リスクが低くて安定性のある投資信託を選んではダメなのか!?

コラム
配信元:ミンカブ・ジ・インフォノイド
投稿:2020/07/01 07:00
リスクが低くて安定性のある投資信託を選んではダメなのか!?

日本証券業協会が3年毎に行っている『証券投資に関する全国調査(個人調査)』での「投資信託への投資実態」によると、投資信託の購入にあたって多くの方が何を考慮しているのかというと、「リスクの低さや安定性」という回答が最も多くなっています。そして、投資信託の購入理由は、「長期にわたっての資産運用として」というのが、最も多い回答※です。

※出所:『平成30年度証券投資に関する全国調査(個人調査)』

 

では、長期にわたって資産運用する場合、「リスクの低さや安定性」を重視した銘柄を選ぶのがいいのか、今回はその点について、考えてみたいと思います。

 

 

長期にわたる資産運用で大切なことは積立投資を長くつづけること

まず、長期にわたっての資産運用において大切なことは、

1.毎月定期的に積立をする「積立投資」をすること

2.「できるだけ長く続けること」

の2点です。

 

毎月一定金額ずつ購入していく積立投資であれば、商品の価格が高い時には少ししか買わず、安い時により多く買うことになり、結果的に平均的購入価格を引き下げる効果が期待できます。買ったものがすぐ値下がりすると嫌な気分になりがちですが、積立投資ならば値下がりすれば「たくさん買えている」ということなので、精神的なストレスも軽減されるはずです。

ただ、積立投資ならばどんなものでもいいのかというとそれは違います。値動きの異なる2つの銘柄を4年間複利運用した結果を比較してみます。

 

  1年目 2年目 3年目 4年目 年平均
騰落率
4年後
元利合計
商品A +10% +20% -20% +10% 5% 1161.6万円
商品B +6% +8% -2% +6% 4.5% 1189.2万円

 

 

複利効果は両刃の剣

商品Aは、20%儲かる年もあれば、20%損失を出す年もあるという値動きが大きい商品です。4年間の平均収益率(騰落率)は5%でした。一方、商品Bはリターンがマイナス2%からプラス8%の間に収まる比較的値動きがおとなしい商品で、平均収益率は4.5%だったとします。この2つの商品に1000万円ずつ投資をして複利運用を行ったとすると、平均収益率が低い商品Bの方が、なんと4年後の資産額は大きくなっています。実は複利効果というのは両刃の剣のようなもので、マイナス側にも働くのです。

このためブレの大きい商品Aのような商品では、せっかくの複利効果が3年目のように大きくマイナス側に働いてしまうことがあります。まとまったお金の複利運用では、ブレが小さい運用の方が大きくお金は増えやすいことを知っておきましょう。

 

また、値動きの異なる4つの商品に10年間積立投資を行った結果を比較してみると、オレンジ色や水色のケースのように、積立開始後、しばらくは価格が下がった方が、その後、価格が回復し始めると、資産額が一気に増えていくというのが積立投資の特徴です。

 

積立式の投資では前半下落、最終局面上昇が有利


積立て当初よりも10年後の基準価額が20%以上値下がりしている水色のケースの方が、年1.5%ずつ着実に右肩上がりで値上がりし続けた赤色のケースよりも資産額が大きくなっていることには驚かれるのではないでしょうか。

ただし、実際の運用では紺色のケースのように後半値下がりしてしまい元本割れとなってしまうこともありえるので、ある程度まとまった金額になったら、その分は価格が上振れしている際に売却して、もう少し安定的な運用に移すようにするといいでしょう。

 

 

積立投資に向かない銘柄とは

このことから積立投資に向かない銘柄とは、価格のブレが大きい銘柄、そして、目先は値上がりしても将来、値下がりが予想されるもの、ということになります。つまり「リスクの低さや安定性」を重視することは、とても大切なことだということがわかります。ただし、リスクの低さばかりを追い求めてしまうと、その分、リターンも小さくなってしますので、バランスを取ることをお忘れなく。

 

 

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みんかぶ編集局 (ミンカブヘンシュウキョク)

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