「神制度」といわれる新NISA、使わないのはもったいない!
話題の新NISAが、2024年1月にスタートしました。元からあったNISA制度を大幅に拡充し、恒久的制度となったことで口座を開設する人が急増。制度開始を控えた2023年7月~9月には、前年比で口座開設数が8割増にもなりました。
これだけ注目されていることには、もちろん理由があります。
最初に、新NISAでの運用に選ばれやすいETF投資を検討している投資初心者に向けて、まずは新NISAのすごいところ、押さえておくべき知識について解説します。
新NISAのすごいところ
新NISAのすごいところはたくさんありますが、特にすごい点は3つあります。この3つを押さえておけば新NISAを使いこなすことができるでしょう。
旧NISAでは一般NISAとつみたてNISAがありましたが、このうちどちらか一方しか使えませんでした。そのため、年間の投資上限額は最大でも一般NISAの120万円でした。しかし新NISAでは両枠の併用が可能になり、年間の投資上限額は360万円と大幅に拡大しました。
さらに非課税保有期間が無期限になったので、より長期的な目線で投資をすることができます。
投資に対する税金は、税率が※20.315%です。新NISAでは税金分も手元に残すことができるため、「新NISAでは投資の利益がずっと2割アップ」と理解しておくと分かりやすいでしょう。
新NISAでもETF投資ができる
新NISAでもETF投資ができます。
ただし、つみたて投資枠では対象商品が限定的で数も少なくなっています。
成長投資枠では一部対象外の銘柄もありますが、S&P500や全世界株式など、人気のあるETFはほとんどが対象です。
- ※ ①整理・監理銘柄②信託期間20年未満、毎月分配型の投資信託およびデリバティブ取引を用いた一定の投資信託等を除外
(注) 2023年末までに、つみたてNISAおよび一般NISAの口座において投資した商品は、2024年1月以降はNISAの外枠で管理され、2023年までのNISA制度における非課税措置が適用されます
- (画像)金融庁HPをもとにみんかぶ作成
新NISA全体では1,800万円までの非課税投資枠がありますが、そのうち、成長投資枠の上限は1,200万円です。
成長投資枠では、自分の好きなタイミングでの投資ができるため、値上がり益を狙って株価が下がったタイミングで投資したり、分配金を狙って高配当が期待できる銘柄に一括投資したりすることもできます。
ETFのメリットをおさらい
ETFと一般の投資信託の最大の違いは、上場の有無です。
国内のETFは東京証券取引所に上場しており、2024年1月時点で314種類の銘柄があります。その上場銘柄数は順調に伸びており、それだけ投資家から支持を得ていることが分かります。
ETFのメリットを整理すると、以下のようになります。
- リアルタイム取引が可能
- 株式と同様に指値注文が可能
- 投資信託と比べて保有コストが安い傾向
- 証券取引所の審査を経て上場しているため運用の透明性が高い
- 日本だけでなく、海外上場のETFにも投資ができる
新NISAで投資したいおすすめのETF5選
新NISAは長期的な運用によって資産を形成し、老後や将来に備えることを促す制度です。その方向性に合致する、長期運用に適したおすすめのETF銘柄を5つピックアップしました。
日経225とは、日経平均株価のことです。日本を代表する225銘柄の株価動向を示す指数なので、同指数と連動するETFに投資すると実質的に225銘柄への分散投資と同じ効果が得られます。日本株は割安感があるといわれており、2024年1月にはバブル後最高値を記録する値動きが起きました。日経平均株価が今後さらに成長すると見込むのであれば、有望な選択肢です。
日経平均株価と連動するETFは複数ありますが、純資産総額の大きさや知名度の高さから同銘柄をおすすめに選びました。
みんかぶ個別銘柄ページ:NEXT FUNDS日経225連動型上場投信(1321)
前項では日経平均株価と連動するETFを紹介しましたが、こちらは米国の株価指数、S&P500と連動するETFです。米国の株価指数ですが、国内のETFなので日本円で手軽に投資ができます。米国の主要な500銘柄の株価を指数化したもので、長期的に右肩上がりの上昇をしていることから「世界最強の指数」と評価されることもあります。
S&P500は人気の高い株価指数だけに、同銘柄以外にも多くの国内ETFがあります。ここでは信託報酬(運用手数料)が0.066%で安く、最低投資金額も低いという理由から、同銘柄を選びました。
みんかぶ個別銘柄ページ:NEXT FUNDS S&P500指数(為替ヘッジなし)連動型上場投信(2633)
日経平均株価の構成銘柄の中から配当利回りの高い50銘柄で構成されている日経平均高配当株50指数と連動するように運用されているのが、「NEXT FUNDS日経平均高配当株50指数連動型上場投信」です。同指数の予想配当利回りは3.6%(2024年1月末時点)なので、それと連動するこのETFでも同様の利回りが期待できます。
みんかぶ個別銘柄ページ:NEXT FUNDS日経平均高配当株50指数連動型上場投信(1489)
高度経済成長を続けている新興国の株式には、潜在的な成長力があります。新興国の中でもとりわけ注目を集めているのがインドで、Nifty50はインドの主要な50銘柄の動向を示す株価指数です。そして「NEXT FUNDSインド株式指数・Nifty50連動型上場投信」は、このNifty50 と連動するように運用されているETFです。
インドの経済成長に合わせて同指数も今後成長することが期待されており、長期的な視野で成長力に期待するのであればおすすめしたいETFです。
ただし先進国と比べると社会や経済に脆弱性もはらんでいるため、あくまでも投資ポートフォリオの一部と位置づけるのがよいでしょう。
みんかぶ個別銘柄ページ:NEXT FUNDSインド株式指数・Nifty50連動型上場投信(1678)
東京証券取引所にはJ-REITという銘柄群があります。これらは不動産を運用対象とする上場投資信託で、住居やホテル、物流施設などさまざまな種類のJ-REITがあります。そしてこれらのJ-REIT全体の動向を示す指数が、東証REIT指数です。この「iシェアーズ・コアJリート ETF」は、東証REIT指数と連動するように運用されているETFです。
個別のJ-REIT銘柄に投資するよりも分散性に優れており、分配金利回りは3%から4%台を維持しているため、安定的な分配金収入が期待できます。
東証REIT指数連動型のETFは複数ありますが、売買単位が10口、100口という銘柄がある中で同銘柄は1口単位で売買が可能です。その手軽さを評価して、同銘柄をおすすめに選びました。
みんかぶ個別銘柄ページ:iシェアーズ・コア Jリート ETF(1476)
新NISAでETFを選ぶ際のポイント
当記事では、5つのETFを新NISA成長投資枠のおすすめ銘柄として紹介しました。それ以外にもETFは国内だけでも300以上の銘柄があるため、そこから自分に合ったETFを選ぶ際のポイントを解説します。
H3 値上がり重視か、配当重視か
投資の利益には2つの種類があります。
- 値上がり益(キャピタルゲイン)
- 配当・分配金収入(インカムゲイン)
ETFには、大きく分けて2つの種類があることを押さえておいてください。
もちろんこれはどちらかに偏るのではなく、特性が異なるETFを組み合わせても問題ありません。
長期投資向きであるか
新NISAは非課税期間が無期限なので、長期投資をしてこそ威力を発揮します。それを踏まえて、長期目線の銘柄選びを行いましょう。
長期投資向きのETFとしてチェックしたいポイントは、以下のとおりです。
- 長期的に右肩上がりの上昇を続けている(今後も成長が見込める)
- リスクの分散性が高い
- 設定からの運用期間が長い
- 同種の銘柄よりも信託報酬が安い
- 同種の銘柄よりも純資産額が大きい
- 信頼できる運用会社である
これらのすべてを満たしていることが必須ではありませんが、1つでも多くの項目が当てはまるETFが長期投資向きといえるでしょう。
異なる部門のETFを組み合わせる
当記事ではベーシック部門、米国株部門、高配当部門、成長期待部門、そして不動産部門として、あえて異なる部門からのETFをピックアップしました。これには理由があり、特定の部門だけに集中投資をするのではなく、異なる部門に資金を分散して投資をすることがリスク管理上有効だからです。
そもそもETFは、基本的に何らかの指数と連動しているため、1つの商品だけでも高い分散性があります。しかし特定の部門だけに資金を集中させると、その部門と運命を共にすることになるため、性質の異なるETFを組み合わせて投資をするのが理想的です。
人気の全世界株式(オールカントリー)について
新NISAのスタートに合わせて、全世界株式型の投資信託やETFが人気を集めています。これは世界の先進国・新興国の株式を組み入れた投資商品で、いわば全世界の経済成長を資産形成につなげることを目指すものです。
分散性がとても高いのでリスクに強いイメージがあります。しかし、「全世界」だけに新興国など脆弱性をはらんでいる国の株も組み入れられているため、多くの人が抱いているイメージよりもリスクが顕在化しやすい一面があります。
自分で選んだETFを組み合わせると、より自分に合ったリスク管理が可能となります。何かひとつの投資商品に「全振り」するよりも、しっかり関心をもって自分に合ったポートフォリオを組み立てることが重要です。
まとめ
新NISAは投資によって資産形成をしたい人にとって、とても魅力的な制度です。そして、ETFは分散性や機動性に優れた投資商品です。 ぜひこれらのメリットを生かして、成長投資枠ではETFを積極的に組み込んで資産形成を進めていただきたいと思います。
【関連銘柄】
NEXT FUNDS日経225連動型上場投信(1321)
NEXT FUNDS S&P500指数(為替ヘッジなし)連動型上場投信(2633)
NEXT FUNDS日経平均高配当株50指数連動型上場投信(1489)
NEXT FUNDSインド株式指数・Nifty50連動型上場投信(1678)
iシェアーズ・コア Jリート ETF(1476)