『純資産総額は4か月ぶりに過去最高額を更新』～2024年10月資金流出入状況から～

2024年10月の投資信託の概況が投資信託協会から発表されました。
公募株式投信（ＥＴＦ除く）の設定額から解約額と償還額を差し引いた資金増減額は、7,269億円増となりました。

運用による増減額が大幅増加

2024年10月は、設定額3兆2,901億円、解約額2兆4,881億円、償還額751億円で7,269億円の資金流入となっています。設定額は、前月より増加したものの、解約の増加額が上回り、資金流入額は、7,269億円に留まり、今年、初めて1兆円を下回りました。

一方、運用による増減額は、5兆8,580億円と2023年11月に次ぐ高水準となりました。結果、純資産総額は前月比、6兆3,738億円増加し、135兆7,434億円となり、過去最高額を更新しました。

前月のレポートに続いて、今月も純資産上位10ファンドの設定・解約の推移を確認しました。

ファンド全体では、前月より設定額は増加したものの、解約額がそれ以上増加した結果、資金流入額は減少しました。

上位10ファンドの9月と10月の設定・解約額を見ると、全てのファンドが、10月は9月に比べて、設定・解約額ともに増加しています。ファンド全体と同じように、解約額の増加額が設定額の増加額を上回ったのは、下記の6ファンドです。

「ＳＢＩ・Ｖ・Ｓ＆Ｐ５００インデックス・ファンド（ＳＢＩ・Ｖ・Ｓ＆Ｐ５００）」

「楽天・全米株式インデックス・ファンド（楽天・ＶＴＩ）」

「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Ｂコース（為替ヘッジなし）」

「ｎｅｔＷＩＮ ＧＳテクノロジー株式ファンドＢコース（為替ヘッジなし）」

「グローバルＥＳＧハイクオリティ成長株式ファンド（為替ヘッジなし）（未来の世界（ＥＳＧ））」

「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド（毎月分配型）」

資金流入額上位の常連ファンド「ｅＭＡＸＩＳ Ｓｌｉｍ米国株式（Ｓ＆Ｐ５００）」、「ｅＭＡＸＩＳ Ｓｌｉｍ全世界株式（オール・カントリー）」、「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Ｄコース毎月決算型（為替ヘッジなし）予想分配金提示型」、「インベスコ世界厳選株式オープン＜為替ヘッジなし＞（毎月決算型）（世界のベスト）」は、解約額が増加したものの、設定額がそれ以上に増加しています。

ファンド全体でみれば、投信への資金流入傾向が曲がり角に来ているようにも見えますが、投資家の注目が高いファンドを見る限り、資金流入動向には大きな変化は起きていないと言えそうです。

純資産上位10ファンドの設定・解約額の推移（単位：億円）

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