長期投資のすすめ5~お金を世界に「貸す」投資~

前回は国にお金を貸す方法として、国債を取り上げました。先進国と呼ばれる各国は、私たちの日本も含め、個人の資産運用には全く期待できない状況です。金利がありません。場合によってはマイナスです。個人でクレジットカード会社や銀行から借りる時は数%なのに、貸す時はゼロという不思議な状況です。信用というリスクの観点から紹介しましたが、本日は、その先進国の中でどの国に投資するのかについて取り上げたいと思います。おさらいになりますが、2020年10月23日現在の主要先進国の金利はこちらです。
(出所:Refinitiv)
0.8%台の米国やオーストラリアや、ほぼゼロの日本から、なんとマイナスのドイツとフランスまで様々です。単に金利が高い国にお金を貸せばいいのでしょうか?現在の金利だけではなく、過去の動きを調べてみましょう。
似たようなチャートですが、国よってバラバラで、タイミングと保有期間によって得られる金利収入は大きく異なります。いまはマイナスのフランスとドイツも2000年代前半には数%の金利がありました。
これらを上手く乗り換えたり効率をよく運用したり、将来の金利動向を各国毎にあてるのは、プロの投資家でさえ難しいと言われています。そんな中で、私たちが各国の金利を調べて頻繁に売買を繰り返すのは全くおススメできません。
「世界」にお金を貸す
どの国がいいのか?そんなことを一切考えずに世界にお金を貸すことも可能です。それは、インデックス投資という方法です。「世界国債インデックス」と書いてある投資信託を買うことで世界数十か国にまとめて投資することができるのです。先ほど事例であげた先進国だけでなく、南米やアフリカの国なども含んでいます。また2021年10月には中国の国債も組み入れられるそうです。現在の中国の長期金利は約3%なので、とても魅力的ですね。このインデックスを算出しているFTSE Russellによると、中国も加えた状態でこのような国に投資できるそうです。上位国をみてみましょう。
国 | 組入比率 |
アメリカ | 35.83% |
日本 | 17.69% |
フランス | 8.74% |
イタリア | 7.77% |
ドイツ | 6.37% |
中国 | 5.7% |
イギリス | 5.46% |
スペイン | 5.04% |
(出所:FTSE Russell)
市場の「大きさ」などが組み入れ条件になっているため、先進国の見慣れた国の名前が並んでいます。たしかに一つの投資信託を銀行で買うだけで世界全体にお金を貸せるのは便利ですが、我々は日本人です。わざわざ日本(の財務省)にお金を貸す必要はあるのでしょうか?
投資をする根本的な理由を思い出してみましょう。日本には金利がほぼ無く、銀行に普通預金で預けても0.001%。国債を買ってもわずかな金利。だからこそ、高い金利を探していたのでした。次回はもう一歩進んでの「中間」に投資をする方法を紹介します。
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配信元:ミンカブ・ジ・インフォノイド
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順位 | ファンド名 | 運用会社 | レーティング(1年) |
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1 | 三菱UFJ世界国債インデックスファンド(毎月分配型) | 三菱UFJAM |
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2 | 三菱UFJ世界国債インデックスファンド(年1回決算型) | 三菱UFJAM |
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みんかぶ編集室 (ミンカブヘンシュウシツ)
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