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コラムトラックレコードに基づく毎月分配型投信の選び方

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2018/11/02 17:45

トラックレコードに基づく毎月分配型投信の選び方

【毎月分配型投信の現状】
一時は追加型株式投信の70%以上を毎月分配型が占める状況でしたが、2013年以降は、シェアが低下傾向にあり、直近では40%を割り込んでいます。2013年から2016年までは、毎月分配型投信が減少したというよりは、それ以外の投信の残高増加に伴うシェア低下でした。2016年以降は、毎月分配型投信の残高減少が顕著になっています。 

 

(出所:投資信託協会発表のデータより NTTデータ エービック作成)

 

高い分配率で人気の高かったファンドが相次いで分配金を引き下げたことが、残高減少のきっかけになったようです。これに加えて、「毎月分配するファンドは長期投資には向かない」との理由から、金融庁が進める「貯蓄から資産形成へ」の流れに反する存在と位置づけられ、つみたてNISAの対象ファンドから外れたことも要因となり、毎月分配型投信は、資産運用における悪者のような扱いを受けているのが実情です。

 


【「毎月分配型投信=悪」って本当?】
しかし、投信の分配金は、運用資産の払い戻し(定期的に運用資産を引き出すイメージ)であることを認識すれば、資産運用の一つの方法として有効です。あくまで、資産形成には不向きというのが正しい表現と言えます。とはいうものの、ピーク時のように追加型株式投信の70%以上が毎月分配型投信という状態は、明らかに行き過ぎです。①投資対象の特性等を考慮せず、明らかに高すぎる分配水準の一部ファンドへの資金集中、②分配原資の確保(実質的には高額分配の理由づけ)のために、複雑でリスクの所在が分かり辛いファンド(通貨選択型ファンドが代表例)の増加などは、その弊害の典型でしょう。現在は、行き過ぎた毎月分配型投信偏重からの修正局面と言えるのではないでしょうか?運用資産の一部を定期的に受け取りながら投資を続ける・・・そろそろ毎月分配型投信の原点に戻ってみても良い時期に来ているのかもしれません。

 


【正しい毎月分配型投信の選び方】
そこで、今回の記事の本題「毎月分配型投信の選び方」です。

毎月分配型投信の魅力は、何と言っても安定的に分配金が受け取れることにあります。つまり分配金の維持力がポイントです。一時期マネー雑誌等で各ファンドの分配可能額から、「あとどのくらいの期間、現行の分配水準を維持できるか?」を計算した「分配余力ランキング」が紹介されていました。しかし分配可能額は、あくまで会計上の数字であり、純資産のほかに原資が確保されているわけではありませんので、あまりあてにしない方がいいでしょう。

今回は、安定的な分配が見込めることの基準として、分配金のトラックレコード、つまり分配金の推移からファンドを選ぶことにしました。国内籍の毎月分配型投信が広まってから20年以上経過しており、長期の分配実績を持つファンドも多数存在しているので、ファンド選択には十分でしょう。それでは、選択条件を考えてみます。重要なポイントは、分配金の安定性なので過去10年間分配金を変更していない(引き下げも引き上げもしていない)ことを条件にしました。

 

ファンド名 運用会社

基準価額(円)

10/31現在

分配実績(円)

過去1年間合計

分配率
しんきん世界好配当利回り株ファンド(毎月決算型) しんきん 6,050 600 9.92%
日興・GS世界ソブリン・ファンド(毎月分配型) 日興 5,531 480 8.68%
ピクテ・インカム・アルファ・ファンド(毎月分配型)(インカム・アルファ) ピクテ 4,700 360 7.66%
新光ピクテ世界インカム株式ファンド(毎月決算型) AM-One 6,223 360 5.78%
日本Jリートオープン(毎月分配型) 岡三 6,231 360 5.78%
ドイチェ・ヨーロッパインカムオープン ドイチェ 9,553 440 4.61%
たんぎん世界好配当株式ファンド(毎月分配型)(ワールド・ドリーム) アムンディ 8,074 360 4.46%
アムンディ・世界好配当株式ファンド(毎月分配型)(グローバル・ドリーム) アムンディ 8,103 360 4.44%
パインブリッジ米国REITインカムファンドBコース(為替ヘッジなし)(バイリンガル) パインブリッジ 8,580 360 4.20%
世界ソブリン債券・日本株ファンド(毎月分配型)(夢航路) 三菱UFJ国際 8,548 300 3.51%

 

上記の表は、10年間分配金の変更なし、かつ直近(10月31日)の基準価額に対して1年間の分配額が3%以上のファンドです。1年間の決算回数は条件にしなかったので、毎月分配型以外の投信も含まれています。いずれのファンドも安定した分配金を目指すという分配方針を実現している投資候補ファンドとなります。

 

投資対象の資産は、海外債券や内外の株式、REITと様々です。債券は金利収入、株式とREITは配当収入、つまりインカムゲインが安定的な分配金の主な原資となる一方で、各資産の価格変動と外貨建て資産は為替変動が基準価額の変動要因になります。上記に上げたようなファンドから選ぶ際には、単純に分配金の水準でファンドを選ぶのではなく、投資対象の資産の特性や過去分配金込のトータルリターンなどを十分比較検討する必要があるでしょう。


 

出所:NTTデータエービック

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