『資金流入は6年ぶりに1兆円超え』～2021年11月資金流出入状況から～

2021年11月の投資信託の概況が投資信託協会から発表されました。
公募株式投信（ＥＴＦ除く）の設定額から解約額と償還額を差し引いた資金増減額は、1兆0,162億円増となりました。

運用増減額が大幅マイナスで純資産総額は減少

設定額から解約額と償還額を差し引いた資金増減額は、1兆0,162億円増と高水準でしたが、運用増減額が1兆4,122億円のマイナスとなり、純資産総額は、6,633億円減少しました。結果、純資産総額は85兆1,306億円となりました。

2021年11月の月間設定額2兆9,882億円は2015年6月以来、資金増減額1兆0,162億円は2015年3月以来の高水準です。

国際債券型が資金流入に転じる（投資対象資産別）

国際株式型ファンドには、前月比約2倍の資金が流入し、全体の資金流入額の大半を占める状況が続いています。

11月の投資対象別資金流出入額で注目されるのは、国際債券型です。

前月、約400億円の資金流出だった国際債券型ですが、11月は約1,000億円の資金流入に転じています。

国際債券型の資金流入を押し上げたのは、11月に新規設定された「ＧＳグローバル・ターゲット戦略債券ファンド２０２１－１１（限定追加型）」です。

「ＧＳグローバル・ターゲット戦略債券ファンド２０２１－１１（限定追加型）」は、ファンドの信託期間内に満期を迎える債券に投資し、各債券の満期日まで保有する「持ち切り運用」が特徴です。

11月は、当初募集と継続募集合わせて、1,279億円を集めています。

資金流入額が1兆円を上回ったのは、2015年3月以来です。

そこで、2015年3月と2021年11月の資金流入額上位ファンドを比較してみたいと思います。

2015年3月は、資金流入額上位10ファンドの内、7ファンドが毎月分配型ファンドが占めています。投資対象は、国内株式、グローバル株式、新興国株式、グローバル債券、REIT、バランスファンドと多岐に渡っています。

2021年11月は、毎月分配型は2ファンドとなった一方で、投資対象は、米国およびグローバル株式が10ファンド中、9本と国際株式型への集中が顕著になっています。

2015年3月　資金流入額上位10ファンド

2021年11月　資金流入上位10ファンド

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