水素 「脱炭素社会」の切り札
米国の次期大統領に就任することが確実となったバイデン氏は政策の目玉に「環境」を掲げている。トランプ大統領が脱退を宣言した「パリ協定」に対して、就任とともに再加入することを打ち出しており、環境は株式市場の大きなテーマに急浮上している。
その環境関連のなかで「水素」に対する注目度が高まっている。水素は、燃焼時に二酸化炭素を出さないクリーンなエネルギーであり、「脱炭素化の切り札」とも呼ばれている。欧州では水素エネルギーの普及に50 兆円の巨費を投じる方針としているほか、日本は「水素立国」を掲げて世界をリードしてきた実績がある。
燃料電池車などに期待も
特に、水素と酸素の化学反応を起こす電気エネルギーで走る燃料電池車(FCV)に対する期待は強い。FCVは乗用車に加え、今後はトラックなど商用車向けの需要が拡大するとの観測も出ている。各国が「脱炭素化」を打ち出すなか、電化の難しい航空機産業や鉄鋼産業などで水素エネルギーを活用する動きも浮上している。
水素関連では、トヨタ自動車(7203)がFCVの「MIRAI」を発売しているほか、ホンダ(7267)もFCVを手掛けている。愛知製鋼(5482)の高圧水素用ステンレス鋼はトヨタのMIRAIに採用されている。
また、岩谷産業(8088)は水素ステーションを国内外で展開しているほか、液化水素を製造するノウハウを持つ。日本酸素ホールディングス(4091)は水素充填システムなどを手掛けている。エア・ウォーター(4088)は水素ガス発生装置で実績がある。加地テック(6391)は、水素ステーション用の燃料電池用水素圧縮機を作っている。三菱化工機(6331)は、水素ステーション向けの水素製造装置などを手掛ける。山王(3441)は、高純度の水素の精製に必要な「水素透過膜」を製造している。
注目の代替エネルギー関連ファンド
代替エネルギーに着目したファンドで注目したいのは、日興・DWS・ニュー・リソース・ファンド(ライジング・トゥモロー)(ドイチェ)だ。このファンドの運用方針は、グローバルな需要のシフト(変化・増大)から、今後成長が期待される3つのテーマ(水・農業・代替エネルギー)に関連する企業の株式を中心に投資を行うというものだ。
直近1年のパフォーマンス評価は、レーティングの星4つと高い。
販売は、楽天証券、SBI証券、SMBC日興証券の3社となっている。
≫日興・DWS・ニュー・リソース・ファンド(ライジング・トゥモロー)の販売会社
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配信元:ミンカブ・ジ・インフォノイド
関連銘柄
順位 | ファンド名 | 運用会社 | レーティング(1年) |
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1 | 日興・DWS・ニュー・リソース・ファンド(ライジング・トゥモロー) | ドイチェ |
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このコラムの著者

みんかぶ編集室 (ミンカブヘンシュウシツ)
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