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インターネットに次ぐ技術革新?~ブロックチェーンに関連した投資機会と最新動向~

インタビュー
配信元:NTTデータエービック
投稿:
インターネットに次ぐ技術革新?~ブロックチェーンに関連した投資機会と最新動向~

 技術革新に着目したファンドの設定が増加中です。経済成長の原動力は技術革新であり、長期的に市場平均を上回る投資成果を期待できることが人気の背景だと思われます。

 

 今回、注目したのは「ブロックチェーン技術」です。仮想通貨を支える技術として一躍脚光をあびた「ブロックチェーン」ですが、投資信託の投資対象となると今ひとつピンと来ないのが実態ではないでしょうか。

 

 そこで、2019年7月11日に設定された「インベスコ世界ブロックチェーン株式ファンド(世カエル)」の運用会社であるインベスコ・アセット・マネジメント様にブロックチェーンの将来性についてお話をうかがいました。

 

 インタビューにお答えいただいたのは、インベスコ・アセット・マネジメント株式会社リテール営業本部長の飯森かおり様です。

 

 

 

ー「インベスコ世界ブロックチェーン株式ファンド」の資料を拝見しました。その中に、「ブロックチェーンの幅広い活用による波及効果は2030年までに3.1兆米ドル(約340兆円)に拡大するとの試算もある」との内容がありましたが、その背景を教えて下さい。

 


 それは、ブロックチェーンがインターネットに次ぐ技術革新と考えられているからです。これまで、印刷機やエンジン、そしてインターネットが登場したことによって、私たちの社会や生活は大きく変わりました。ブロックチェーンは、これらと同じような技術革新と考えられますので、その波及効果は非常に大きいものでしょう。

 

 では、ブロックチェーンで何が変わるのかと言いますと、「デジタル情報がより信頼できるものになる」ことです。ブロックチェーンは、一言では「情報を安全につなげる技術」であり、全員で検証された正しい情報を共有する仕組みですので、ブロックチェーン上のデジタル情報は、出所や履歴が明らかで、信頼できるものと言えます。これによって、人々は安心・安全にデジタル情報の取引ができるようになります。

 

 つまり、インターネットだけでは、資産価値のあるデジタル情報の取引は難しかったのですが、ブロックチェーンが加わることによって、それが可能になったのです。具体的には、暗号資産(仮想通貨)です。今から10年前に登場した暗号資産(仮想通貨)の取引こそ、まさにブロックチェーンの最初の実用例なのです。逆に言えば、ブロックチェーンがなかったら、暗号資産(仮想通貨)の取引もできなかったのです。このように、ブロックチェーンの登場で、これまでできなかったことが可能になると期待されますが、ブロックチェーンは、全世界で37億人以上とも言われる巨大なインターネット市場をベースとした基盤技術でもあるので、幅広い分野で活用されていくことが見込まれます。

 

 

ブロックチェーン市場規模の予測

 

 

 

ーなるほど。巨大なインターネット市場がベースになっていて特定の分野に限定されず、相当大きな波及効果が見込まれそうですね。

 


 そうですね。ブロックチェーンと言うと、暗号資産(仮想通貨)のイメージだけを持つ方もいらっしゃるのですが、そうではなくて、幅広い分野に活用される基盤技術です。

 

 ブロックチェーンの活用は、まだ始まったばかりですが、未来の技術ではありません。今の技術として、既に、振込、物流などに活用され、私たちの社会や生活を変えつつあります。例えば、物流で言いますと、ブロックチェーンにはトレーサビリティ(履歴の追跡)という特徴があるため、生産から店頭に並ぶまでの過程が記録されます。この特徴を応用して、フランスの高級ブランドのルイ・ヴィトンでは、マイクロソフトなどと共同して模倣品を排除する仕組みを作りだしていますし、米国のスーパーのウォルマートでは、IBMなどと共同して生鮮食品の安全性の向上を図っています。また、ブロックチェーンを活用した流通管理システムは追跡の手間も一変させるもので、実際に米国のウォルマート社が実験したところ、海外から輸入したマンゴーについて、実際に産地の農場を突き止めるまでに約1週間を要しましたが、ブロックチェーンを活用した追跡手法であれば、たった2.2秒で農場を特定することが可能になりました。

 

 

 

 

ー既に今の技術なのですね。今後はどのようなことで活用が期待されているのでしょうか?

 


 人生100年時代と言われる中で、医療では課題も残ります。これまで診察カルテといった個人情報は安全の観点から個別管理されてきましたが、ブロックチェーンによって、複数の病院で共有される試みが進んでいます。個人としても、診察カルテの情報があれば、どこの病院でも適切な診察が可能になりますし、社会としても、重複する診察がなくなれば、社会保障支出の削減につながります。

 

 医療だけでなく、エネルギー、不動産、選挙など様々な分野に活用が広がり、便利さだけでなく、持続可能な社会の実現にもつながると考えられます。更には、AI、5Gなどといった新しい技術と組み合わせることで、例えば、公道での自動運転といったような素晴らしい未来が作り出されると期待されます。

 

 一方、長期的な視点では、ブロックチェーンはまだ黎明期にあると考えられます。インターネットも過去30年で大きく発展してきました。そうした意味では、ブロックチェーンは1990年代のインターネットと似たような状況にあります。黎明期の今から注目することで、インターネットの成長をブロックチェーンで追体験できるかもしれませんね。

 


ーインターネットが普及しはじめた1990年代初めは、アマゾンやグーグル(アルファベット)、ファイスブックなどは、まだ起業前でした。ブロックチェーンでも、新たなサービスを提供する企業の登場が期待できますね。

 


 そうですね。今の感覚では考えも及ばないサービスや仕組みを提供する企業があるかもしれませんね。ブロックチェーンの発展段階で言えば、暗号資産(仮想通貨)への活用は、ブロックチェーン1.0として、基本的な活用例に過ぎないと捉えている専門家もいます。こうした専門家は、ブロックチェーン2.0という段階で金融分野での活用、ブロックチェーン3.0という段階で幅広い分野での活用と想定しています。現在は2.0くらいの位置ですが、今後5年、10年で、活用は急速に拡大していくでしょう。

 

 

出所:インベスコ・アセット・マネジメント

 

ーそれでは、運用についてうかがいます。「インベスコ世界ブロックチェーン株式ファンド(世カエル)」は、分類上はインデックス型に分類されますが、一般的なインデックスファンドとの違いや特徴はどういったところなのでしょう?

 


 ファンドは、エルウッド・ブロックチェーン・グローバル・エクイティ・インデックスの動きに連動する投資成果を目指します。このエルウッド・ブロックチェーン・グローバル・エクイティ・インデックスは、従来の市場全体の動きを示す時価総額型インデックスとは異なる革新的なものであると考えています。デジタル・アセットに特化した投資会社であるエルウッド・アセット・マネジメントが開発したものですが、同社が独自の分析に基づいてブロックチェーン関連銘柄を選定しています。ですから、このインデックスは、市場平均の動きではなく、ブロックチェーンの成長を捉えることに、大きな違いがあります。

 

 特徴としては、一般的な世界株インデックスと比較して、業種や国別構成が大きく異なっていることが挙げられます。現在、50銘柄程で構成されていますが、業種では情報技術や金融の比率が高くなっており、国別では米国の比率が低く、日本や台湾の比率が高くなっています。

 

 

 

 

ー構成銘柄や構成比率は、見直されるのでしょうか?

 

 

 構成銘柄および比率の決定は、規律あるプロセスで行われ、四半期毎に見直しがされます。エルウッド・アセット・マネジメントは、金融市場とブロックチェーンの専門知識を活かして、ボトムアップによる個別銘柄分析を行っています。利益、利益の成長性、開発ステージ、競争優位性、持続可能性の5つの項目の評価に基づき、個別銘柄をスコアリングし、流動性を考慮しながら構成銘柄および比率を決定していきます。こうしたプロセスの中では、他の投資家が発見できないようなブロックチェーン関連銘柄が見出されていることも魅力のひとつと言えるでしょう。

 

 

ーブロックチェーンの普及・拡大に合わせて成長するポートフォリオとなることが期待できそうですね。最後に投資家の皆さまへのメッセージをお願いします。

 


 当社としては、ブロックチェーンの成長に期待する投資家に、ファンドを通じて、貴重な投資機会を提供できたものと考えています。また、ブロックチェーンというテーマで幅広い分野の銘柄に投資するファンドとしては、日本で初めてのもの*ですし、いわゆる一過性のテーマ型ファンドとは異なるものです。ブロックチェーンが始まったばかりだからこそ、まさに人生100年時代の長期の資産形成としても注目してほしいと考えています。

 

*ファンド名、愛称、ファンドの特色に「ブロックチェーン」を含むファンドのうち、目論見書の「ファンドの特色」にブロックチェーン関連銘柄に投資を行うことを明記しているファンドとする。2019年7月11日現在。モーニングスター社調べ。

 

 

 

【インタビュアーより】
 技術革新は日進月歩の世界ですが、そこには今も、これからも「ブロックチェーン」を用いた進化が期待できそうです。一見、時流に乗ったテーマ型ファンドのように思えて、実は成長分野への投資として長期資産形成にも有効な投資対象なのかもしれません。「ブロックチェーン」と聞いて、まだピンと来ない時期だからこそ、投資妙味があるのかもしれません。

 


>>インベスコ世界ブロックチェーン株式ファンド(世カエル)
 

 

【インベスコ ブロックチェーン紹介サイトはこちら】

 

 

【インベスコ世界ブロックチェーン株式ファンド紹介動画】

            
            ブロックチェーンwithインベスコ    再生時間 3:45
 

配信元:NTTデータエービック

このコラムの著者

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NTTデータエービック (エヌティーティーデータエービック)

投資信託の評価機関として蓄積した各種データをもとに、みんかぶ投信のニュースやレポート、コラムを執筆しています。また、投信会社を訪問し、話題の投資信託等のインタビュー記事など投資に役立つコンテンツを提供しています。

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