM |
1 |
○ |
○ |
||
りそなAM |
1 |
○ |
○ |
||
りそなAM |
1 |
○ |
○ |
||
りそなAM |
1 |
○ |
○ |
||
6月30日 |
ニッセイ |
12,222 |
|||
明治安田 |
7,397 |
||||
大 和 |
5,593 |
||||
インベスコ |
1 |
※新NISA対象は2025年6月末時点
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配信元:NTTデータ・エービック
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このコラムの著者
NTTデータエービック (エヌティーティーデータエービック)
投資信託の評価機関として蓄積した各種データをもとに、みんかぶ投信のニュースやレポート、コラムを執筆しています。また、投信会社を訪問し、話題の投資信託等のインタビュー記事など投資に役立つコンテンツを提供しています。
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