金融に関する知識が身に付くと、株式投資をするのか?

株式投資をしたことがないという理由の一つに、「十分な知識がまだないから」というものが多い。日本証券業協会(以下、「日証協」)が実施した「2018年度 証券投資に関する全国調査(個人調査)」において、「十分な知識をまだ持っていないと思ったから」との回答が26.0%と最も多く、この傾向は過去から続いている。
では、十分に知識が身につけば株式投資を始めるのだろうか?
日証協の同調査によると、株式投資を行わない理由の2番目には「値下がりの危険があるから」というものがくる。株式投資でどれほどの値下がりとなるかを知ることで、自分が負っているリスクに気づき、株式投資をやめておこうと考える人も出てくる可能性がある。つまり、金融に関する知識が付いたからと言って、証券投資が増えるとは限らないのである。
金融知識を高めることは無駄か?
先物・オプションレポート2020年7月号『金融リテラシーの高さと金融行動 -借入行動と証券投資-』(神戸大学経済経営研究所教授 家森信善、名古屋大学院大学准教授 神山仁恵)によると、どんなに金融リテラシーが低い人でも株式投資を行う人はいる一方、どんなにリテラシーが高くなっても一定数の人は株式投資を行わない人もいるが、金融リテラシーが高まると、株式投資者比率は増加する可能性があるとしている。つまり、金融リテラシーの高い人ほど株式投資を行っている確率が高いことが確認できている。
金融知識向上の目的
金融知識を向上させる目的は何か?
それは、個々人がライフステージに応じ、適切な金融サービスを適切に選択し、最適なポートフォリオを構築できるようになることである。金融サービスを適切に選択し、最適なライフプランニングを実践することがその目的である。
一般的に、金融リテラシーの高い人はライフプランニングを実践しており、老後の資金を計画的に形成している。そして、利用できる選択肢の中でコストの低いものを選択する傾向がある。
金融知識を向上させるには、与えられたものを”相対化”すること、つまり、目の前のものだけでなく、他のものと比較・検討すること、また、その比較方法を学ぶことが重要である。
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配信元:ミンカブ・ジ・インフォノイド
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