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みんかぶプレミアムとは今回は、前回の「投資リスク」の続き、「基準価額の変動要因となる主なリスク」から始めていこう。
しかしその前に、投資について、私の考え方を書いておきたい。
「投資リスク」の説明のところなので、ちょうどいいのではないだろうか。
資産形成には、大きく言えば、「投資」と「貯蓄」という2つの方法がある。
40年程度前なら、郵便局の定額貯金で8%程度の金利があった。この場合、
「貯蓄」をして、10年もそのままにしておけば、元本は約2倍になる計算だ。その当時の資産形成の方法としては、確かにこれで十分だったかもしれない。
しかし、今の預貯金金利は、郵便局の定額貯金もメガバンクの定期預金でも、0.002%が一般的な金利だ。
この金利水準で元本が2倍になるためには、34,000年以上必要となってしまう計算になる。
また、普通預金で1年後に手取り額10,000円(税金控除後)の預金利息を受け取るためには、当初元本はいくら必要か。計算してみると、12億円以上の元手が必要になる計算だ。現在はそれだけ金利が低い水準にある。
こういう時代にあっては、「貯蓄」だけでは資産形成は難しいことがお分かりいただけるだろう。
そこで、現在の資産形成には、もう一つの「投資」という方法が選択肢になり得る。
確かに投資には前回説明した「投資リスク」がある。
元本が保証されていないので、どうしても二の足を踏んでしまうかもしれない。しかし、その「投資リスク」を軽減する方法はあるのだ。
「投資リスク」がゼロになることはないが、少しでも「投資リスク」、価格変動のぶれ幅を減らしていく方法はある。
それが分散投資であり、その分散投資を積立という方法で、長期的視点を持って続けていくことにより、「投資リスク」を減らすことはできる。
これは「資産形成」の王道であり、誰もが身の丈に合った投資を始める上で、大事な考え方ではないだろうか。これについては、稿を改めて説明できればと考えている。
世界には、先進国と呼ばれる、既に成熟した経済状況にある国も多いが、一方で、まだまだこれからという成長中の国々も多い。
そして、世界中の人々は皆、誰もが平和で豊かな暮らしを望んでいる、と私は信じている。世界中の多くの人々が、それに向けて日々頑張っているのだと思う。
そうであるなら、政治的には複雑な事情も多々あるだろうが、世界が豊かで幸福な未来を実現するための後押しとして、「投資」という資産形成方法は一つの有力な方法ではないかと考えている。
そして、「投資リスク」を上手にコントロールしながら、投資信託という金融商品を活用して資産形成を図っていくことは、これからの時代に必要なことではないかと考えている。
閑話休題。話を元に戻そう。
「基準価額の変動要因となる主なリスク」のところには、4つの項目があり、5つのリスクが示されている。
前回述べたように、「投資リスク」イコール「基準価額の変動要因」とされている。
つまり、ここに挙げられている「株価変動リスク」、「流動性リスク」、「信用リスク」、「為替変動リスク」、「カントリーリスク」は、全て「ひふみプラス」の基準価額(日々の値段)が変動する要因になりうる、ということである。
「リスク」という言葉には、いろいろな説明がされると書いたが、金融商品の「価格変動のぶれ幅」という意味での「リスク」の他に、別の言葉で説明される「リスク」もある。
それは、よく「不確実性」という言い方がされる。
ここで、例示されている、「流動性リスク」や、「信用リスク」、「為替変動リスク」、「カントリーリスク」などは、その「不確実性」で説明した方が分かりやすいかもしれない。
例えば「信用リスク」の場合は、「リターンのぶれ幅」というと分かりにくくなる。
しかし、「信用リスク」を「信用の不確実性」というと、少しはイメージできるだろうか。「信用の不確実性」が高いという場合、貸したお金が返ってこない、投資した会社が破綻するなど、企業や国などの信用力が低いことを言う。
逆に「信用の不確実性」が低い、「信用リスク」が低いという場合は、会社が倒産する可能性は低く、貸したお金を返してもらえる可能性が高い、その信用が確実であり信用力のある状態を言う。「信用リスク」とは、ここでは、「信用力の不確実性」ということになるだろう。
「流動性リスク」にしても、「いつでも換金できることの不確実性」、「カントリーリスク」は、「その国の政治経済情勢などの安定度に対する不確実性」、「為替変動リスク」は「円と外国通貨の交換レートの安定度に対する不確実性」、などと言い換えることができるだろう。
いずれにしろ、投資信託に限らず、金融商品への投資や貯蓄には、リスクが伴うものと理解しておくことだ。
えっ?「貯蓄」にもリスクはあるのか?と思う方がいるかもしれない。
しかし、預けた金融機関が破綻するケースはある(金融機関の「信用リスク」)し、「外貨預金」を行っている場合は、「為替変動リスク」が付きものである。
ただ、「リスク」は「危険」という意味ではなく、「不確実なこと」であり、投資を行う際には、これらのリスクは全く管理できないものではなく、そのリスクをどの程度許容できるか、ということが大事であるということを確認しておきたい。
さて、「その他留意点」に移ろう。
最初の部分は、投資信託の購入の際には、訪問販売などに適用されるクーリング・オフという制度(契約の撤回や解除)は適用されない、という意味である。(「特定商取引に関する法律」第26条(適用除外)に該当)
次の部分は、マザーファンド、ベビーファンドに関連する内容である。
以前にも説明したが、この「ひふみプラス」が投資している「ひふみ投信マザーファンド」には、他に「ひふみ投信」と「ひふみ年金」という2つのベビーファンドも投資している。
この「ひふみプラス」だけでなく、これら他のベビーファンドにおいても、一度に多くの購入や売却(投資信託では、「設定」と「解約」と言う)があった場合、それに伴って「ひふみ投信マザーファンド」では株式の買付や売却が行われる。
株式の取引時には、売買委託手数料が発生し、売買に伴って組入れている株式の株価が大きく上下することも起こりうる。そういう場合には、「ひふみプラス」の基準価額に影響する場合もありうるということを言っているのだ。
そして、このページの最後、「リスクの管理体制」についてだが、ここは「レオス・キャピタルワークス株式会社」という「委託会社」のリスク管理体制のことが書かれている。短い文章だが、少しわかりづらいかもしれない。
言い換えると、「レオス・キャピタルワークス」では、株式などに投資を行う運用部門ではなく、それとは別の、リスク管理を担当する部門と委員会が、「ひふみプラス」の運用状況や運用成果など(「ファンドのパフォーマンス状況」のこと)、また投資リスクの状況や投資制限の遵守状況など(「運用リスク」)を把握し管理している、と言うのである。
そしてその結果は、運用部門や関連部署にフィードバックされる、ということが書かれている。
次回は、5ページの「投資リスク(参考資料)」に進んでいく。
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《著者紹介》
土ノ江 健人
長年、投信会社で、ファンド運用からファンド企画・管理、マーケティング等の投信業務に携わる。投信会社退職後は、それまで培った知識と経験、豊富な人脈を生かし、ファイナンシャル・プランナーとして今後、資産形成の中核となる投資信託のさらなる普及・拡大を目指して多方面で活躍中。
配信元:NTTデータエービック
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