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みんかぶプレミアムとは投資を始めてみたいが、元手となる投資資金が少ない―。こうしたニーズに応えて、1万円前後から手軽に投資を始められる投資信託(ファンド)が人気を集めている。投資信託は主に、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)といった株価指数に連動する「インデックス型」と、中小型や割安株、高配当株、外国株などを投資対象とし、指数を上回るリターンを目指す「アクティブ型」に分けられる。
インデックス型はベンチマークの指数に連動するためパフォーマンスに差はほとんどない。販売手数料や信託報酬といった各種手数料で比較すればよいだろう。
一方、アクティブ型では、商品内容が似通っているにもかかわらず、パフォーマンスに差が出ることも多い。
アクティブ型の投資信託には、投資対象を選別して運用を行うファンドマネージャーもしくは運用会社が存在する。似通った商品内容でもパフォーマンスに差が出るのは、各種手数料の差はもちろんあるが、それ以上にファンドマネージャーや運用会社の運用手腕によるところが大きい。というのも、投資信託は株式や通貨、債券等さまざまな金融商品に投資を行う。私たちが株式や為替を取引する場合と同じで、投資対象の選定やポートフォリオの構成、組み替えなどはファンドマネージャー(運用会社)が行うが、銘柄の選定や売買タイミングなどは投資経験によるところが大きいと言わざるを得ないからだ。
では、運用手腕の高そうなファンドマネージャー、運用会社を探すことは可能なのだろうか。
答えは「可能」だ。運用手腕に秀でるファンドマネージャーや運用会社を探す方法について具体的に解説したい。ここでは国内の中小型株に投資する投資信託を探す場合を例に考えてみよう。
まずは投信情報サイトなどが提供するスクリーニング(検索)機能を活用して、国内の中小型株を投資対象とする投資信託を検索する。何十、何百という投資信託が検索結果として表示されるだろう。さすがにすべての投資信託の目論見書と運用報告書を調べることは困難なので、金融機関が公表している売れ筋ランキング等を参考にして、他の投資家から人気を集めている投資信託の中から数本を目安として選ぶ。
次に調べるポイントは、投資対象の組み入れ銘柄は何か、ポートフォリオの構成比率はどうなっているか、過去の運用成績は好調に推移しているか、相場の見通しが自分の考えと異なっていないか、そして運用の指標として何をベンチマークにしているか、だ。
同じテーマ(例:国内の中小型株)を投資対象とする投資信託の場合、選定した銘柄のいくつかが共通していたり、各種手数料の水準もほとんど変わらないことが多い。それなのにパフォーマンスに差が表れるということは、異なる銘柄の選定やポートフォリオの構成比率、相場の見通しに基づく売買タイミングといった運用手腕の差によるものと考えられる。
たとえば、設定したベンチマークを下回る運用結果であれば、アクティブ型を選ばずにインデックス型を選べばよかったということにならざるを得ない。株式市場や為替市場の見通しが自分の考え方と異なっていたら、想定する利益を得られないばかりか損失を被ることすらあるだろう。運用報告書を調べる際には、現時点から過去数ヵ月は遡り、どのような運用を行っているのかを確認しなければならない。
パフォーマンスがよく運用手腕も高そうだと判断した投資信託については、本当に運用手腕が優れているのか、それともたまたま運用結果がよかったに過ぎないのかを確認する必要がある。
そこで、今度はファンドマネージャーもしくは運用会社からスクリーニングを行い、運用を行っている他の投資信託(例えば外国株等)の運用成績についても確認を行う。さらに、他のファンドマネージャー(運用会社)が運用を行っている同じテーマ(外国株等)の投資信託とも比較して、運用成績がよいのか悪いのかも確認しなければならない。
同じテーマの他の投資信託よりもパフォーマンスがよく、他に運用している異なるテーマの投資信託でもパフォーマンスがよかった場合には、ファンドマネージャー(運用会社)の運用手腕は高い、とようやく評価できるようになるだろう。
アクティブ型は一般的に、インデックス型よりも各種手数料の水準が高く設定されている。手数料を上回るパフォーマンスを継続的に上げなければ損失になってしまうため、運用手腕の高さは重要なポイントだ。
また、投資信託の純資産は小さいよりも大きい方がよいだろう。というのも、投資信託の売買が株式市場に与える影響は小さくなく、個別銘柄の株価を押し上げることは意外に多い。純資産が大きい投資信託であれば取引量が必然的に大きくならざるを得ず、それだけ個別銘柄に与える影響力も大きくなり、結果、株価動向を左右するメインプレーヤーになれる可能性が高くなる。最近では、個人投資家から人気を集めている運用会社の一つに、ひふみ投信を運用する「レオス・キャピタルワークス」がある(表1参照)。
上場会社の株式等保有割合が発行済み株式総数の5%を超えると、大量保有者である株主は大量保有者になった翌日から5営業日以内に、大量保有報告書を管轄の財務局に提出しなければならない(5%ルール)。レオス・キャピタルワークスの大量保有報告書が明らかになると、株価の上昇を期待した個人投資家の買い注文がその株式に向かい、結果、株価が上昇するケースも散見される。
投資信託は投資のプロに任せられるから安心と、深く考えぬままに投資信託を選んでいる方も多いかもしれない。しかし、投資のプロも神ならぬ同じ人の身でしかないのだから、お金を託すにあたっては投資信託の運用手腕をしっかりと見極めたいのである。
◆表1 ひふみ投信マザーファンド 組入上位銘柄
1 マイクロソフト (1.75%)
2 共立メンテナンス (1.68%)
3 東京センチュリー (1.68%)
4 あい ホールディングス (1.65%)
5 ルネサスエレクトロニクス (1.61%)
6 古河電気工業 (1.59%)
7 アマゾン・ドット・コム (1.54%)
8 アマノ (1.53%)
9 兼松 (1.52%)
10 九電工 (1.51%)
注:( )はマザーファンドの「純資産総額」に対する割合。2017年10月31日現在。
出所:「ひふみプラス 投資信託説明書(交付目論見書)」
横山 利香(よこやま りか)
ファイナンシャル・プランナー。相続士。国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)。出版社を経て独立。株式投資や不動産投資、外貨投資、投資信託など資産運用について、投資・マネー雑誌を中心に執筆・講演活動も精力的に展開。会社四季報ONLINEで「横山利香のスイングトレード」を連載するほか、投資ブログ「FP横山利香のトレード日記」も執筆中。
配信元:みんかぶ
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