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みんかぶプレミアムとは今回、取材したのは、世界最大規模の資産運用会社であり、古くから日本とも深いかかわりのあるJ.P.モルガン・アセット・マネジメント様です。世界のアクティブ運用会社の中でも屈指の資金流入額を誇る同社は、日本株運用でも50年を超える運用実績があります。日本との深いかかわりとは?長期運用中のファンドの運用実績は?インタビューにお答えいただいたのは、株式運用本部 ポートフォリオ・マネジャーの中山大輔様です。
-J.P.モルガングループは、非常に歴史が長く、日本とも深いかかわりがあるとのことですが、具体的にはどのような点でしょうか。
実は、J.P.モルガンと日本とのかかわりは深く、その歴史は1920年代に遡ります。関東大震災の翌年の1924年、J.P.モルガンは日本政府が最初に発行したドル債である1億5000万ドルの震災復興公債を引き受けました。この功績を称え、1927年にJ.P.モルガン・ジュニアと2人のパートナーが日本より勲章を授与されました。
-100年も前からとは驚きました。それゆえに日本株の運用でも長い歴史があるのでしょうか。
グループとしての日本株運用は、50年以上の歴史があります。また、J.P.モルガン・アセット・マネジメントは、日本市場に最も早く進出した外資系資産運用会社の一つで、1985年に日本法人の投資顧問会社を設立し、1990年に投資信託委託会社の免許を取得しました。日本においてはJPモルガン・アセット・マネジメント株式会社として資産運用業務を行っています。
-日本株アクティブファンドの代表的な銘柄といえば「JPMザ・ジャパン」がありますね。
20年前に運用を開始して以来、国内外のさまざまな出来事を乗り越えながら、今日に至っています。この間、パフォーマンスが良好だった局面もあれば、振るわなかった局面もありましたが、設定来で見るとベンチマークであるTOPIXを大きく上回って推移しました。
出所:ブルームバーグ、J.P.モルガン・アセット・マネジメント
グラフ期間:1999年12月15日(設定日)~2020年9月末(設定日の前営業日を100として指数化、月次)
「JPMザ・ジャパン」は、経験の長いプロフェッショナルで運用チームを構成しています。特徴の一つは、担当の銘柄や業種やセクターを特定していないことです。各人が、年間200社から300社への直接コンタクトや周辺調査等を通して、機動的に、銘柄の選定やテーマの共有などを行っています。
また、多様性も特徴です。日本株の運用チームは、日本をはじめ、8カ国の出身者から構成されています(2020年6月末時点)。また、女性も多く、色々な価値観、バックグラウンドを有するメンバーが在籍しています。加えて、グループ各国の運用拠点、リサーチ拠点の情報も活かしており、常にグローバルな目線を取り入れています。
ファンド管理、パフォーマンスに対する責任、クライアントとの直接的、間接的な報告など一気通貫で責任を持って取り組んでいますが、決して各人は縛られることなく、銘柄の決定や方向性、色付けなどは、個人の裁量で責任感を持って選別できる体制になっています。ワン・チームとして活動していますが、依存したり従属したりするのではなく、個人を重視した多様性を持ったチームといえます。基本的に上下関係はなく、非常に風通しの良い組織です。
-非常にユニークで、やりがいのあるチームといえそうですね。具体的にはどのように投資アイディアを発掘していますか?
私たちは、多様なバックグラウンドをベースとした“自由な発想”を心がけています。キーワードは「妄想力」です。長期のビジョンやビューについて、「こういうこともあるよね。」、「こうなればどうだろう?」など、日々、井戸端会議的にディスカッションしています。従来、ビデオ会議や電話、チャットなどで世界中のチームとコミュニケーションを行っていましたので、コロナ禍においても、より一層、緊密に連携を取っています。
長期の目線を持てる「妄想力」は、必ずしも、世の中のマジョリティが持つ考え方ではないこともありますので、時として大きなパフォーマンスに結びつくこともあるのです。
-フラットな組織の強みといえますね。そのような経緯でポートフォリオ構築のアイディアが醸成されていくのですね。
加えて申し上げると、投資アイディアを考える際に重要視しているのは、世の中全体のサイクル、つまり循環です。今、どのような局面にあるのかを相対的な視点で、循環からマクロ経済環境や業界動向、金融市場を捉えています。金利の上げ下げや業界動向などは、10年程度のサイクルがあると考えています。10年ごとに、大きな経済危機、金融危機が発生し、金利の方向性が変わって、世の中全体の大きなテーマが入れ替わるということが、過去30年を振り返ると概ね見てとれます。
-なるほど。では、世の中全体の循環と照らし合わせて、「JPMザ・ジャパン」のパフォーマンスはいかがでしょう。
振り返ってみるとサイクルと相対感をうまく捉えたときは、大きな成果をあげています。
まず、2003年から2005年ですが、当時は非常に厳しい環境でした。混乱のあとは、マクロが良くなっているか見えにくいのですが、低迷の中で、新しい市場が模索され成長したり、新しい試みが行われる流れが出てきます。
当時は、ADSL(高速通信)が普及するなどインターネット黎明期ともいえる時期であり、それにサービスや素材を提供する中・小型企業が出てきました。マクロが低迷する中で、大型株よりも中・小型の技術を持った企業や、システム、デジタルサービスに関連する会社が大きく伸びた時期でもありました。また、不動産の分野では、ノンリコースローンが出てきたことで、リノベーションをして転売するようなアセットマネジメント系の不動産会社など、高成長の新しい産業を専業にする中・小型企業も出てきました。それら中・小型株への集中投資がパフォーマンスを大きく押し上げました。2000年代の大きな流れとして、新興国の成長と資源・コモディティにも注目していたので、2005年からは、中・小型株を減らして、コモディティ関連、商社、建機などを組入れ銘柄に増やしました。このように、ファンドの分類としては、単純なテーマ型でもなく、小型成長株ファンドでもないことがお分かりいただけると思います。
次に、2012年から2013年についてです。以前から、サイクル(循環)の視点で、日本にデフレ脱却が起きると考えていました。その一つのシグナルと捉えたのが、2012年2月のいわゆるバレンタイン緩和です。その後、メガバンクの増資などもあり、いよいよ日本の金融政策が変わるきっかけになるのではないかと期待してみていました。2012年11月に当時の野田首相が解散総選挙を決めたことで、日本のデフレ脱却が加速するとの確信をもったのです。その結果、不動産や金融といった、それまでデフレ、円高で厳しかった企業を買い、それがパフォーマンスに大きく寄与しました。
-たしかに、2012年から2013年の高パフォーマンスが注目され、純資産も大きく伸びましたね。しかし、その後、パフォーマンスが振るわない時期もあったかと思います。
デフレ脱却の視点として不動産・金融中心のポートフォリオを構築していたのですが、市場物色の対象が、陸運や食品、小売りに広がりました。この時期、さらに金利が低下したことで、ミニマムボラティリティや債券代替投資といった資金が向かった先がこれらの業種でもあったのです。変化率や成長性もあまりない銘柄がよく上昇しました。「2014年から2015年は、流入とその後の流出で、苦戦されたのですね。」とよく言われるのですが、実際には、ポートフォリオのスタンスに対しマーケットが逆風だったと認識しています。
-現在は、どのような点に注目してポートフォリオを構築しているのでしょう?
2年ぐらい前から、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)というテーマを掲げています。生活の質、社会の質が変化、向上しており、それに貢献する企業は、成長をするでしょうし、社会にいい影響を与えるとの観点でポートフォリオを構築しています。
具体的には、経済活動ではデジタル化、効率化、エンターテイメント、健康寿命を延ばすことに寄与する先進医療などです。また、技術動向や経済的観点だけでなく、ESGの観点から、短期の利益主義や株主至上主義的な考え方だけでなく、長期でライフサイクルバリューの最大化に寄与する企業の重要性、成長性が、より高まっているのではないかと考えています。
-現在、米国を中心とした外国株式ファンドが人気ですが、今、日本株ファンドに投資する意義をどう考えればいいのでしょう。
決めつけや思い込みではなく、多様な目線で長期的にみることが大切だと考えています。単にお金が増えるというだけでなく、自分の投資が、日本の経済や企業に、どんな影響や効果があるのかとういう観点で日本の企業に投資する意義を再認識いただければ、目線も変わるのではないかと思います。
また、日本では、以前と比べて若く優秀な方が起業するケースが増えています。ESGの観点からも「世の中に貢献しないといけない。このままではまずいぞ。」ということで自分がなんとかしようと行動を起こしているのです。加えて、エンジェル的な資金が若い方々に向かう循環もできつつあり、新しい会社が成長する土台ができてきています。大きな会社でも、ガバナンスの改革やESGの視点、ROEの向上などで、業績拡大のチャンスは、まだまだあるでしょう。
このように、日本にも新しい投資機会がたくさんあると考えていますので、そういった銘柄をピックアップしている投資信託と付き合うことは、資産形成や運用をする上で、非常に有意義と言えるのではないでしょうか。
ファンドのポートフォリオが長期目線で構築されているだけに、ファンドのパフォーマンスを享受するには、短期的な損益に左右されない長期スタンスが重要でしょう。また、比較的価額の変動が大きいというファンドの特性からも積立投資向きであるとも考えられます。米国を中心とする外国株式ファンドに資金が向かっている今だからこそ、長い運用成績があり、好成績を残している日本株アクティブファンドへの投資を検討するのは、資産分散の観点からも有効と言えるのではないでしょうか。
配信元:NTTデータ エービック
順位 | ファンド名 | 運用会社 | レーティング (1年) |
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1 |
JPモルガン
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2 |
JPモルガン
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3 |
JPモルガン
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JPモルガン
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