運用会社レポートピックアップ（10月6日～10月12日）

FRBが迎える変化の季節～金融政策にもたらす影響は？～

アライアンス・バーンスタイン

　市場では今、米国における量的緩和（QE）の移行プロセスに関心が集まっていますが、近いうちにもう1つの移行に注目が向かう見通しです。それは、米連邦準備制度理事会（FRB）の指導部に変化が生じる可能性があります。

岸田首相の経済政策－「分配による次の成長」を実現するために－

岡三アセットマネジメント

　10月4日、自民党総裁選で勝利した岸田文雄氏は内閣総理大臣に就任しました。当面は経済的な対応を含めたコロナ対策が優先されるため、新政権の経済政策が実体経済に影響を与える部分は限られるでしょうが、新型コロナ対策が一服すると、新政権の独自色が影響する度合いは高まっていくでしょう。今回は総裁選に向けて公表された「岸田文雄政策集」を確認してみたいと思います。

米ISM景況感指数 市場予想を上回り高水準を維持

ニッセイアセットマネジメント

　経済活動が順調に正常化に向かうなか、企業の活発な設備投資と堅調な需要が製造業活動の拡大要因となったとみられます。一方、非製造業では、新型コロナウイルスで感染力が強いデルタ株のまん延により、旅行や外食などのサービス需要の回復に遅延がみられたことなどから、製造業に比べ、拡大ペースが緩やかとなりました。

グローバル株式市場の当面の注目ポイント

インベスコ・アセット・マネジメント

　グローバルな株価の上昇にブレーキがかかりつつあります。今後、年内のグローバル株式市場においては、①デルタ株などコロナ問題による悪影響、➁中国経済の減速、➂先進国における景気のピークアウト、④インフレによる企業業績の圧迫―の4つが株価を抑制する要因になるとみられます。

東京23区のオフィス需給見通し

大和アセットマネジメント

　2021年～2025年に新規供給されるエリアは都心3区（千代田区、中央区、港区）に集中しており、内訳をみると、港区の比率が高まっています。2023年に竣工予定の大規模プロジェクト「虎ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発」などが、港区比率の上昇要因となっています。

金融所得課税と1億円の壁

三井住友DSアセットマネジメント

　岸田氏は、成長と分配の好循環に向けた政策の1つとして、「金融所得課税」の見直しを掲げており、足元の株安はこれを嫌気した反応との声も市場で聞かれます。金融所得課税とは、株式譲渡益や配当金などの金融所得に課される税金で、現在、税率は一律20%（所得税15%、住民税5%）です。

化石燃料の過度な敵視によるエネルギー危機のリスク

りそなアセットマネジメント

　化石燃料を敵視する風潮には、もはや誰も疑念を口にできません。IEA（国際エネルギー機関） は５月の報告書で 2026 年にかけて化石燃料への需要が減少する見通しを出し、化石燃料への投資を即刻停止することを勧告しました。しかし、そのわずか 2 カ月前には 2026 年にかけて化石燃料への需要は増加する見通しを出しています。

SDGsや気候変動問題が追い風、注目集める『水ビジネス』

三井住友DSアセットマネジメント

　世界的な水不足が深刻化しています。新興国での人口増加や生活水準の向上が主な原因ですが、地球温暖化による異常気象も、水不足を更に悪化させています。近年関心が高まりつつある持続可能な開発目標（SDGs）でも「安全な水の確保」が主要なテーマの一つとなっていることもあり、『水ビジネス』が注目を集めています。

気候変動対応がもたらす物価への影響

アセットマネジメントOne

　欧州で、天然ガスの価格が急速に上昇しています。足元では、ロシアのプーチン大統領が欧州への天然ガスの供給増を示唆したこと等により落ち着きつつありますが、今年の天然ガス価格の高騰は著しく、同先物価格は年初来で4倍以上上昇しています。

目線を変えれば別世界が広がる日本株

野村アセットマネジメント

　2021年も米国株は史上最高値を更新する流れが続いている一方、日本株はバブル崩壊前の高値を依然として抜くことはできていません。ただ、代表的な指数の動きだけをみて、本当に日本株は投資対象として魅力が低いといえるのでしょうか。

日本株を取り巻く国内外の懸念材料を整理する

三井住友DSアセットマネジメント

　相場の地合いが急速に悪化したのは、国内外の懸念材料が、複数重なったことによるものと推測されます。具体的には、①岸田首相が掲げる金融所得課税の見直し、②中国恒大集団の債務問題、③中国の電力不足、④米国の債務上限問題、⑤インフレ懸念、が挙げられます。

米国雇用統計 非農業部門雇用者数は市場予想を下回る

ニッセイアセットマネジメント

　失業率が低下する一方で非農業部門雇用者数の増加が伸び悩んでいることは、職探しを断念する雇用者が増加している可能性も考えられます。今回の雇用統計の結果はテーパリングに関するFRBの判断基準を満たしているとの見方が優勢になっています。

インカム資産としての豪州株の投資魅力再考

フランクリン・テンプルトン・ジャパン

　先進国株の中でも、豪州株の予想配当利回りは足元では4％近辺まで上昇しており、インカム資産としての豪州株の投資魅力が改めて高まりつつあります。足元の豪州企業の業績回復は、資源セクターと非資源（内需）セクターが両輪となって主導していることが特徴的です。

新興国市場が次のデジタル・フロンティアになる理由とは？

シュローダー・インベストメント・マネジメント

　人口の増加とデータセンターに対する強い潜在的需要を背景に、マレーシア、インドネシア、インドといった新興国市場が、次のデジタル経済のメガハブとなる可能性があるでしょう。ニューヨークのようにすでに高度に開発され、成熟したデジタルハブにでさえ、私たちが「デジタル・フロンティア」と呼ぶ投資機会は依然として多く存在します。新興国市場においては、ますます多くの投資機会があると確信しています。

岸田政権の新しい資本主義は「包摂的成長」を意味するのか

りそなアセットマネジメント

　重要なポイントは、分配政策を包含するのは当然として、もっと広範囲に人的資本だけでなく自然資本や社会関係資本にまでサステイナブルの観点を取り入れ、トレードオフとは正反対のトレードオン（同時達成が可能）を実現して、利害関係者全体のウェルビーイングを高める成長の質の改善することです。