注目を集める「世界のベスト」
MINKABU投信の人気ランキングで上位にランクされている「インベスコ世界厳選株式オープン(世界のベスト)」は、2023年の年間人気ランキングでトップであり、2023年年間で最も資金が流入したファンドです。
MINKABU投信人気ランキング(2023年12月末)
2023年 年間資金流入額 上位5ファンド(2023年12月末)
単位:百万円
- NTTデータエービックのデータをもとにみんかぶ投信作成
今回は「インベスコ 世界厳選株式オープン(世界のベスト)」を徹底分析し、その人気の背景と今後について検証します。
「世界のベスト」シリーズの概要
運用方針
- マザーファンドへの投資を通じて、日本を含む世界各国の株式(エマージング国を除く)を主要投資対象とし、独自のバリュー・アプローチによりグローバル比較でみた割安銘柄に分散投資し、信託財産の長期的な成長を目指す。
- 銘柄選択にあたっては、独自の財務分析、経営力、ビジネス評価等ファンダメンタルズ分析と株価の適正水準評価等に基づきボトムアップ・アプローチを行う。
「世界のベスト」シリーズは、為替ヘッジの有無と決算頻度(分配方針)の異なる6ファンドで構成されています(2024年1月末現在)。
純資産総額が、最も大きい「インベスコ世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)(世界のベスト)」の、設定来の運用状況等を確認します。
インベスコ世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)(世界のベスト)の運用状況
- NTTデータエービックのデータをもとにみんかぶ投信作成
ファンド設定時の決算回数は、年2回で、決算時点の基準価額の水準に応じで分配する方針でした。2016年9月に約款を変更し、毎月決算型となり、2017年からは、毎月分配をしています。
毎月決算型に移行した2017年から、純資産総額が徐々に増加し始めていますが、目に見えて増加し始めたのは、2021年からです。また、2022年から増加ペースが加速しています。
分配金は、2017年以降、ボーナス分配を除くと、1万口あたり150円で変化していないので、分配金の増加などが純資産急増の要因ではなさそうです。では、どういった背景があるのでしょうか。
「世界のベスト」の人気(資金流入)の背景に好パフォーマンスあり
2021年以降のパフォーマンスを、他のグローバル株式ファンドと比較したのが下のチャートです。
比較対象は「インベスコ世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)(世界のベスト)」を含む純資産総額上位5ファンド(※)です。
- NTTデータエービックのデータをもとにみんかぶ投信作成
- ※ 抽出条件:NTTデータエービック Fund Monitor分類の中分類でグローバル株式型に分類されるファンド(2023年12月末基準)
インフレ懸念が台頭し、先進各国が金融引き締めへと向かう中、「インベスコ世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)(世界のベスト)」は、相対的に良好な運用成績を残しています。
最近の純資産総額の背景には、好パフォーマンスがあるといえるでしょう。
人気の投資資産の変遷
「世界のベスト」の設定は1999年1月17日です。運用期間は、25年超の長寿ファンドですが、純資産総額が増加傾向となったのは、直近5年間です。なぜ、それまで純資産総額が増加しなかったのでしょうか?
要因として、「世界のベスト」設定時から長い期間、投資家のグローバル株式に対する関心が決して高くなかったことが考えられます。
投資家の人気の推移を、純資産総額上位10ファンドの主要投資対象資産で確認してみましょう。
2000年末、純資産総額上位10ファンドの投資対象資産の89%が国内株式となっています。
「世界のベスト」の設定当時、最も人気があった資産は、国内株式でした。
10年後の2010年末では、投資対象資産は、大きく様変わりし、海外資産が占めるようになります。
しかし、資産の中心は、債券であり、グローバル債券、資源国債券、新興国債券、ハイ・イールド債券を合わせると、78%になります。
国内では超低金利が長期化しており、内外金利差に着目した外債投資が主流だったのです。
一方で、グローバル株式は10%に満たない水準にとどまっています。
さらに10年後の2020年では、海外資産は債券から株式に変わりました。
ここでグローバル株式が、純資産総額上位10ファンドの投資対象資産の50%を超えるようになりました。
人気ファンド、人気の投資対象は時代とともに変化し、現在では、長期の資産形成のための投資先として、様々な国や地域に分散して世界経済全体の成長を享受することが期待できる、グローバル株式の人気が高くなっています。
「世界のベスト」は、25年以上の運用実績があり、その間、ITバブルの崩壊、9.11同時多発テロ、リーマンショック、コロナ禍など、幾度となく大きな調整局面、相場の転換点を乗り越えて好成績を残しており、単に足元の好パフォーマンスだけでなく、長期的なパフォーマンスも十分に期待できるファンドとして再評価されていると思われます。
インベスコ世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)(世界のベスト)
- ベンチマーク:MSCIワールド・インデックス(円換算指数)
- インベスコ・アセット・マネジメント作成の月次レポートより、抜粋
資産形成のポイントーコストで選ぶ?リターンで選ぶ?
新NISAのスタートを控え、インデックスファンドのローコスト競争が再燃しており、一部には、一層のコスト低下を歓迎する声も聞かれます。
「ローコストのグローバル株式インデックスファンドを長期保有するのが、長期の資産形成に最も有効な手段」とする評論家の方も多いようです。
- アクティブファンドは、一般的にインデックスファンドより信託報酬が高いが、インデックスファンドより運用成績がいいとは限らない
- どのアクティブファンドがインデックスファンドより運用成績が良くなるか分からないので、インデックスファンドを選択するのが最良の選択肢
- インデックスファンドの優劣を決める最大の要素はコスト(信託報酬)なので、信託報酬の安いファンドを選ぶ
これらは、運用コスト(信託報酬)を重視してインデックスファンドを勧める人の主な意見ですが、本当にそうでしょうか?
ポイントは「どのアクティブファンドがインデックスファンドより運用成績が良くなるか分からない」だと考えます。
例えば、今後1年間の運用成績の良し悪しとなると、確かにどのファンドが良いか判断するのは困難です。
なぜなら、ファンドの選択以前に、まず今後1年間の投資環境を想定しなければならず、さらにその想定した投資環境下で良好な運用成果を残すと考えられる特性を持つファンドを選ぶ必要があるからです。
それでは、長期の運用成果で見た場合はどうでしょうか?
資産形成を目的とする場合の運用期間は10年、20年の長期にわたります。その間、様々な投資環境が訪れるため、短期的に見るとファンドの運用成績には大きな変動が起こる場合がありますが、一方で長期的に見ると市場全体に対して良好な成績を残していることもあります。こうした視点から、過去の長期的な運用実績からファンドを選択することもできるのです。
コスト(信託報酬)は、ファンド選択の重要な要素であるに違いありません。しかし、資産運用で最も重要なのは、コストではなく「リターン」です。
コスト(信託報酬)の水準のみに注目したファンド選びは、より良い運用成果を放棄してしまう可能性があるので、注意が必要です。
「世界のベスト」良好な運用成績の秘訣
設定来の運用状況と純資産総額増加の背景をみていきました。
それでは、今後も良好な運用成績を期待できるでしょうか?
運用会社であるインベスコ・アセット・マネジメント様に「世界のベスト」についてお伺いしました。
取材した内容は、「投資哲学」「運用体制」「運用プロセス」です。
投資哲学について
運用における着眼点は「株式投資の王道」
「世界のベスト」は、3つのポイントに着目して運用を行っています。
【成長】
高い競争優位性、健全な財務体質を有し、景気動向に左右されずに成長が期待できる企業に着目します。独自の視点で企業調査・分析を徹底的に行い、1つ1つの企業を丁寧に選ぶボトムアップ・アプローチにより、企業の成長を取り込むことを目指します。
【配当】
継続的な配当や増配など“質の高い配当”を行うことができる企業に着目します。
【割安】
企業の本質的価値に比べて、長期的視点から見た株価水準が割安であると判断する企業に着目します。
運用体制について
(1)運用に集中できる活動拠点
「世界のベスト」の運用チームの活動拠点は英国にあります。英国に運用拠点があると聞くとロンドンのシティをイメージする方が多いかもしれませんが、インベスコの株式運用の拠点はロンドンから西に60Kmほど離れた、非常に緑の多い、ゆったりとした雰囲気のヘンリー・オン・テムズという場所にあります。
ロンドンのシティなど都会の喧騒から距離を置くことで、思考の面でも短期的なノイズから距離を置いて、ゆっくりとグローバル経済を俯瞰して、運用に集中できる体制をとっているのが特徴です。
インベスコ・グループが「キャンパス」と呼んでいるオフィスには、グローバル株式の運用チームだけでなく、欧州株式の運用チームやアジア・新興国株式の運用チームなども在籍しています。
各チームの定期的なミーティングに加え、「キャンパス」内には、インベストメント・ハブと呼ばれるエリアがあり、気楽に会話やミーティングができるオープンスペースがあります。またカフェテリアや庭園などでもコミュニケーションを取ることができるスペースもあり、気軽に意見交換などができる環境が整っています。
「キャンパス」内の庭を歩きながら投資アイデアの議論をするようなこともあるようです。
(2)少数精鋭の運用チーム
運用体制は、運用者4名、アナリスト3名、プロダクトスペシャリスト2名の計9名で構成されています。「少数精鋭」のチームで運用することで、円滑なコミュニケーションが取りやすく、迅速で質の高い情報共有が可能になることが、適切な投資判断につながっているようです。
「少数精鋭」のチームのメンバーが収集した情報などに基づいた議論を通して、投資アイデアを発掘し、徹底的な企業調査や分析・評価した上で、投資銘柄を厳選していることが、「世界のベスト」の運用成績につながっているのではないかと思っています。
また、全員が徹底的に運用プロセスを共有していますので、万が一、誰かが抜けても再現性があり、DNAが引き継がれていくものと思われます。
運用プロセスについて
徹底的な調査・分析によって投資先企業を厳選
投資国・地域や投資テーマ・業種などに特定の制限を設けていません。幅広い投資対象企業の中から、 経済状況や市場環境の変化をいち早く捉えた投資アイデアに基づき、株式投資の王道にこだわって、確信度の高い銘柄だけに厳選投資しています。
世界のベストの運用プロセス
- 参考:インベスコ・アセット・マネジメント
- ※1 出所:WORLD FEDERATION OF EXCHANGES 、LSE Group London Stock Exchange。2023年11月末現在(LSE Group London Stock Exchangeは2023年12月末現在)。
- 先進国の企業数は以下の証券取引所の上場企業数を合算することにより21,266社と算出。当数字は、以下の各証券取引所の上場企業数を合計したものであり、重複上場を考慮していません。
- 北米: NYSE、Nasdaq、TMX Group。アジア太平洋: ASX Australian Securities Exchange、Hong Kong Exchanges and Clearing、Japan Exchange Group、Singapore Exchange。欧州: Euronext、BME Spanish Exchanges、Deutsche Boerse AG、LSE Group London Stock Exchange。
- ※2 ポートフォリオの銘柄数は運用状況に応じて変わります。
- 上図の運用プロセスは、2023年12月末現在のものであり、今後変更となる場合があります。
- 上図は運用チームによる企業分析・評価における着目点の例を示したものであり、すべてを網羅したものではありません。
世界の先進国企業約20,000社から、投資アイデアの発掘、企業調査や評価・分析などファンダメンタルズ分析を経て、 約40-50銘柄を厳選して投資を行ってます。
銘柄の厳選においては、ビジネスの競争優位性、財務健全性等に対する分析や経営力、および株価の適正水準など の評価を行い、1つ1つの銘柄を丁寧に選ぶボトムアップ・アプローチよって企業の見極めを行っています。
長期の運用実績のあるファンドを選んで、「素晴らしい投資体験」を
「インベスコ世界厳選株式オープン(世界のベスト)」の運用における最大のポイントはファンド名にもあるとおり“厳選”にあるといえそうです。投資対象となる先進国の企業数は約20,000社とのことです。
そこから40~50社まで“厳選”するプロセスを、少数精鋭の運用チーム全員が共有し、そのDNAが引き継がれていく・・・それであれば、これまでのような好成績を今後も期待できるのではないでしょうか。
2024年から始まる新NISAでは、非課税保有期間が無期限化されます。新NISAでの投資は、長期投資が前提となることから、長期の運用実績があり、かつ、今後もそれが持続することが期待できるファンドを選ぶべきでしょう。
「世界のベスト」シリーズでは、「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(年1回決算型)」と「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジあり>(年1回決算型)」が、新NISA対象ファンド(※)となっており、また2023年9月22日には「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(奇数月決算型)」と「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジあり>(奇数月決算型)」が設定されており、新NISA対応予定ということで、一選択肢として考えてみるのも良いでしょう。
取材の最後にインベスコ社のパーパス(存在意義)を教えて頂きました。
「インベスコは運用会社なので、本来なら“投資経験”のところは“投資パフォーマンス”となりそうですが、資産運用会社が提供できるものは金銭的価値だけではないと思っています。正しい投資の知識を身に着け、必要な資産を築いていくことで、より豊かな人生を歩んでいくことができる。私たち資産運用会社は、その一助になることがなることができるし、むしろそうあるべきだと強く信じています。」
「世界のベスト」で素晴らしい投資体験の一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
ファンドの詳細・リスク・費用はこちらから
https://www.invesco.com/jp/ja/individual-investor/funds/featured-funds/global-best/risk-details.html
ファンドの販売会社について
ご留意事項
■ 当資料は、インベスコ・アセット・マネジメント株式会社が提供した情報を元に、みんかぶ編集室が作成した資料です。
■ 投資信託は預金ではなく、預金保険制度の対象ではありません。
■ 投資信託は金融機関の預貯金とは異なり、元本及び利息の支払いの保証はありません。
■ 証券会社以外で投資信託をご購入された場合は、投資者保護基金の支払いの対象にはなりません。
■ 投資信託は、値動きのある有価証券などに投資します(外貨建資産には為替変動リスクもあります。)ので基準価額は変動します。したがって、元本が保証されているものではなく、投資元本を割り込むことがあります。
■ 投資信託財産に生じた利益および損失はすべて受益者に帰属します。
■ 過去の運用実績は将来の運用成果等を保証するものではありません。
■ この書面及びここに記載された情報・商品に関する権利は当社に帰属します。したがって、当社の書面による同意なくして、その全部もしくは一部を複製し又その他の方法で配布することはご遠慮ください。
【世界のベストのリスクや費用などについて】
■投資リスク
ファンドは預貯金とは異なり、投資元本は保証されているものではないため、基準価額の下落により、損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。 ファンドの運用による損益はすべて受益者に帰属します。
■基準価額の変動要因
ファンドは実質的に国内外の株式など値動きのある有価証券等に投資しますので、以下のような要因により基準価額が変動し、損失を被ることがあります。
主なリスク ①価格変動リスク、②信用リスク、③カントリー・リスク、④為替変動リスク、その他の留意点などがあります。
詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。
*基準価額の変動要因は、上記に限定されるものではありません
購入のお申し込みの際は、投資信託説明書(交付目論見書)をあらかじめまたは同時にお渡ししますので、必ず内容をご確認いただき、ファンドの内容・リスクを十分ご理解のうえ、ご自身でご判断ください。
購入時手数料 ・・・・・・・・3.30%(税抜 3.00%)以内
運用管理費用 ・・・・・・・・年率 1.903%(税抜 1.73%)
信託財産留保額 ・・・・・・0.30%
その他の手数料等 ・・・・・上記費用の他に、保有期間などに応じてご負担いただく費用があります。
投資信託説明書(交付目論見書)、契約締結前交付書面等でご確認ください。
お客さまにご負担いただく費用の合計額については、保有期間などに応じて異なりますので、表示することができません。
■収益分配金について
分配金は投資信託説明書(交付目論見書)記載の「分配方針」に基づいて委託会社が決定しますが、委託会社の判断等により分配を行わない場合もあります。詳しくは各ファンドの商品概要ページをご覧ください。
分配実績は過去のものであり、将来の分配金の支払いおよびその金額について示唆、保証するものではありません。
また、分配金の支払いは、計算期間中に発生した経費控除後の配当等収益および売買益(評価益を含みます。)を超過して行われる場合があります。したがって、分配金の水準のみからファンドの収益率を求めることはできません。
また、分配金はファンドの純資産総額から支払われるため、分配金支払い後の純資産総額は減少し、基準価額が下落する要因となります。投資者の個別元本によっては、分配金の一部ないし全部が、実質的に元本の一部払戻しに相当する場合があります。表示の数値は基準価額の表示口数当たり・課税前の金額になります。
収益分配金に関する留意事項はこちらから
https://www.invesco.com/content/dam/invesco/jp/ja/individual-investor/pdf/policies/2015_BunpaikinRyuuiJikou_HP.pdf
■ 商号等:インベスコ・アセット・マネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第306号
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