運用会社レポートピックアップ（10月13日～10月19日）

今年の世界経済は5.9%成長に小幅修正

日興アセットマネジメント

　IMF（国際通貨基金）は、10月12日に発表した最新の経済見通しで、世界の今年のGDP成長率を小幅に引き下げ、5.9％としました。感染力の強いデルタ型変異株の流行により、経済活動の完全な正常化が妨げられており、回復の勢いが衰えているとして、世界全体で0.1ポイントの下方修正となりましたが、それでも1980年以降で最も高い成長率となります。来年については、見通しを変えず+4.9%としました。

ノーベル物理学賞で関心高まる『地球温暖化』対策

三井住友DSマネジメント

　今年のノーベル物理学賞は真鍋淑郎氏らが受賞しました。真鍋氏が開発した気候モデルは、世界中で『地球温暖化』の研究が進むきっかけとなったものです。『地球温暖化』については、近年の猛暑や豪雨といった異常気象の頻発でも、身近に感じられるようになりました。SDGsへの関心が高まる中、今回のノーベル物理学賞の選定によって、『地球温暖化』対策への世界的な取り組みが一層進んでいくことが期待されています。

9月の都心オフィス市況と投資部門別売買動向

大和アセットマネジメント

　2020年のオフィス供給量は過去20年の中で2003年に次ぐ高水準となり、新築ビルへのテナント移転に伴う二次空室の発生によりオフィス空室率が上昇する大きな要因となりました。一方で2021年、2022年の供給量は過去平均と比べると大幅な低水準となり、2021年に供給される新規ビルのオフィス成約は順調に進んでいるとみられます。

スタグフレーション懸念後のこれからの世界

野村アセットマネジメント

　10月13日に米国で発表された9月のCPIは依然高い伸びとなったものの、S＆P500種株価指数は上昇しました。市場では景気後退と物価上昇が同時に起きるスタグフレーションを懸念する声もありますが、現在の経済指標を見る限り、そうした懸念は行き過ぎとみられます。

二極化しつつある新興国経済

インベスコ・アセット・マネジメント

　グローバルにインフレ率が高まる中、ブラジルやロシアなどアジア域外の新興国ではインフレの上振れに対して中央銀行が積極的な利上げによる対応を余儀なくされています。これに対して、アジアの主要国・地域では、インフレ懸念は比較的小さく、中央銀行が景気サポートに重点を置いた金融政策運営を実施できています。新興国における金融政策は二極化しています。

ブラジル・ビーフへの投資でアマゾンを守る

アライアンス・バーンスタイン

　ブラジルでは熱帯林の破壊が急速に進んでおり、気候変動の一因となっています。その主な原因は牛の放牧です。ブラジルの牛肉生産会社は、世界的に需要が高まる中で供給が制約されている商品を低コストで生産しており、魅力的な投資リターンにつながる可能性があります。

ドル高・円安進行の背景と当面の見通し

三井住友DSアセットマネジメント

　足元のドル高・円安の動きは、①9月のFOMCで、近くテーパリング開始の可能性が示唆され、同時に将来的な利上げ予想も示されたこと、②原油高がインフレを連想させたこと、この2点により、利上げの織り込みが一気に進んだことによるところが大きいと推測されます。

インフレ警戒感が拡がる一方、当局も対応に動き出す

日興アセットマネジメント

　中国や米国で足元、市場予想を下回る経済指標の発表が目立つ一方、世界的にインフレが加速しています。こうした中、景気の停滞とインフレが同時進行することを指す、「スタグフレーション」という言葉を耳にする機会が増えつつあります。

9月インドＣＰＩ上昇率は5ヵ月ぶりの低水準

ニッセイアセットマネジメント

　5月に一時40万人近くに達したインド国内の新型コロナウイルスの新規感染者数（7日間平均）は、9月末には約2.5万人に減少しています。感染の落ち着きで経済活動が正常化に向かい、野菜等の生産や流通網が回復したことが飲食料品価格の低下につながったものと思われます。

旅行指標を投資に役立てる

アライアンス・バーンスタイン

　米国では多くの人々がバケーションで外出することを再開していますが、欧州やアジアの観光地は比較的静かな状況が続いています。旅行関連のトレンドを把握すれば、投資家は世界のさまざまなセクターがパンデミックに伴う移動制限で受けた打撃から回復に向かっている様子を把握することができると考えています。

原油相場と株式相場の関係は？

野村アセットマネジメント

　原油高は株価にマイナスに働くのでしょうか。新型コロナウイルスを乗り越え需要が急回復しつつある今回と同じような局面の、リーマン・ショック後やチャイナ・ショック後のケースをみると、原油高・株高となっています。原油高は景気の回復を表している側面もあり、コスト増をそれを上回る需要増で吸収できるからこそ、原油高と株高が同時に起こりやすいと考えられます。

為替ヘッジコストについて

大和アセットマネジメント

　為替ヘッジにかかるコストは、理論的には「外貨の短期金利と日本円の短期金利の差」となりますが、各通貨の見通しや需給などの状況によっては、外貨の調達に対する上乗せ金利（ベーシス）が発生し、為替ヘッジコストは短期金利の差とかい離します。

中国経済は大丈夫なのか

三井住友DSアセットマネジメント

　一連の経済指標が示唆する中国経済の成長鈍化の背景には、夏場の新型コロナウイルスの感染再拡大、規制強化を受けた不動産投資の減少、9月に本格化した電力制限といった国内事情に加え、世界的な資源価格の高騰などがあると思われます。

インフレで企業収益はどうなる？

岡三アセットマネジメント

　世界中でインフレ圧力が高まる中、原材料価格や人件費の上昇によって企業収益が圧迫されるとの懸念がにわかに高まってきました。しかし、「足元のインフレ加速は一時的で、来年には安定に向かう」という主要中銀が描くシナリオが実現すれば、これらの収益圧迫要因は徐々に解消に向かうと予想しています。

9月米小売売上高 市場予想を上回る高い需要が示される

ニッセイアセットマネジメント

　デルタ株まん延による感染再拡大を受けて外出が抑制されたことや、9月上旬には追加の失業給付が期限切れとなったこともあり、市場では前月比でマイナスとなるとの見方が多かったものの、消費への需要が依然として高いことが示される結果となりました。