自動運転車 “完全自動運転”に向け開発競争加速
自動運転車は、近い将来に巨大マーケットを形成することが必至とみられる。自動運転技術については、そのレベルによって0~5の6段階に分類されており、現在世界の自動車メーカーや大手IT企業がしのぎを削っている。業界の垣根を越えた合従連衡のもとで開発の主戦場となっているのが特定条件のもとで人間が運転に関与しない「レベル4」。そして、その先にある最終目的地は人間が全くハンドルを握ることがない“完全自動運転”の「レベル5」だ。
次世代高速通信規格の「5G」の商用サービスが世界で動き出しているが、高速大容量・低遅延・多数同時接続を強みとしており、これも自動運転を普及させていくプロセスで必須の環境となる。更に5Gの次なる世代である6G時代をにらみ、総務省が総合的戦略として「ビヨンド5G」の基本計画案を4月に公表した。この6Gについては「レベル4」以上の自動運転を導入していくうえで重要なインフラとなっていく。日本も世界の後塵を拝することのないように政府主導で積極的に取り組み、野心的ともいえる数値目標がビヨンド5Gの計画に盛り込まれている。
自動運転車の普及は移動手段としての便利さにとどまらず、人間に変わり人工知能(AI)が「認知」「判断」「操作」を一括して行うため、ヒューマンエラーによる交通事故の大幅削減にも貢献することになる。ただ、法整備の問題など越えるべき課題はまだ少なからず残されている。
スーパーシティ構想でも骨子に
5月27日にスーパーシティ構想を実現する改正国家戦略特区法が成立したが、ここでも自動運転はドローンの自動配送と並んで重要なキーテクノロジーに位置づけられている。また、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大もあって、ロボットタクシーのような運転手の存在しない「レベル5」の自動運転車へのニーズは今後一段と高まりをみせることが予想されており、株式市場でも改めて投資テーマとして脚光を浴びる可能性がある。
注目のモビリティ関連ファンド
注目のモビリティ関連ファンドは、グローバル・モビリティ・サービス株式ファンド(1年決算型)(グローバルMaaS(1年決算型))(日興)と次世代モビリティオープン(為替ヘッジなし)(岡三)の2ファンドだ。いずれもレーティングは最高評価の星5つだ。
グローバル・モビリティ・サービス株式ファンド(1年決算型)(グローバルMaaS(1年決算型))(日興)は、移動手段として、自動車などの「モノ」を提供する企業や、ライドシェアリングのように「サービス」を提供する、モビリティ・サービス関連企業(MaaS関連企業)の株式に投資を行なう。
組入上位には、電気自動車、エネルギー貯蔵システムの設計、開発、製造と販売を行うほか、太陽光およびエネルギー貯蔵製品のインストール、運営と保守を行う電気自動車メーカーである「テスラ(TSLA)」や、米国国防総省および国際連合政府に向けて、無人航空機システムおよび関連サービスを提供し、米国政府に向けて戦術ミサイルシステムおよび関連サービスを提供する「エアロバイロメント(AVAV)」、主要パソコン向けに双方向3Dグラフィックスを提供し、3次元(3D)グラフィックスプロセッサーと関連ソフトウエアの設計・開発・販売を手掛けるゲーム機器用半導体メーカーである「エヌビディア(NVDA)」などが組入上位に入っている。
次世代モビリティオープン(為替ヘッジなし)(岡三)は、次世代モビリティに関連する技術、製品、事業モデルの革新性、企業の成長性、収益性等に着目し投資をする。
組入上位には、自動車部品の設計・製造を手掛け、自動車と商用車業界向け電気製品、電子機器及び安全なテクノロジーソリューションズを提供する自動車部品メーカーである「アプティブ(APTV)」、米国の半導体企業である「ザイリンクス(XLNX)」、インターネット検索サービスGoogleを運営する「アルファベット C(GOOG)」などがある。
グローバル・モビリティ・サービス株式ファンド(1年決算型)(グローバルMaaS(1年決算型))(日興)は、大和証券など一部証券会社と地方銀行で取り扱われており、ネット証券での取扱はない。
一方次世代モビリティオープン(為替ヘッジなし)(岡三)はSBI証券や楽天証券といったネット証券や内藤証券、岡三証券、岩井コスモ証券など証券会社を中心に取り扱われている。
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配信元:ミンカブ・ジ・インフォノイド
関連銘柄
順位 | ファンド名 | 運用会社 | レーティング(1年) |
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1 | グローバル・モビリティ・サービス株式ファンド(1年決算型)(グローバルMaaS(1年決算型)) | 日 興 |
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2 | 次世代モビリティオープン(為替ヘッジなし) | SBI岡三 |
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このコラムの著者

みんかぶ編集室 (ミンカブヘンシュウシツ)
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