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みんかぶプレミアムとは前回に続き中国株式市場の下落について取り上げます。2021年7月に大きく下落した香港ハンセン指数は7月27日にマイナス4.22%となり、報道や金融機関発行レポートでも地政学リスクによって大幅下落という見出しが散見されています。不安を煽る報道に恐怖を感じてる方も多いと思いますので、この価格変動リスクについて説明します。そもそもリスクとは上がったり下がったりする幅のことなので、日次でどれだけ変化しているのか確認しましょう。
(出所:リフィニティブ)
2021年7月27日に香港ハンセン指数は大幅に下落していますが、約1年前の2020年5月22日もマイナス5.56%であり、日次騰落率を確認する限り、この値幅は極端に珍しいものではありません。中国に限らず新興国では先進国に比べると価格変動リスクが大きくなります。
連載での繰り返しになりますが、個別国ではなく新興国全体に分散投資をすると、今回の中国株式市場のような地政学リスクの影響を下げることができます。日本から新興国にまとめて投資をすると、どのような国が入るのか確認しましょう。
(出所:MSCI Inc.「MSCI Emerging Markets Index Aug 2021」)
投資対象を決めている指数ベンダ(MSCI)は2021年8月末現在の構成国を中国33.94%、台湾14.82%、韓国13%、インド11.66%、ブラジル5%、その他21.58%としています。
これらの株式市場が国別にどのような変化を辿っているか調べてみましょう。
左上の中国株式は折れ線グラフの通り直近高値から大きく下落していますが、長期では経済成長と共に上昇を続けています。インドや韓国は上昇傾向で、中国と同じく地政学リスクが取り上げられることの多いブラジルは価格変動が大きくなっています。
(出所:リフィニティブ)
価格変動に一喜一憂しないためには単一国ではなく広く分散することがポイントであり、長期投資のコツであることがよくわかる事例だと思います。経済成長を重視しながらもリスクを抑えるために新興国全体へ、そして先進国も含めた全世界株へと範囲を広げて積立投資をすれば、数十年間放置した状態で資産形成ができるはずです。
新興国と先進国の比較も連載の中で行いますが、その前に海外投資の際に発生する為替リスクの説明として、次回は中国の為替制度を紹介します。日本の変動相場制とは異なる国が多くあるため特徴的な国を取り上げていきます。
❏長期投資のすすめ24~下落局面の中国株、金融相場と業績相場~
❏長期投資のすすめ10~新興国投資の大きなリスク「為替」との付き合い方~
配信元:ミンカブ・ジ・インフォノイド
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