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『分配金総額は2006年以来の低水準』 ~9月の資金増減状況から~

レポート
配信元:NTTデータ エービック
投稿:2019/10/18 17:15
『分配金総額は2006年以来の低水準』 ~9月の資金増減状況から~

2019年9月の投資信託の概況が投資信託協会から発表されました。


 
公募株式投信(ETF除く)の設定額から解約額と償還額を差し引いた資金増減額は、920億円増となりました。

 
設定額は、1兆7,593億円と昨年10月以来の水準となりましたが、解約額が8月より5,440億円増加の1兆6,464億円となり、資金流入額は低水準にとどまりました。

 

今回は、設定・解約の状況ではなく、収益分配金の水準に注目しました。

 

2018年10月から2019年9月までの1年間の分配金総額は、2兆4,576億円で、ピーク時(2014年11月~2015年10月 6兆3,114億円)の4割弱となっています。

年間の分配金総額では、2006年1月~12月の2兆3,185億円以来の低水準です。

 

分配総額の減少の要因としては、その間の投資環境によるキャピタルゲインの減少があります。但し、それだけでは2009年から2011年までの厳しい投資環境の時期より低水準になっていることの説明にはなりません。

毎月分配型ファンドの分配金の引き下げと、それに伴う資金流出が大きな要因であると考えられます。

 

純資産に対する分配金の水準をみると、2006年当時は4.5%。2015年には9.5%まで上昇し、直近では3.8%となっています。
【純資産総額】
2019年9月末 64兆3,469億円
2015年10月末66兆2,497億円
2006年12月末51兆5,411億円

 

全体としては、期間収益を分配しないか分配しても少額にとどめるファンドもあることを考えると、多すぎた運用資産の払出しが、徐々にではあるものの適正化しているといえます。

 

資産形成を目的とした積立投資には、毎月分配型ファンドや、期中収益を積極的に分配する方針のファンドは適していません。

 

しかし、一部で言われているように、毎月分配型ファンドや分配金そのものが悪いのではありません。

 

投信を購入する目的は、長期の資産形成のみではなく、既にある程度まとまった資産の効率運用などもあり、そのような目的であれば、運用資産の一部を受け取りながら運用を続けることも選択肢となり得ます。

分配金の水準が過度に注目され、ファンドの投資対象や運用手法、それに伴うファンド特性が顧みられない状況が問題なのであって、それが是正されつつあるということです。

 

特性を十分に確認してファンドを選ぶことが重要なのは、毎月分配型ファンドでも、他のファンドでも同じです。

 

そこで、人気化している毎月分配型ファンドの特性を運用成績と合わせてみてみました。

 

 

「ピクテ・グローバルインカム株式ファンド(毎月分配型)」

 

月間の資金流入額上位の常連であり、公募株式ファンド(除くETF)で純資産トップのファンドです。

分配金は、2019年4月に50円から40円に引き下げられましたが、資金流入は継続中です。

 

グローバル株式ファンド全般と比べると、比較的値動きが安定しているのが特徴です。

 

特に、昨年末に米中の貿易戦争の不透明感が高まったことや米国の金融政策の動向で、世界的に株式市場が調整しましたが、その際も値下がりは限定的であり、その後は堅調に推移しています。

 

ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)」は、ディフェンシブセクターである世界の公益企業(電力・ガス・水道・電話・通信・運輸・廃棄物処理・石油供給などの企業)が発行する株式を投資対象としています。投資対象が景気動向の影響を受けにくい収益構造であることが、投資家に分かりやすいのも人気の背景にあると思われます。

 


「東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型) (円奏会)」

東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)(円奏会)」は、ロングセラーの毎月分配型ファンドです。

 

投資しているのは円資産のみであり、国内債券70%、国内株式15%、国内REIT15%が基本資産配分です。

 

分配金は、2014年7月に20円から30円になり、その後は30円を維持していますが、基準価額に対する分配率の水準は、他の毎月分配型ファンドと比べると決して高くはありません。従って、分配金の高さが人気の要因ではなさそうです。

 

投資対象が円資産のみであることからくる安心感に加え、設定来の安定的な基準価額の推移が人気の要因であると思われます。

 

 

 


最近では、あらかじめ分配額や分配率を提示しているファンドが増えつつあります。
これらのファンドを選ぶ際も、提示されている分配額や分配率と合わせて、ファンドの投資対象や運用手法によるファンド特性を十分に確認する必要があります。

分配額・分配率提示型ファンドの一覧はこちら

 

 

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配信元:NTTデータ エービック

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