長期投資のすすめ8~新興国へお金をかす前に~

前回は国ごとに金利がかなり違う点を紹介しました。特に新興国は金利が高いという点が印象に残っている方もいらっしゃると思います。では、具体的にどのような国が該当するのでしょうか。
まとめて新興国にお金を貸す方法としては、先進国と同じく投資信託を一つ買うだけで実現できます。それぞれの国が発行した借用書が投資信託という箱の中に入ってることになるわけです。債券のインデックスを作っている会社によって定義は違いますが、今回は投資信託でよく採用されているJ.P.Morganの、J.P.Morgan Government Bond Index-Emerging Markets(GBI-EM) Global Diversifiedのリストになります。長い名前ですね。
中南米 | ブラジル・コロンビア・ペルー・メキシコ・チリ・ウルグアイ・ドミニカ |
欧州 | ロシア・ポーランド・ハンガリー・ルーマニア・チェコ |
アジア | インドネシア・中国・フィリピン・マレーシア・タイ |
アフリカ | 南アフリカ |
中東 | トルコ |
(出所:J.P.Morgan)
投資信託を一つ買うだけでこれらの国にお金を貸せるなんて凄く便利です。2020年5月現在、19の国と地域、時価総額で115兆円前後になります。
貸し借りの基本
さて、これらの国がどれくらいの金利なのかをおさらいしてみましょう。
(出所:Refinitiv)
先ほどのインデックスには2020年12月28日時点で政策金利が38%のアルゼンチンと13.5%のナイジェリアが入っていないですね。様々な理由で外れたようですが、そもそも債券投資の基本に立ち返ってみましょう。
債券とは借用書の売買です。ということは、借りたお金をちゃんと返せるかが大事なポイントになります。自分の稼ぎよりも多くの借金があったら不安ですよね。国にとっての稼ぎとはGDPです。そのGDPに対して借金がどれくらいの比率になっているのか調べましょう。
アルゼンチン
(出所:Refinitiv)
ナイジェリア
(出所:Refinitiv)
2019年までがオレンジで表示され、紫の部分はまだ発表されていない予測値になります。両方の国が共に稼ぎに対して借金がどんどん増えています。同じようなことは他の新興国でも言えますが、金利が高いのには理由があるのです。誰もお金を貸してくれないと金利を上げなければいけません。もし興味のある方は「アルゼンチン共和国円建て債券」で検索してみてください。過去にどのような借金の歴史があるかが分かります。
お金は返せそうな人に貸しましょう。そうでない場合は、それ相応のリスクがあるということです。
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配信元:ミンカブ・ジ・インフォノイド
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みんかぶ編集室 (ミンカブヘンシュウシツ)
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