プロから見たマーケット情報と今後の見通し【2023年10月版】

様々なファンドを運用するプロ(運用会社のファンドマネージャー)が考える、マーケット情報や各ファンドに関連する今後の見通しについてご紹介します。
本コンテンツは随時更新でお届けしており、各社独自の観点や時間軸でのコメントになっているため、様々な視点からマーケットの動きを考えることができます。
各コメントは、最大200文字の制限がありますので、もっと詳しく知りたい方は引用元をチェックしてみて下さい。
国内株式についてのマーケット情報と今後の見通し
ファイブスター投信投資顧問株式会社の見通し

チーフ・ポートフォリオ・マネジャー 大木將充
日本興業銀行、マッキンゼー を経て、リーマンブラザーズ証券、ドイツ証券等 の外資系証券で金融セクターのアナリスト業務に従事、「 世界で一番リスクを取るアナリスト 」 と呼ばれる。
高杉良氏著の「虚像の政商」に登場するアナリストの実在モデル。
2010年ファンドマネジャーに転身。「MASAMITSU日本株戦略ファンド」の責任者。
2021年「日本株爆騰!‘ 80 年代バブルを超える大相場が来る」出版。
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投資状況について
米国における来年の利下げと日本の金融緩和終焉の可能性を重視して、前月に引き続き、「米国金利低下+日本金利上昇=グロース株の下げ止まり」をメインシナリオに置き、外国人投資家主導の買いを予想した上での相応のバリュー株保有も念頭に置いたポートフォリオ構築を行いました。しかし、現実には、相場がバリュー株一辺倒となったことで、リターン面で大きな痛手を被る形になりました。 -
マーケットの動き
日経平均-2.3%、TOPIX-0.4%、マザーズ指数-4.0%でした。
米国金利上昇傾向の中、外国人投資家の買いと目される大型バリュー株主導の力強い日本株上昇が見られました。中旬以降は上昇が止まり、20日のFOMCにおいて政策金利は据え置かれたものの、24年以降の利下げペース鈍化の可能性が高まったことを受け、欧米金利が上昇傾向を強め、株価は世界的に下落に転じました。 -
投資環境の見通し
強気の見方は基本的に変わりありません。その主因は従来の見解と全く同じで、特に注目されるのは、「インフレ定着」です。
弊社では、インフレ経済入りすることによる「市場環境の激変」を予想していますが、既にその萌芽が見られ始めています。「インフレ」をキーとした銘柄選択が進み、それへの対応如何でリターンが大きく変わりうると考えています。
大木將充氏が運用するファンド | 基準価額 (前日比) |
利回り (リターン) |
信託報酬 | 販売会社 | 最新分析 レポート |
---|---|---|---|---|---|
ファイブスター投信投資顧問
MASAMITSU日本株戦略ファンド
|
18,440円
372円
|
18.77%
|
1.859% |
コモンズ投信株式会社の見通し

代表取締役社長兼最高運用責任者 伊井哲朗
名古屋市出身、山一證券入社後、主に営業企画部に在籍し営業戦略を担当。
その後、メリルリンチ日本証券(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券)の設立に参画し約10年在籍。コモンズ投信創業と共に現職。2012年7月から最高運用責任者兼務。
BSテレビ東京「日経プラス9」レギュラーコメンテーターも務めるなどメディア出演多数。
コモンズ投信は、骨太な長期投資家として特色があり、親子で経済や金融の知識を学べるセミナーも積極的に展開している。
著書に『97.7%の人が儲けている「投資の成功法則」(日本実業出版社)』などがある。
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運用状況について
9月、当ファンドは▲4.07%の下落となりました。組入銘柄の中で5%以上上昇した銘柄が4社ありパフォーマンスに貢献しました。組入上位銘柄の騰落率では、双日+4.66%、三越伊勢丹HD+3.62%が上位2銘柄、KADOKAWA▲12.69%、アンビスHD▲10.58%が下位2銘柄となりました。
当月のポートフォリオ組入銘柄数は変わらずでした。株式組入比率は99.0%(前月末比▲0.6%)としています。
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マーケットの動き
9月の内外株式市場は、米国長期金利の上昇で世界的に株価は下落する相場展開でした。特に、米国ではテクノロジー株の下落が顕著でした。また、原油高も金融引き締めの長期化を連想させました。国内株式市場は、中旬にかけて株価は上昇していましたが、月末にかけては米国株の下落に連動しました。米国金利上昇、原油高、配当取りの動きなどから鉱業、銀行業、石油石炭、保険業などの大型割安株が選好されました。 -
投資環境の見通し
当ファンドは、中期的に大きく変化する企業への投資を行っており、成長株が多く含まれています。当月は米国長期金利が大きく上昇したこともあり、金利高に影響を受けて成長株の下落が顕著でした。ただ、米国の金融引き締めも最終局面に来ていますので、あと少しの時間の消化を経て反転していくものと考えています。反転後のトレンドは長くつづくことをイメージしています。ファンドとしての体制は、次のステージを見据えています。
ファンド | 基準価額 (前日比) |
利回り (リターン) |
信託報酬 | 販売会社 | 最新分析 レポート |
---|---|---|---|---|---|
コモンズ投信
コモンズ30ファンド
|
44,450円
843円
|
26.36%
|
1.078% | ||
コモンズ投信
ザ・2020ビジョン
|
23,409円
431円
|
13.81%
|
1.265% |
海外株式についてのマーケット情報と今後の見通し
ファイブスター投信投資顧問株式会社の見通し

シニア・ポートフォリオ・マネジャー 元木宏
フォード自動車株式会社の財務統括本部でアナリストとして勤務した後、1994年にアライアンス・キャピタル・アセット・マネジメント社にアナリストとして入社。
その後、執行役員・株式運用部長を歴任。2005年にAIGインベストメンツ社(2009年よりパインブリッジ・インベストメンツ社に商号変更)に常務執行役員・運用本部長として入社。
2018年にファイブスター投信投資顧問株式会社にシニア・ポートフォリオ・マネジャーとして入社。
-
投資状況について
今月の当ファンドの基準価額は、前月末比-3.49%の下落率となりました。
9月は、前月に続いて、現金割合は必要最小限とし、高い株式投資割合を維持しました。また、9月初旬に行ったベトナム現地企業調査の分析に基づいて、積極的な売買を行いました。 -
マーケットの動き
8月に続いて9月にも外国人投資家はベトナム株を売り越しました。これは、米国金利上昇と米国株安の影響を受けているものと思われます。また、米国との金利差拡大によってベトナムの通貨ドンは対ドルで弱含んでおり、これもベトナム株安の要因と考えます。
9月の月間推移は、ベトナムVN指数は5.7%下落、ドルは対円で2.6%上昇して月末には149.37円となり、ベトナムドンは対ドルで0.9%下落しました。 -
投資環境の見通し
主な経済指標では、第3四半期(7-9月)のGDPは前年同期比+5.33%となり、2四半期連続で加速しています。9月の鉱工業生産指数の伸び率は前年同月比+5.1%と前月よりも改善しました。また、年末を目標に証券取引市場のシステムが全面的に更新されて、その結果、株式売却の資金を使って同日の株式投資が可能となる予定で、これによってベトナム株式市場の更なる活性化が実現するのではないかと考えます。
元木宏氏が運用するファンド | 基準価額 (前日比) |
利回り (リターン) |
信託報酬 | 販売会社 | 最新分析 レポート |
---|---|---|---|---|---|
ファイブスター投信投資顧問
ベトナム・ロータス・ファンド(ロータス)
|
19,363円
588円
|
5.34%
|
2.167% |
※本記事は、市場環境に関する情報の提供を目的として、作成したものであり、特定の有価証券等の勧誘を目的とするものではありません。信頼できると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではなく、いかなる内容も将来の市場環境等を保証するものではありません。
関連銘柄
順位 | ファンド名 | 運用会社 | レーティング(1年) |
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1 | ザ・2020ビジョン | コモンズ |
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2 | ベトナム・ロータス・ファンド(ロータス) | ファイブスター |
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3 | MASAMITSU日本株戦略ファンド | ファイブスター |
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4 | コモンズ30ファンド | コモンズ |
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このコラムの著者

みんかぶ編集室 (ミンカブヘンシュウシツ)
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