長期投資のすすめ7~債券ってなんだろう?~

前回は「先進国」にお金を貸す方法を紹介しました。国債と、それを組み込んだ投資信託を通じて実現します。ところで、国の発行する債券である国債、そもそも債券への投資はどのようなリターンが得られるのでしょうか。株を購入して「持ち主になる」のはイメージがつきやすいと思います。購入時点から株価が上昇していればプラスになります。これに対して、債券を購入して「お金を貸す」方法は少し理解するのが難しいかもしれません。本日は、そもそも債券とは何かから考えてみたいと思います。
お金を借りたり貸したりする際に借用書を発行します。債券とは売買できる借用書です。もし、銀行やカード会社からお金を借りたとします。急に先方の都合で早く返してと言われたら困りますよね。ただ、お金の貸し手の側の立場に立ってみると様々な事情があるはずです。これが債券であれば別の誰かに売却して現金化することができるのです。
もし手元にあるスマホのアプリから証券や銀行で投資信託を買うと、100円からこの債券を積み立てることも可能です。投資信託という箱の中に先ほどの借用書が入っているのです。国債以外にも市債や府債や都債もあります。国や市や府や都が発行する「債」、つまり借金のことですが、この借用書が世界中の様々な人の手に渡る前提になっているのです。スマホから数クリックで世界中の国にお金を貸せるなんて凄いことですね。
世界の金利
金利が世界の先進国から無くなっている話は何回か紹介しましたが、それでもまだ先進国以外には金利があります。2020年12月28日現在の中央銀行が発表している政策金利を調べてみましょう。
いくつか数字が並んでいますが、「インフレ」・「消費者物価」という言葉はとても重要なのでまた別の機会に紹介します。今回はオレンジ色になっている政策金利を見てください。アルゼンチン・トルコ・ナイジェリアはもの凄く高い金利ですね。それに対して先進国はゼロ金利中心になっており大きな差があります。
前に取り上げた先進国をカバーしている世界国債インデックスを振り返ってみましょう。
北米 | アメリカ・カナダ |
欧州 | オーストラリア・ベルギー・デンマーク・フィンランド・フランス・ドイツ・アイルランド・イタリア・オランダ・スペイン・スウェーデン・英国・ポーランド・ノルウェー |
アジア・オセアニア | オーストラリア・シンガポール・マレーシア |
中南米 | メキシコ |
中東 | イスラエル |
(出所:FTSE Russell)
外債として日本でも大人気のトルコやブラジルはこちらのインデックスには入っていないことがわかります。新興国という別のカテゴリーです。これは単に地域が違う以上にリスクも大きな差があるのです。先ほどの政策金利リストを見ると、金利が高い国に投資をすれば儲かりそうな気がしますよね。
でもなんでマイナスになっている日本やスイスへ投資する人がいるのでしょうか。次回は新興国への債券投資について考えてみたいと思います。
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配信元:ミンカブ・ジ・インフォノイド
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みんかぶ編集室 (ミンカブヘンシュウシツ)
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