プロから見たマーケット情報と今後の見通し【2023年11月版】

様々なファンドを運用するプロ(運用会社のファンドマネージャー)が考える、マーケット情報や各ファンドに関連する今後の見通しについてご紹介します。
本コンテンツは随時更新でお届けしており、各社独自の観点や時間軸でのコメントになっているため、様々な視点からマーケットの動きを考えることができます。
各コメントは、最大200文字の制限がありますので、もっと詳しく知りたい方は引用元をチェックしてみて下さい。
国内株式についてのマーケット情報と今後の見通し
ファイブスター投信投資顧問株式会社の見通し

チーフ・ポートフォリオ・マネジャー 大木將充
日本興業銀行、マッキンゼー を経て、リーマンブラザーズ証券、ドイツ証券等 の外資系証券で金融セクターのアナリスト業務に従事、「 世界で一番リスクを取るアナリスト 」 と呼ばれる。
高杉良氏著の「虚像の政商」に登場するアナリストの実在モデル。
2010年ファンドマネジャーに転身。「MASAMITSU日本株戦略ファンド」の責任者。
2021年「日本株爆騰!‘ 80 年代バブルを超える大相場が来る」出版。
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投資状況について
米国における来年の利下げと日本の金融緩和終焉の可能性を重視して、「米国金利低下+日本金利上昇=グロース株の下げ止まり」を今後のメインシナリオに置きながらも、大型株の中でも大きく下落した銘柄が散見されたこと、中小型株の構造的不振が明確化したことから、グロース株・バリュー株の別にかかわらず株価が割安と目される銘柄の中から主力銘柄を中心にポートフォリオを構築し、中小型株については選別投資を徹底しました。 -
マーケットの動き
日経平均-3.1%、TOPIX-3.0%、マザーズ指数-11.1%で、日経平均株価の2014年以来9年半ぶりの4か月連続下落が示す通り、低調な株価推移となりました。特にマザーズ指数が示すように、中小型株の株価は大幅安となり、今後の浮上が絶望視されるほどの悲惨な状況になりました。
内訳を見ると、TOPIX構成銘柄2,156社のうち、上昇603社、下落1,536社と、およそ71%が下落しました。 -
投資環境の見通し
日経平均株価は4カ月連続下落となりましたが、弊社の日本株に対する強気の見方は、基本的に全く変わりありません。その主因は、従来の見解と全く同じで、特に注目されるのは、「インフレ定着」です。
弊社では、インフレ経済入りすることによる「市場環境の激変」を予想していますが、既にその萌芽が見られ始めています。「インフレ」をキーとした銘柄選択が進み、それへの対応如何でリターンが大きく変わりうると考えています。
大木將充氏が運用するファンド | 基準価額 (前日比) |
利回り (リターン) |
信託報酬 | 販売会社 | 最新分析 レポート |
---|---|---|---|---|---|
ファイブスター投信投資顧問
MASAMITSU日本株戦略ファンド
|
18,077円
244円
|
8.57%
|
1.859% |
コモンズ投信株式会社の見通し

代表取締役社長兼最高運用責任者 伊井哲朗
名古屋市出身、山一證券入社後、主に営業企画部に在籍し営業戦略を担当。
その後、メリルリンチ日本証券(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券)の設立に参画し約10年在籍。コモンズ投信創業と共に現職。2012年7月から最高運用責任者兼務。
BSテレビ東京「日経プラス9」レギュラーコメンテーターも務めるなどメディア出演多数。
コモンズ投信は、骨太な長期投資家として特色があり、親子で経済や金融の知識を学べるセミナーも積極的に展開している。
著書に『97.7%の人が儲けている「投資の成功法則」(日本実業出版社)』などがある。
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運用状況について
10月、当ファンドは▲6.36%の下落となりました。組入銘柄の中で上昇した銘柄が10社ありました。組入上位銘柄の騰落率では、レーザーテック+8.32%、ソニーG+1.51%が上位2銘柄、サンリオ▲9.86%、デクセリアルズ▲8.10%が下位2銘柄となりました。
当月のポートフォリオ組入銘柄数は1銘柄売却し58社となりました。株式組入比率は97.3%(前月末比▲1.7%)としています。
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マーケットの動き
10月の内外株式市場は、米国10年国債利回りの5%台乗せ(2007年7月以来)や中東情勢の緊迫化などから世界的に下落する展開でした。米国では金利上昇局面で、引き続きテクノロジー株の下落が顕著でした。国内株式市場も、こうした世界的な株価の下落に連動して続落となりました。月末には、日銀がYCC(イールドカーブコントロール=長短金利操作)の再修正を行ったことから、日本の長期金利も上昇し株価を抑えました。 -
投資環境の見通し
当ファンドは、中期的に大きく変化する企業への投資を行っていますので、ウェイトの調整は行っていますが、成長株が多く含まれています。当月は米国長期金利が一時5%を超えて上昇したことから、金利高に影響を受けた成長株の下落が特に顕著でした。小型成長株が多い東証マザーズ指数が11%を超える大きな下落も象徴的です。ただ、米国の金融引き締めも既に終了した可能性も出てきており、反転時期も近いと考えています。
ファンド | 基準価額 (前日比) |
利回り (リターン) |
信託報酬 | 販売会社 | 最新分析 レポート |
---|---|---|---|---|---|
コモンズ投信
コモンズ30ファンド
|
44,645円
-113円
|
16.87%
|
1.078% | ||
コモンズ投信
ザ・2020ビジョン
|
23,877円
-132円
|
0.24%
|
1.265% |
海外株式についてのマーケット情報と今後の見通し
ファイブスター投信投資顧問株式会社の見通し

シニア・ポートフォリオ・マネジャー 元木宏
フォード自動車株式会社の財務統括本部でアナリストとして勤務した後、1994年にアライアンス・キャピタル・アセット・マネジメント社にアナリストとして入社。
その後、執行役員・株式運用部長を歴任。2005年にAIGインベストメンツ社(2009年よりパインブリッジ・インベストメンツ社に商号変更)に常務執行役員・運用本部長として入社。
2018年にファイブスター投信投資顧問株式会社にシニア・ポートフォリオ・マネジャーとして入社。
-
投資状況について
今月の当ファンドの基準価額は、前月末比-11.77%の下落率となりました。
10月は、前月に続いて、現金割合は必要最小限とし、高い株式投資割合を維持しました。また、第3四半期の決算分析に基づいて、積極的な売買を行いました。 -
マーケットの動き
10月のベトナム株も前月に続き軟調でした。これは、米国金利上昇と米国株安の影響を受けているものと思われます。また、米国との金利差拡大によりベトナムドンは対ドルで弱含んでおり、これもベトナム株安の要因と考えます。
月間推移はベトナムVN指数は10.9%下落、米国10年債利回りは4.93%に上昇、ドルは対円で1.5%上昇して月末には151.68円となり、ベトナムドンは対ドルで1.1%下落しました。 -
投資環境の見通し
10月の鉱工業生産指数は前年同月比+4.1%と前月に続きプラスを維持、輸出も前年同月比+5.9%と増加。消費も小売売上高が前年同月比+7.0%と堅調を維持しています。年末に向けベトナム経済は回復基調を示すと期待しています。また、年末を目標に証券取引市場システムが全面的に更新され、その結果、株式売却の資金を使い同日の株式投資が可能となる予定で、ベトナム株式市場が更に活性化するのではないかと考えます。
元木宏氏が運用するファンド | 基準価額 (前日比) |
利回り (リターン) |
信託報酬 | 販売会社 | 最新分析 レポート |
---|---|---|---|---|---|
ファイブスター投信投資顧問
ベトナム・ロータス・ファンド(ロータス)
|
19,235円
784円
|
2.72%
|
2.167% |
※本記事は、市場環境に関する情報の提供を目的として、作成したものであり、特定の有価証券等の勧誘を目的とするものではありません。信頼できると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではなく、いかなる内容も将来の市場環境等を保証するものではありません。
関連銘柄
順位 | ファンド名 | 運用会社 | レーティング(1年) |
---|---|---|---|
1 | ザ・2020ビジョン | コモンズ |
★
★
★
|
2 | ベトナム・ロータス・ファンド(ロータス) | ファイブスター |
★
★
★
|
3 | コモンズ30ファンド | コモンズ |
★
★
|
4 | MASAMITSU日本株戦略ファンド | ファイブスター |
★
★
|
このコラムの著者

みんかぶ編集室 (ミンカブヘンシュウシツ)
資産運用のトレンド情報や、初心者が楽しく学べるお金の基本コラムなど、資産形成をするすべての人に向けた記事を提供します。
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ファンド名 | 基準価額 | 前日比 |
---|---|---|
インベスコS&P500イコール・ウェイト・ファンド | 8,964円 | 525円 |
セゾン資産形成の達人ファンド | 38,079円 | 457円 |
日経平均高配当利回り株ファンド | 16,197円 | 267円 |
<DC>インデックスファンド225 | 43,111円 | 1318円 |
フォントベル・世界割安債券ファンド(ヘッジなし/年4回決算型) | 9,554円 | 72円 |
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