台風被害受け緊急テーマになった電線地中化
台風15号や19号による甚大な被害により、無電柱化の推進、いわゆる電線地中化に向けた動きが国策として加速する局面にある。安倍政権がかねてから取り組む国土強靱化では、トンネルや橋梁の老朽化対策と合わせ重要課題として常に意識されてきた。
現在、電柱は日本国内に3600万本以上あるとされるが、その数は減るどころか毎年約7万本ペースで増加を続けている。海外では、ロンドンやパリといった英国やフランスの中心部で無電柱化率はほぼ100%に達しているが、日本では東京23区ですら10%に満たないレベルで、取り組みの遅れが目立っている。先の台風に伴い停電被害がクローズアップされたが、地震などの大規模災害時は電柱倒壊による道路寸断リスクも想定され、これを回避するうえで対策を急ぐ必要に迫られている。
経済対策で取り組み本格化へ
そうしたなか、2019年12月5日に閣議決定された経済対策は事業規模26兆円、財政支出13兆2000億円という大型なものとなったが、このなか防災面から、緊急時の輸送に使う市街地道路の無電柱化が項目の一つに挙げられており、株式市場でも投資テーマとして改めて脚光を浴びる経緯となった。
関連銘柄では、共同溝を手掛け、時価総額が100億円未満のイトーヨーギョー(5287)の激しい値動きが株式市場で耳目を集めたが、そのほか、ゼニス羽田とホクコンの経営統合に伴い誕生したベルテクスコーポレーション(5290)やヒューム管最大手の日本ヒューム(5262)、タツタ電線(5809)や昭和電線ホールディングス(5805)などの電線メーカーなども商機を捉えるとの思惑からマーケットの視線を集めた。
また、通信工事トップのコムシスホールディングス(1721)や電気工事大手の中電工(1941)や関電工(1942)、建設コンサルのオオバ(9765)や長大(9624)なども注目度が高い。
インフラ関連企業に投資するファンドとは
国内のインフラ関連企業に投資するファンドに、『いちよしインフラ関連成長株ファンド(ジャパン・インフラ)』がある。いちよしアセットマネジメントが運用、販売はいちよし証券のみとなっている。レーティングの星は4つとパフォーマンスはいい。要注目のファンドと言えるだろう。
【関連記事】
配信元:ミンカブ・ジ・インフォノイド
関連銘柄
順位 | ファンド名 | 運用会社 | レーティング(1年) |
---|---|---|---|
1 | いちよしインフラ関連成長株ファンド(ジャパン・インフラ) | いちよし |
★
★
|
このコラムの著者

みんかぶ編集室 (ミンカブヘンシュウシツ)
資産運用のトレンド情報や、初心者が楽しく学べるお金の基本コラムなど、資産形成をするすべての人に向けた記事を提供します。
新着記事
最近見た銘柄
投資信託ランキング
3月の投資信託おすすめ銘柄5選
人気記事ランキング
関連サイト
投資・お金について学ぶ入門サイト