テーマ型投資信託はダメなのか? ファイナンス理論から読み解く

巷にはテーマ型の投資信託はダメだという意見があります。その理由としてあげられるのは、
①分散効果が弱い(銘柄が限定される)
②長期投資に向かない
③コストが高い
というものです。ファイナンス理論に、ランダムウォーク理論というものがあります。これは金融市場の価格は全くでたらめな動きが連なって形成されている、という考え方です。でたらめ故に予測ができない。なぜ予測ができないかと言うと、そこには既にわかっているような原因がないから。予測とは原因らしきものを見つけてきて、それが引き起こすであろう結果を推測することですが、この原因がわからず、偶然の作用によって、ただ結果だけが生じるように見えるランダムな現象は予測しようがないと考えているのです。
ランダムウォークを仮定すれば、相場の変動は利益を生み出すかも知れないし、損失を生み出すかも知れない。上がるか下がるかを断定的に予測することはできないのだから、利益と損失のどちらかが生まれるかを事前に判別することはできない。利益を有無可能性と損失を有無可能性は同じものの表裏一体であり、決して切り離すことはできないのです。
リスクはどう取ればいい?
だから、リスク、すなわち損失の可能性を抑制すれば、それは利益の可能性を失うことを意味します。利益の可能性を追求すれば必然的にリスクが生まれます。リスクは抑制すべきものなどではなく、適切に取らなければいけないものだということです。
こうした現代ファイナンス理論の教えるところでは、個別の投資行動によって利益を得られるかどうかは、単に偶然に左右されるということになります。
効率的市場仮説とは
しかしながら、このランダムウォーク理論には前提条件があります。それは市場は効率的であること。効率的市場仮説と言われるものですが、ここでいう「効率的」とは、今現在、利用可能な情報が、市場価格には既に適正な形で織り込まれているという意味です。理論的に、情報の流通コストがゼロ、取引コストがゼロで、かつ大勢の投資家がいて彼らが合理的に行動すると、市場は効率的になると考えれています。
現実は、どうでしょうか。優れた投資家は様々な情報を集めてきて、相場の先行きを読みます。たとえば、原油価格が上がったら、どういう銘柄が上昇しやすいのかといった関係式がたくさん頭に入っていて、ありとあらゆる情報とそうした関係式を組み合わせて、今どのような戦略が最も有効化を判断しているのです。実施の相場変動の中には、一見ランダムに見えながらも、わずかに将来の値動きにつながる情報があるらしいのです。
アノマリーの存在と市場の効率化
特定の手法の期待リターンが高くなることをアノマリーといいます。原則から逸脱する例外的な事象や、説明できない特殊事例のことを指す言葉です。このアノマリーが存在するとすれば、それは標準的なファイナンス理論が完全ではないことを示唆します。これは、市場はただ市場であるというだけで効率的になるわけではない、すなわち、市場であるというだけで自動的に効率的になるわけではない、ということを表しています。賢明で貪欲な投資家が大勢しのぎを削ることでアノマリーは消えていき、その結果として、効率的になっていくのです。つまり十分に整備され、数多くの投資家が自由に参加する市場であれば、効率化へと向かうのです。
インデックス投資の隆盛がアクティブファンドを鍛える
ランダムに動き、予測のできない市場を相手にするのであれば、手間がかからずコストが安く済むインデックスに投資をするのが良いと考えるインデックス投資。しかしながら、相場のアノマリーを、アクティブファンドを否定するインデックスファンドの隆盛により、アクティブファンドを運用するファンドマネージャーたちが鍛えられるということも逆説的ではあるが、あると考えられます。インデックスファンドの隆盛とともに、賢明で貪欲な投資家はますます、賢明かつ貪欲に相場の裏をかこうと凌ぎを削っていくのです。
大勢が注目するテーマに注目しよう
大勢が注目するテーマほど、また多くの情報が利用可能で、時間と手間暇をかければ比較的正確な予測を導き出せるようなものほど、市場の予測精度は上がっていくと考えられます。
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みんかぶ編集室 (ミンカブヘンシュウシツ)
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