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100円で資産運用⁉本音の投資信託⑩ 読んでみよう、投資信託のトリセツ(9)

コラム
配信元:NTTデータエービック
著者:土ノ江健人
投稿:2020/09/10 09:00
100円で資産運用⁉本音の投資信託⑩  読んでみよう、投資信託のトリセツ(9)

今回は、「投資信託説明書(交付目論見書)」の4ページ、「投資リスク」について説明していこう。

 

この部分も、投資信託協会の「交付目論見書の作成に関する規則」(ガイドラインと呼ぶ)に書き方が規定されている。

それは、「投資リスクの項の冒頭において、ファンドの運用による損益はすべて投資者に帰属する旨、投資信託が元本保証のない金融商品である旨、及び投資信託が預貯金と異なる旨の記載をするものとする。」というものだ。

 

表現が難しいが、これを踏まえて一つ一つ見ていこう。

 

「ひふみプラス」交付目論見書 投資リスク

 

 

 

まず、この「投資リスク」だが、金融や投資の世界ではとても重要な考え方である。

ところが、とても重要であるのに、投資初心者にとっては理解することが容易ではない、という点で厄介な考え方でもある。

 

普通「リスクがある」というと、「危ない」「危険」「損する」などをイメージすることが多いだろう。

投資にはリスクがある、ということをよく、投資は危険、という意味で理解してしまう人がいるが、これは金融・投資の世界では間違った理解となる。

 

では、金融・投資の世界で「リスク」と何か。

この「リスク」は、いろいろな説明のされ方をしているが、一般的に「リスク」を説明する場合としては、「リターン(損益率)の変動幅(ぶれ幅)」という言い方をすることが多い。

ただ、「変動幅(ぶれ幅)」と言われても、ピンとこないかもしれない。

 

どういうことかというと、株式や債券などの金融商品は、今後、値上がりするのか、それとも値下がりするのか、この先の値動きは不確かな商品である。

そして、実際に値上がり、値下がりした場合、その値上がり率や値下がり率のことを、「リターン(損益率)」というが、その「リターン(損益率)」の大きさは一定ではなく、大きいこともあれば、小さいこともある。要は、変動するものである。

 

そして、その「変動する幅(ぶれ幅)」が小さいものを一般的に「リスクが小さい」と言い、大きく値上がりしたり値下がりしたりして、「ぶれ幅」が大きいものを「リスクが大きい」と言う。

金融商品の「リスク」という場合、この「ぶれ幅」を意味することが多い。

 

少し変わった説明をしてみよう。これは極端な例だ。

 

例えば、ある金融商品Xがあり、その価格は毎年必ず5%値下がりする、としよう。

100円だったものは、1年で必ず95円(100円-5円)になる。そしてその次の1年では、4.75円(95円×5%)値下がりして90.25円(95円-4.75円)になる。その次の1年も必ず5%値下がりしていく。すると10年後には必ず、約59.87円になる。

 

買えば必ず損をしてしまうこの金融商品Xのリスクは、この場合、大きいというのだろうか。

 

この場合、リスクを数学的に計算すると、実はリスクはゼロ、になる。つまりリスクはないということになる。なぜか?

 

それは、毎年必ず-5%というリターン(損益率)が決まっているからである。

毎年のリターン(損益率)の変動幅はぶれることなく、常に-5%。常に-5%なのだ。こういうときには、リスクはゼロということになる。

 

どうだろう。分かりづらいかもしれない。

 

しかし、必ず5%のマイナスになるということが分かっているのだから、何も不確かなことはないということになる。

そして、通常こういう商品は買わないという選択になる。

 

このようにリスクがゼロである場合は、リターンにぶれがない(常に一定)、確実に起こる、ということが分かっているので、選択が容易である。

 

しかし、通常、株式などの金融商品の場合、今後のリターン(損益率)がどうなるかは分からない。不確かである。

そこで金融・投資の世界では、過去のリターン(損益率)の実績を使って、変動幅(ぶれ幅)であるリスクを数学的に計算し表すことにした。

 

これによって、商品毎のリスクが比較できるようになる。

そして、金融・投資の世界では、この変動幅(ぶれ幅)を「標準偏差」という統計学の用語で表すのだが、これは覚えなくても構わない。

 

大事なのは、金融・投資の世界では、リスクとはリターン(損益率)の変動幅(ぶれ幅)の大きさ、ということを理解しておくことである。

 

さて、トリセツに戻ろう。

「投資リスク」のすぐ下に、「基準価額の変動要因」という見出しがある。

「ん?基準価額の変動要因?」とお思いになるかもしれない。ここで、このページの「基準価額の変動要因となる主なリスク」と書かれた表の欄外にある※印を見てみよう。

 

「※基準価額の変動要因(投資リスク)は上記に(以下省略)」とある。つまり、ここでは、一番上にある「投資リスク」とは、その次に書いてある「基準価額の変動要因」のこととして、説明されている。

そして、その説明には、「マザーファンドを通じて株式など値動きのある証券(外国の証券には為替リスクもあります。)に投資いたしますので、基準価額は、大きく変動します。」とある。

 

押さえておく必要があるのは、この投資信託(ファンド)の基準価額(日々の値段)は、「大きく変動します」というところである。

このことが下線部で具体的に説明されているのである。

つまり、元本の保証はなく、元本を割り込むこともあるが、レオス・キャピタルワークスの運用によって生じる利益は全て「お客様(受益者)」が享受し、生じる損失は全て「お客様(受益者)」が負担する、ということである。

 

大事な部分なので繰り返すが、この「ひふみプラス」は、元本保証の商品ではなく、国内外の株式など値動きの大きな証券に投資するので、基準価額は大きく変動する、ということが、投資リスクのところに書かれている。

そして、元本を割り込むことがあり、その場合は投資家がその損失を負担することになる、とある。実はこれも、ガイドラインに記載するように規定されている部分である。

 

ここで、投資初心者の方は怯んでしまうかもしれない。

リスクがある商品であり、元本を割り込むことがあるのなら、投資信託を買うのは止めよう。そう思う方がいるかもしれない。

 

しかし、リスクは、リターンのぶれ幅である、と上で説明した。

元本割れは絶対に嫌だ、という方は仕方ないが、元本割れの可能性はあるけれど、逆に大きくプラスのリターンとなることも期待できるのだから、ぜひ投資してみたい、という方もいるだろう。

 

そして、投資信託のリスクの大きさは、投資信託の種類によって様々である。リスクの大きなものもあれば、比較的リスクの小さいものもある。

 

ここまで読んで、果たして購入するべきかどうか、迷うところかもしれない。しかし、まだ「トリセツ」の4ページである。

いずれにしろ、ひとまず最後まで目を通してから判断しても遅くはないだろう。

 

次は「基準価額の変動要因となる主なリスク」の説明となるが、これは次回としよう。

 

 

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《著者紹介》
 土ノ江 健人
 長年、投信会社で、ファンド運用からファンド企画・管理、マーケティング等の投信業務に携わる。投信会社退職後は、それまで培った知識と経験、豊富な人脈を生かし、ファイナンシャル・プランナーとして今後、資産形成の中核となる投資信託のさらなる普及・拡大を目指して多方面で活躍中。

 

 

 

 

 

 

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