事業承継　Ｍ＆Ａニーズ拡大で関連企業に商機

事業承継とは、会社の経営を後継者に引き継ぐこと。誰に引き継ぐかによって、現経営者の子をはじめとした親族に承継させる「親族内承継」、親族以外の役員や従業員に承継する「役員・従業員承継」、株式譲渡や事業譲渡などにより承継を行う「社外への引き継ぎ（Ｍ＆Ａなど）」の３つに大別される。

経営者の交代は、企業に必ず生じる経営上の課題のひとつ。特に中堅・中小企業の場合、会社の運営全体が経営者本人に大きく依存していることが多く、経営者が倒れたり、引退前に死亡したりすると経営が立ち行かなくなり、大きな混乱が起きる可能性がある。

中小企業庁が４月に公表した2019年版「中小企業白書」によると、最も多い経営者の年齢は1995年の47歳から2018年には69歳に上昇した。一方、経営の担い手（会社などの役員または自営業主）の数は17年時点で60歳以上が59歳以下を上回っており、経営者と担い手の高齢化が進展。中堅・中小企業は国内企業数の大部分を占め、地域経済の活力や雇用の受け皿として重要な役割を担っているだけに、円滑な事業承継は官民が一丸となって早期に解決すべき問題だ。

これまで中堅・中小企業の事業承継といえば親族内承継が多かったものの、最近では後継者不足などを背景に親族外承継に主流がシフトしつつある。その際の承継手段としてＭ＆Ａなどを希望する企業が増えていることを反映し、関連企業には好業績銘柄が少なくない。例えば、日本Ｍ＆Ａセンター（2127）が10月30日に発表した20年３月期第２四半期累計（４～９月）の連結営業利益は91億8600万円（前年同期比32.3％増）で着地。ストライク（6196）が９月30日に発表した20年８月期通期の単独営業利益見通しは22億3700万円（前期比18.6％増）となっている。

ファンドの中にも企業の買収価値に注目したものがある。日興ジャパンオープン（ジパング）（日興）だ。このファンドの運用方針は、「変革の中で求められる企業の資本効率性、買収価値等に注目してアクティブに投資銘柄を選定し、幅広く収益機会を追求する」というものだ。35の金融機関で取り扱われており、カブドットコム証券、松井証券、マネックス証券が手数料を2.0％（税抜）と、他よりも低い手数料設定としている。

>>日興ジャパンオープン（ジパング）の販売会社

※各社の販売手数料については、一般社団法人投資信託協会「投信総合検索ライブラリー」にてミンカブ・ジ・インフォノイド社が調査

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