親子上場 “解消”は息の長いテーマ

昨年後半以降、株式市場で親子上場解消への関心が一段と高まっている。11 月13 日には、東芝(6502)が東芝プラントシステム(1983)など上場子会社3 社に対するTOBを発表。また、同月18 日には三菱ケミカルホールディングス(4188)が田辺三菱製薬(4508)に対するTOBを発表しており、市場の関心に火をつけた。
日本では親子上場している企業の比率は全体の約6%あり、先進国の中でも高いといわれている。日本では従来から子会社を株式公開し、一部の持ち株を放出することで資金調達を行い、別の事業に新規投資を行うという動きがその背景にあった。また子会社にとっても、親会社から独立することで経営の自由度が増すといったメリットがあり、これらが親子上場を増やすことにつながっていた。
ルール整備で20 年は解消加速の可能性
ただ、親子上場では親会社の利益を優先した子会社の経営判断により、一般株主の利益が損なわれる可能性もあり、海外投資家からの批判も強い。最近では機関投資家が社外取締役を通常の企業より多く選ぶよう求める動きもあり、監視を強める傾向が強まっている。昨年7 月にはヤフーとアスクル(2678)が社長人事などを巡って対立したが、こうした事例を受けて東京証券取引所も企業統治に関するルール整備に乗り出しており、20 年は親子上場解消の動きが加速する可能性もある。
グループ再編の動きから、親会社である日立製作所(6501)の保有株の行方が話題に上る日立化成(4217)や日立金属(5486)をはじめ、パナソニック(6752)や三菱電機(6503)も上場子会社が多く各子会社は注目されやすい。また、秋以降の親子上場解消に関する関連物色のなかで注目度が高まった三井金属(5706)と三井金属エンジニアリング(1737)、内田洋行(8057)とウチダエスコ(4699)、図研(6947)と図研エルミック(4770)なども引き続き注目されよう。
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配信元:ミンカブ・ジ・インフォノイド
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みんかぶ編集室 (ミンカブヘンシュウシツ)
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