広告を非表示にする

見直された「安全資産としての金」

レポート
配信元: ミンカブ・ジ・インフォノイド
投稿:2020/04/16 07:00
見直された「安全資産としての金」

1年前の2019年初は1トロイオンス1300ドル近辺で推移していた金価格ですが、2019年7~8月頃から上昇を始め、2020年2月には1600ドルを超え、3月9日には1トロイオンス=1,702ドルと7年3カ月ぶりの高値を付けました。新型コロナウイルスの感染拡大や原油価格の急落を受けNYダウが前日比2,000ドル超の大暴落となり、投資家のリスク回避姿勢が強まったためです。その後、3月16日には一時、1,452ドルまで急反落しました。しかし、ここから急反転し、24日には1,685ドルまで値を戻し、4月9日には1,752ドルを付けるなど、2012年11月以来、約7年5カ月ぶりの高値圏にあります。

 

この金価格の激しい値動きの理由について、日産証券のCXレポートでは以下のように解説しています。

 

基点を3月9日の高値1,702ドルとして、3月12日に52ドルの下落、翌13日も73ドルの下落、週明け16日も30ドルの反落と連日の続落となりました。この背景には、米トランプ大統領が11日夜「英国などを除く欧州26カ国からの入国を30日間禁止する」と表明したことがあります。これを受けて市場では、人の移動が滞ることで経済活動が一段と冷え込むとの判断から、NYダウが前日比2,350ドル超暴落。連日の株価急落に伴う損失を穴埋めするため金の換金売りが殺到した為、金価格の続落となりました。3月17日に+39ドルとようやく上昇に転じました。これは世界の主要中央銀行が緊急利下げを実施し、大規模な流動性供給を継続していることが好感され、NYダウが1,000ドル超反発し、金市場でも、前日までの換金売りが一巡したことによります。

 

米国では、トランプ大統領が8,500億ドル(約90兆円)規模の緊急経済対策を検討していると報じられたほか、米連邦準備制度理事会(FRB)が流動性供給のため、企業が発効するコマーシャルペーパー(CP)の買い入れ策を復活させると発表。金融市場が落ち着きを取り戻す中で、「安全資産としての金」が改めて見直される格好となりました。ただ、3月18日に金は再び1,477ドルと48ドル値を下げます。新型コロナウィルスの感染拡大に歯止めがかからず、世界的な景気減速観測が強まり、欧米で株価が急反落したことで、投資家の流動性確保のための換金売りが再び膨らんだためです。

 

しかし、4月に入って米国で発表された経済統計が新たな対策を講じさせることになりました。米労働省が3日に発表した3月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比70.1万人減と、2月の同27.5万人増からマイナスに転じ、米経済のリセッション入りを示唆するものとなりました。これを受けて、FRBは9日、中小企業や地方自治体の資金繰りを支援するため、総額2.3兆ドル(約250兆円)の資金供給を行うと発表。この政策への期待感と根強い将来不安を背景に、市場では金を買う動きが再度活発化し、9日には1,702ドルを付け、1カ月ぶりに1,700ドル台を回復するなど、大きく水準を切り上げることとなりました。強弱材料が交錯する中、金は、チャート的には下値を切り上げる格好となっており、2011年の史上最高値1,900ドルを視野に入れた動きをイメージしているとのことです。

 

 

金を組み入れたファンドについて

世界経済が不安定になる諸問題が山積している昨今、安全資産である金への注目度、資産価値は高まっていますが、ファンドの中には投資先に金を組み入れることで、資産運用の安定化を図っているファンドが多数存在しますので、いくつかご紹介します。

 

iシェアーズ ゴールドインデックス・ファンド(為替ヘッジなし)iシェアーズ ゴールドインデックス・ファンド(為替ヘッジあり)

iシェアーズゴールドインデックス・ファンドは金現物市場を代表する指標であるLBMA金価格(円換算ベース)に連動する運用成果を目指します。iシェアーズ ゴールドインデックス・ファンド(為替ヘッジなし)のレーティングは星5つと高レーティングとなります。

 

ゴールド・ファンド(為替ヘッジなし)ゴールド・ファンド(為替ヘッジあり)

金地金価格への連動をめざす上場投資信託証券に投資を行なうゴールドファンドは、ゴールド・ファンド(為替ヘッジなし)がレーティング星5つ、ゴールド・ファンド(為替ヘッジあり)が星3つとなります。

 

スマート・ファイブ(1年決算型)スマート・ファイブ(毎月決算型)

スマートファイブは世界の債券、株式、不動産投信、金上場投信などに投資を行なうファンドとなり、レーティングは星4つと高レーティングとなります。

 

ピクテ・ゴールド(為替ヘッジあり)ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)

ピクテ・ゴールドは金の現物に投資し、米ドル建ての金価格の値動きを概ねとらえることを目指すファンドとなり、ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)はまだ運用期間が短い為レーティングが出ておりませんが、ピクテ・ゴールド(為替ヘッジあり)は星3つとなっております。

 

 

【関連記事】

新型コロナウイルスの影響に関する今後の見通しについて

ラッキーカントリー、オーストラリアの投資環境について

イギリス経済の動向と今後の見通し

中国株式市場の今後の見通しについて

カナダの市場動向について

 

 

配信元:ミンカブ・ジ・インフォノイド

このコラムの著者

みんかぶ編集室 (ミンカブヘンシュウシツ)

資産運用のトレンド情報や、初心者が楽しく学べるお金の基本コラムなど、資産形成をするすべての人に向けた記事を提供します。

新着記事

広告を非表示にする
広告を非表示にする
広告を非表示にする

最近見た銘柄

投資信託
株式
閲覧履歴はありません
まずはファンドを検索してみましょう

投資信託ランキング

3月の投資信託おすすめ銘柄5選

広告を非表示にする

人気記事ランキング

関連サイト

【ご注意】『みんかぶ』における「買い」「売り」の情報はあくまでも投稿者の個人的見解によるものであり、情報の真偽、株式の評価に関する正確性・信頼性等については一切保証されておりません。 また、東京証券取引所、名古屋証券取引所、China Investment Information Services、NASDAQ OMX、CME Group Inc.、大阪取引所、堂島取引所、S&P Global、S&P Dow Jones In dices、Hang Seng Indexes、bitFlyer、NTTデータエービック、ICE Data Services、JPX総研等から情報の提供を受けています。日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。『みんかぶ』に掲載されている情 報は、投資判断の参考として投資一般に関する情報提供を目的とするものであり、投資の勧誘を目的とするものではありません。これらの情報には将来的な業績や出来事に関する予想が含まれているこ とがありますが、それらの記述はあくまで予想であり、その内容の正確性、信頼性等を保証するものではありません。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、投稿者及び情報提 供者は一切の責任を負いません。投資に関するすべての決定は、利用者ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。個別の投稿が金融商品取引法等に違反しているとご判断される場合には「 証券取引等監視委員会への情報提供」から、 同委員会へ情報の提供を行ってください。また、『みんかぶ』において公開されている情報につきましては、営業に利用することはもちろん、第三者へ提供する目的で情報を転用、複製、販売、加工、再利用及び再配信することを固く禁じます。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.