コラム「趣味としての投資」と「仕事としての運用」の違いを知る

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2018/04/11 19:44

投資のキホン ~「趣味としての投資」と「仕事としての運用」の違いを知る

 

 今年に入り、株式市場の値動きが大きくなり、保有している金融商品の価格を見てはハラハラ・ドキドキという人も少なくないようです。このように、ハラハラ・ドキドキがつきものなのが投資や資産運用なのだと考えられがちですが、これはドキドキも楽しむ「趣味としての投資」という、一つの運用スタイルでしかありません。実は投資には、あまり面白味はないがじっくり資産を育てる「仕事としての運用」という、もう一つのスタイルがあります。投資信託を活用した資産運用を始める前に、まずは投資の基本として、考え方や方法がまったく異なるこれら2つの運用スタイルの違いについてご説明しましょう。

 

「趣味としての投資」と「仕事としての運用」

  趣味としての投資 仕事としての運用
ニーズ 投資を楽しみたい、儲けたい

お金にもある程度

働いてもらいたい

必要なもの 相場観、タイミング、銘柄選択 投資観
投資スタイル

短期・中期・長期、集中投資

(リスク・テイク)

長期国際分散投資、積立投資

(リスク・コントロール)

特徴 面白い、ドキドキ感あり 面白くない、退屈、面倒
候補となる商品

個別株、テーマ型投信、

ブルベア型投信

バランス型投信、投信を組み合わせた

ポートフォリオ運用(ファンドラップ等)

ポイント

「売り」のルールを持つこと

続けること

ふさわしい

制度・口座

NISA特定口座

つみたてNISA確定拠出年金

iDeCo等)

 

◆ 趣味としての投資
 経済や政治に関心があり、ドキドキ感も楽しみながら儲けることを目的として行う、おそらく多くの皆さんが、これが「投資」だと考えているイメージの運用スタイルが「趣味としての投資」です。有望そうな商品や銘柄を選び出し、タイミングを見計らって購入し、短期・中期・長期のいずれのスタンスかで売り時の判断は異なるでしょうが、値上がりしたら売却をして利益を得る(「安く買って、高く売る」)といった行為を繰り返します。

 値上がり益を期待して売買を行うこの運用スタイルでは、価格のブレ(リスク)を狙うことになります。勢いのある企業や金融商品を買って急騰したときに売る(短期)、価格が割安な時に買って価格が戻ったら、あるいは割高な水準になったら売る(中期)、新興企業の株式を買って将来大きく企業が成長したときに売る(長期)など、いくつかのスタンスはありますが、リスクをとって(価格が上ブレることを期待して)、特定の投資対象に集中して投資を行うのが一般的です。そのため、テーマ型の投資信託や個別株などが投資対象の候補となるほか、短期売買のスタンスでFXやブルベア型の投資信託を利用している人もいるでしょう。

 なお、一般的に趣味はお金がかかるものですから、このスタイルの投資では損失が発生しても、趣味にかかった費用と考えるべきで、失っても耐えられる余裕資金で行うのが基本です。この趣味としての投資を行っている人は、日本人の場合、10人中2人程度しかいないと言われています。

 

◆ 仕事としての運用
 一方、自分や家族の将来のライフプランの実現のためにこれから資産を形成していこう、あるいは今ある資産を減らさないようにしたい、というニーズに対しては、お金に働いてもらう「仕事としての運用」のスタイルが適しています。このスタイルではお金に働いてもらいやすい環境を整える労務管理のような作業が求められ、どちらかと言えば退屈で面白味のない運用になります。相場観やタイミングは重要ではなくなるため、基本的な考え方(投資観)さえ身に付ければ、ほとんどの人が行えるはずです。

 仕事としての運用は、投資の対象となる資産や投資時期の分散を行うポートフォリオ運用によって、リスク(ブレ)をコントロールしていくのが最大の特徴です。この運用スタイルでは、資産配分が崩れたときに元の比率に戻すリバランスという面倒な作業も重要になりますが、商品内で自動的にリバランスを行ってくれるバランス型ファンドやファンドラップなどを活用すれば、その作業を専門家(ファンドマネージャー)に任せることもできます。仕事としての運用の基本となる、「長期、分散、積立」がなぜ重要なのか、具体的なポートフォリオの作り方や活用したい制度などについては、次回以降、順次ご紹介していく予定です。

 すでに投資を行っている人は、自分が現在行っている投資はどちらのスタイルなのか、それは自分の目的に合ったものなのか、を確認してみてはいかがでしょうか。

 

 

【著者】神戸 孝

㈱三菱銀行、日興證券㈱を経て、1999年独立系FP会社の老舗的存在といえるFPアソシエイツ&コンサルティング㈱を設立。自ら個人・法人等のコンサルティング、各種講演会・研修会の講師などを行う傍ら、全国の独立系FPのための支援ビジネスも展開している。FP歴は日興證券㈱勤務時代を含めると約30年、資産運用に強いFPの第一人者として評価が高く、金融審議会専門委員や金融庁の「家計の安定的な資産形成に関する有識者会議」委員、金融広報中央委員会(日本銀行)の金融経済教育推進会議委員、日本FP協会理事なども歴任している。

 

CFP(サーティファイド・ファイナンシャル・プランナー)、1級FP技能士、日本FP学会会員

 

<著書>
『NISAで儲けろ!』(朝日新聞出版)
『気づいたら貧困層!?』(監修・KADOKAWA)
『女性のための個人型確定拠出年金の入り方』(監修・KADOKAWA)  ほか

出所:FPアソシエイツ&コンサルティング株式会社

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