日本と欧米で異なる「テーマ」の定義
一般的に「テーマ型ファンドは長期投資に向かない」と言われますが、グローバル・ロボティクス株式ファンドは設定から10年を超えても好成績を残しています。一般的な「テーマ型ファンド」とグローバル・ロボティクス株式ファンドの違いは何ですか?
ラザード・ジャパン・アセット・マネージメント株式会社 マネージング・ディレクター 運用部ポートフォリオ・マネージャー/アナリスト 岸田 有央さん
岸田 ニューヨークの同僚たちと話をしていると、欧米人が抱く投資における「テーマ」と日本人が抱く「テーマ」のイメージは、違うものだと感じます。
「テーマ型ファンド」に対する日本人のイメージは、今ブームになっているホットなものに投資をするファンド、という感じでしょうか。当然、人気は永続するものではなくいずれ萎んでしまうので、旬な時に投資して2~3年後には、次のテーマを探しに行く...そのように捉えている方が一般的かと思います。
一方、欧米人はブームでホットなトピックをテーマとは呼びません。もっと息の長い、構造的な変化を「テーマ」だと考えます。つまり「テーマ」の定義が違うのです。
欧米人の考える「テーマ」は、あえて言うなら"コンセプト"といったイメージかと。世の中の課題に対して、その時々で色々な解決策があります。その課題解決の手段に目線を向けてテーマとしてしまうと短く終わってしまう可能性がありますが、手段ではなく、その大元の課題の部分に注目し「テーマ」とするのです。
アモーヴァ・アセットマネジメント株式会社 ファンドプロモーション部リレーションシップ・マネージャー 阿久原修平さん
阿久原 ですから、グローバル・ロボティクス株式ファンドが日本的な「テーマ型ファンド」かと問われると「そうではありません」という答えになります。しかし、投資エリアを成長期待の高い「ロボティクス」に絞っているファンドなので、幅広いエリアを投資対象としているグローバル株式型のアクティブファンドとは違った特徴があります。
10年経過しても変わらない "ロボティクス"というテーマ
グローバル・ロボティクス株式ファンドの「生産年齢人口減少に伴う人手不足が着目点、解決策がロボティクス技術」は、息の長い、構造的な変化を捉えたテーマだといえますね。
岸田 そのとおりです。2025年8月に運用開始から10年が経過しました。その際、ニューヨークの同僚と「10年経過した今、次の10年を見据えて、お客様の資産を増やすためにどこか見直す必要はあるのか?」を議論しました。結果的に10年経過しても、グローバル・ロボティクス株式ファンドの骨子は変わらないだろうと。
なぜかといえば、生産年齢人口を取り巻く環境が、当初と比べて本質的に変化していないからです。
出所:国際連合「World Population Prospects 2024」
※2025年以降は予想値
※上記は過去のものおよび予想であり、将来の運用成果等を約束するものではありません。
岸田 今後、人手不足はさらに深刻化し、自動化の需要は一層高まっていくでしょう。実際に過去10年間を見ても技術進化により、今まで自動化できなかった分野が自動化できるようになり、関連産業は大きく成長しています。
自動化の需要が拡大する一方で、供給が止まるわけではありません。
生成AIから、計画や試行錯誤、複雑な問題解決が可能なAIエージェントへと進展していますが、できるのは、コンピュータ上の仕事であって現実社会の仕事はできません。そこで、AIをハードウェアに搭載してはどうか? 賢いAIが手足を持ったらどうなるか? というアイデアから次に注目が集まっているのがフィジカルAIです。
自律的に考え、周りの環境を見て、自分がやるべきことを理解し手足を動かせるようになれば、自動化できなかった相当な分野が、さらに自動化できるようになるでしょう。
岸田 我々はこの10年間、自動化を促し、支える企業を見つけ出してきました。それを適切なバリュエーションで買って、ポートフォリオ全体のリスク管理をしていけば、お客様の資産形成に貢献できる可能性が高いと考えてきました。
今後も我々がやることは変わりません。ただ、世の中の技術は進化していくので、新しい技術は常にフォローしていかなければなりません。
10年前は、生成AIもAIエージェントもありませんでした。もちろんフィジカルAIもありませんでした。技術の進化に合わせて、私たちの分析や知見は常にアップデートしていく必要がありますが、やることは変わらないと考えています。
ロボティクス業界は自動化→自律化へ
運用開始から10年以上が経過し、自動化できる分野が広がったとのことですが、具体的に教えてください。
岸田 10年間のロボティクスを取り巻く環境の大きな変化を一つ挙げるなら、自動化から自律化への進化が挙げられます。先ほどお話したフィジカルAIのことです。
自動化はプログラミングしたとおりに、何千回でも同じように動いてくれますが、次の仕事をやってもらうためには、さらに指示が必要です。例えば、工場などで「決まったルートでモノを運ぶロボット」などはこれに該当します。それに対し、自律化は指示の出し方がよりフレキシブルになります。例えば、先の事例を発展させて言えば、スタート地点とゴール地点を設定することで、ロボットが人や障害物をよけながら自分でルートを決めて効率良くモノを運んでくれる、それが自律化です。技術によってできることが、より"人"に近づいているのです。
今、自動化はAIの進歩で、与えられた課題をどうやって達成すればいいか自ら考え、自律的に仕事を仕上げてくれるところまできています。"AMR"と言われる自律走行ロボットが良い例です。
これらの技術は、今後さらに一般化し、市場拡大は加速していくと考えられます。生産年齢人口の減少に伴う人手不足という深刻な課題を解決する必要があるからです。
人気企業でも過大評価なら投資は見送る
成績は一貫して堅調に推移しているように見受けられますが、実際はどうですか?
阿久原 長期的なトレンドとしては良好な成果を示しています。グラフにある「基準価額」とは日々の信託報酬を差し引いた後の数値ですから、コストを差し引いた後でもしっかりとした運用成果が出せていることがわかります。
※基準価額(1年決算型):グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年決算型)の基準価額。基準価額は信託報酬(後述の「手数料等の概要」参照)控除後の値です。
※世界株式:MSCIワールド指数(税引後配当込み、米ドルベース)をアモーヴァ・アセットマネジメントが円換算。なお、基準価額の算出方法に対応させるため、前営業日の世界株式の値に当日の為替を適用して算出。
※上記指数は当ファンドのベンチマークではありません。
※信頼できると判断したデータをもとにアモーヴァ・アセットマネジメントが作成。
※各指数の著作権等の知的財産権その他一切の権利は、各指数の算出元または公表元に帰属します。
※上記は過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。
阿久原 2020年3月のコロナショック時や2025年4月のトランプ関税ショックのように、世界的に株式市場が大幅下落したような時期は、グローバル・ロボティクス株式ファンドも下落しています。しかし、グロース型ファンドが大きく下落した2022年の米国の利上げ時期の値下がりは、限定的な水準に留まっています。
これは地域分散、業種分散に加えて、適切なウェイト調整を行なうことで、全体として過度なリスクを取らないようにコントロールしている結果だと言えます。
岸田 グローバル・ロボティクス株式ファンドを、テックファンドと理解している方も多いと思いますが、IT産業だけでなく、資本財(設備投資関連産業)にも高い比率で投資を行なっていますし、ヘルスケア産業にも投資しています。ロボティクスを軸にそれらを取り巻く関連企業も幅広くポートフォリオに組み入れているのです。
また、「どんな良い企業であっても、自分たちが納得するバリュエーションでないと投資しない」が、当ファンドの運用開始以来、一貫した我々の考え方です。
良い企業を探すことは、投資家でなくてもジャーナリストでもできます。しかし、その企業の株価が適切な水準であるかは、彼らが考えることではありません。我々は企業の設備投資や、研究開発が、将来どれくらいのキャッシュフローを創出するのか、そして利益に結びつくのかといったところを考えた上で、良い企業だからといって飛びつくのではなく、本来の投資価値を調査し、リターンを稼げる株価水準で投資するということを10年間続けてきました。
過去10年間のポートフォリオの平均予想PERは、15~25倍程度の範囲で保たれています。基準価額は上昇していますが、バリュエーションが保たれているのは、銘柄に対する確信度に応じて、常に銘柄の入れ替えとウェイトの調整をしている結果です。
基準価額で割高・割安の判断をするのは誤り
しかし、すでに基準価額は約50,000円となっています。やはり割高な水準と感じる投資家も多いのでは?
阿久原 結論から申し上げると、投資信託の基準価額には、個別株式のように「割高・割安」を判断する機能はありません。
基準価額とは、ファンドの運用開始時に1口=1円、1万口=10,000円と基準を設定し、その基準値がその後どのように推移してきたかを示したものにすぎないからです。
そのため、基準価額はあくまでその日の「価値」を表しているだけで、ファンドそのものの「割高・割安」を示しているわけではない、という説明がよくなされます。
例えば、10年前に基準価額10,000円でスタートしたグローバル・ロボティクス株式ファンドは、現在では約50,000円の水準になっています。
一方で、まったく同じ中身(保有銘柄)のファンドを今日新たに設定すれば、基準価額は10,000円からのスタートになります。
では、どちらのファンドに投資したほうが投資成果が良いのかというと....。
答えはどちらも同じです。
なぜなら、投資している中身がまったく同じだからです。
岸田 投資信託の運用成果を計る考え方は、基本的にはパーセンテージ(率)が大前提です。投資して何%上がったのが重要であって、基準価額が何百円上がったのかは大きな意味を持ちません。基準価額が上がっているからといって、その中身(保有銘柄の水準)が割高になっているわけではありません。
投資機会は技術進化で広がり続ける
最後に、すでに保有している方、今後、投資を検討されている方へのメッセージをお願いします。
岸田 ファンドの設定から10年が経過しましたが、基本的なコンセプトは変わっていません。一方で、技術は日々進化しており、新たな投資機会は今も数多く生まれています。
現在、グローバル・ロボティクス株式ファンドをお持ちの方の中で、ライフイベントなどにより資金が必要な場合には、解約も一つの選択肢です。なぜなら、私たちはお客様にお金を使っていただくために、その大切な資産を増やすお手伝いをしているわけですから。
一方で、最近メディアで取り上げられることも多いフィジカルAIは社会実装が始まったばかりで、今後の投資機会は非常に大きいと考えられています。その先にも自動化に関する新たな投資機会はあるでしょうし、その利益を享受したいと考えられるなら、継続して保有、あるいはさらに増額投資をしていただきたいと考えています。これから検討される方にも、本記事を通じてグローバル・ロボティクス株式ファンドの可能性を感じていただければ幸いです。
ありがとうございました。
編集後記
記事本文では触れられませんでしたが、取材の中で、フィジカルAIに着目した日本株の「テーマ型ファンド」――「フィジカルAIファンド(仮称)」が設定されたら?という話題になりました。
フィジカルAIは現在、自動化分野におけるホットな注目テーマの一つです。しかし、技術の進化は非常に速く、近い将来には新たな有望分野が登場する可能性も高いと考えられます。
そのため、「フィジカルAIファンド(仮称)」に投資した場合でも、2~3年後には次のテーマや次のファンドを探す必要が出てくるかもしれません。
一方、グローバル・ロボティクス株式ファンドは、人手不足を解消する有望な手段としてフィジカルAIに注目しつつも、特定の技術に限定されない、柔軟な運用を行なっていますので、フィジカルAIの次に有望な分野が現れれば、そこにも投資することができます。
生産年齢人口の減少による人手不足を背景に、自動化への需要は今後も拡大し、技術進化によって自動化できる分野も広がり続けると考えられます。
こうした環境が続く限り、グローバル・ロボティクス株式ファンドに投資を続ける価値、そして新たに投資を検討する理由は十分にあるといえそうです。
【リスク情報】投資者の皆様の投資元金は保証されているものではなく、基準価額の下落により、損失を被り、投資元金を割り込むことがあります。ファンドの運用による損益はすべて投資者(受益者)の皆様に帰属します。なお、当ファンドは預貯金とは異なります。 当ファンドは、主に株式を実質的な投資対象としますので、株式の価格の下落や、株式の発行体の財務状況や業績の悪化などの影響により、基準価額が下落し、損失を被ることがあります。また、外貨建資産に投資する場合には、為替の変動により損失を被ることがあります。
主なリスクは次のとおりです。【価格変動リスク】【流動性リスク】【信用リスク】【為替変動リスク】【有価証券の貸付などにおけるリスク】※基準価額の変動要因は、左記に限定されるものではありません。※詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。
【手数料等の概要】
投資者の皆様には、次の費用をご負担いただきます。<申込時、換金時にご負担いただく費用> 購入時手数料: 購入時の基準価額に対し 3.85%(税抜3.5%)以内 ※購入時手数料(スイッチングの際の購入時手数料を含みます。)は販売会社が定めます。詳しくは、販売会社にお問い合わせください。※収益分配金の再投資により取得する口数については、購入時手数料はかかりません。換金手数料: ありません。信託財産留保額: ありません。<信託財産で間接的にご負担いただく(ファンドから支払われる)費用> 運用管理費用(信託報酬): ファンドの日々の純資産総額に対し年率1.936%(税抜 1.76%) その他の費用・手数料 :目論見書などの作成・交付および計理等の業務に係る費用(業務委託する場合の委託費用を含みます。)、監査費用、運用において利用する指数の標章使用料などについては、ファンドの日々の純資産総額に対して年率0.1%を乗じた額の信託期間を通じた合計を上限とする額 が信託財産から支払われます。組入有価証券の売買委託手数料、資産を外国で保管する場合の費用、借入金の利息、立替金の利息および貸付有価証券関連報酬(有価証券の貸付を行なった場合は、信託財産の収益となる品貸料に0.55(税抜0.5)を乗じて得た額)などがその都度、信託財産から支払われます。※運用状況などにより変動するものであり、事前に料率、上限額などを表示することはできません。※投資者の皆様にご負担いただくファンドの費用などの合計額については、保有期間や運用の状況などに応じて異なりますので、表示することができません。※詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。
【その他の留意事項】
当資料は、投資者の皆様に「グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年決算型)/(年2回決算型)/(為替ヘッジあり・1年決算型)/(為替ヘッジあり・年2回決算型)」へのご理解を高めていただくことを目的として、アモーヴァ・アセットマネジメントが作成した販売用資料です。当ファンドをお申込みの際には、投資信託説明書(交付目論見書)などを販売会社よりお渡ししますので、内容を必ずご確認の上、お客様ご自身でご判断ください。
アモーヴァ・アセットマネジメント株式会社
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