コラム「仕事としての運用」における個別商品の選び方    ―神戸 孝

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2018/07/05 15:10

 

自分のリスク許容度に見合ったポートフォリオ(資産配分)が決まったら、次にアセットクラスごとに商品を選んでいきます。個別の株式や債券を組み入れることもできますが、売買単位が大きく、また個別の株式は売却のタイミングの判断が必要になることもあり、一般的には「趣味としての投資」向きの商品といえるでしょう。「仕事としての運用」では、分散投資の効果が高く、ファンドマネージャーが個別銘柄の売買を行ってくれるため売却のタイミングを考えなくてすみ、リバランス(崩れた資産配分を元の比率に戻すこと)も行いやすい、投資信託を中心に商品を選ぶといいでしょう。

 

◆    アセットクラスごとに投信を選択
投資信託の投資対象(アセットクラス)には、基本となる国内外の株式や債券に加え、プラスαとして、不動産、コモディティなどがあります。それぞれのアセットクラスに投資する投資信託は、運用スタイルなどでさらに細分化できます。

 

投資信託を選択する場合の共通の切り口として、インデックス型かアクティブ型かという分類方法があります。コスト面重視で選びたければ、指数に連動するように運用していくインデックス型の投信を、コストはいくらか高めでもインデックスを上回る運用成果を目指したい場合にはアクティブ型投信を、選ぶことになるでしょう。

 

また別の切り口として、たとえば株式に投資を行う投信については、大型株を中心に投資を行うものか中小型株中心か、あるいは成長株中心か割安株中心かなどの分類方法があり、債券の投信では、投資している債券の残存期間が短いものか長いものか、格付けが高いものか低いものかなどの分類方法があります。細分化されたグルーブごとに、値動きの大きさ(リスク)とリターンなどが異なるので、過去の運用実績なども参考にしながら選択するといいでしょう。

 

アセットクラスごとの投信分類。基本4資産 ①日本株・アクティブ型かパッシブ型か・アクティブ型なら、グロース型(成長株)投信かバリュー型(割安株)投信か・大型株投信か中小型株投信か②日本債券・アクティブ型かパッシブ型か・短期か長期か・格付けが高いか低いか③外国株・アクティブ型かパッシブ型か・先進国株で運用する投信か新興国株の投信か・大型株投信か中小型株投信か④外国債券・アクティブ型かパッシブ型か・通貨は米ドルかユーロか豪ドルか、その他のスモールカレンシーか・ソブリン債か高格付け社債か、格付けの低いハイイールド債か【プラスα部分】⑤REIT・アクティブ型かパッシブ型か・国内か海外か・商業系か住居系か⑥コモディティ・アクティブ型かパッシブ型か・アクティブ型ならば、何で運用するファンドか・パッシブ型ならば、連動を目指す対象は何か

 

 

◆    アクティブ型投信の選び方
アクティブ型の投信は、ファンドマネージャーが企業の経営者にインタビューを行ったり、企業内容を分析したりと、投資を行う銘柄の選択などに手間がかかるため、一般的にインデックス型の投信に比べて信託報酬(運用管理費用)が高めです。高めの信託報酬に充分見合う運用成績を上げてきているものであれば、ポートフォリオに組み入れたいところですが、残念ながらそういった投信の数はあまり多くありません。そのためアクティブ型投信を活用する場合には、その選別が大変重要になります。

 

運用が上手な投信を見分けるモノサシのひとつに、「シャープレシオ」という指標があります。シャープレシオは、投信のリターンから預貯金や国債などリスクの無い資産のリターンを差し引き、投信のリスク(標準偏差)で割った値で、取ったリスクに対してどれだけリターンが得られたか、という運用効率を表します。

 

ファンド選択の基本となるモノサシはシャープレシオ (投信のリターン-無リスク利子率)÷投信のリスク。左上に行くほど(角度が大きいほど)より投信

 

中学生の時に学ぶ、直線の方程式「Y=aX+b」の「a」、つまり傾きに当たるのがシャープレシオです。「a」がプラスの数値で大きければ大きいほど、ローリスクでハイリターンを生み出してきた運用効率の高い投信だということになります。同一のカテゴリーの複数の投信を比較する際に、シャープレシオの数値が大きいものほど、運用効率が高い運用を行って来ているということを知っておきましょう。

 

投信の情報サイトの多くで、シャープレシオは投信を評価する指標のひとつとして採用され、カテゴリーごとに比較できるようになっていますので、参考にするといいでしょう。
 

 

【著者】神戸 孝

㈱三菱銀行、日興證券㈱を経て、1999年独立系FP会社の老舗的存在といえるFPアソシエイツ&コンサルティング㈱を設立。自ら個人・法人等のコンサルティング、各種講演会・研修会の講師などを行う傍ら、全国の独立系FPのための支援ビジネスも展開している。FP歴は日興證券㈱勤務時代を含めると約30年、資産運用に強いFPの第一人者として評価が高く、金融審議会専門委員や金融庁の「家計の安定的な資産形成に関する有識者会議」委員、金融広報中央委員会(日本銀行)の金融経済教育推進会議委員、日本FP協会理事なども歴任している。

 

CFP(サーティファイド・ファイナンシャル・プランナー)、1級FP技能士、日本FP学会会員

 

<著書>
『NISAで儲けろ!』(朝日新聞出版)
『気づいたら貧困層!?』(監修・KADOKAWA)
『女性のための個人型確定拠出年金の入り方』(監修・KADOKAWA)  ほか

出所:FPアソシエイツ&コンサルティング株式会社

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