米国リート市場の各運用会社による今後の見通しについて

米国の代表的なリート指数である「FTSE NAREIT Equity REITs Index」は、2019年初の628.75から先週末13日時点では753.67と20%近く上昇し、堅調に推移している。
今後の米国リート市場は引き続き高いパフォーマンスとなるのか。各運用会社の見通しを比較してみたい。
米国リート市場の今後の見通しについて
ニッセイアセットマネジメントでは、今後の米国リートの見通しについて、米中貿易協議が緩和方向に向かう場合、投資の活発化による金利上昇などが嫌気され、米国リートは軟調な展開になると予想している。
但し、米国リートの保有物件の空室率が低いことや、堅調なオフィス需要などを材料に、下落した局面では業績を評価した買いが入る可能性もあり、下値は限られそうとしている。
一方大和投資信託では、米国リートに有利な市場環境が続くと予測している。
米国経済は引き続き底堅く成長するものの、成長率は緩やかに減速していくと予想しているが、低成長な環境においても、米国リートの収益の大部分を占める賃料は契約更新まで一定期間継続するため予測可能であり、緩やかながら安定した収益成長が期待できるとしている。
また、FRB(米国連邦準備制度理事会)は金融緩和に前向きな姿勢を継続しており、低金利環境が続く見込みとなっている。低金利環境の継続は米国リートにとって資金調達コストの低減をもたらす為、パフォーマンスを下支えする要因になるとみている。
岡三アセットマネジメントでは、長期金利上昇への警戒感から上値の重い展開になるものの、良好な事業環境を背景にリートの業績拡大が続いていることから、底堅く推移すると予想している。
米中貿易協議の進展による金利上昇懸念は残るものの、FRBが緩和的な金融政策を維持する姿勢を示していることや、物価上昇に過熱感が見られないことなどから、長期金利の上昇余地は限定的となる為、リートの資金調達環境は悪化しないと見ている。
また、米国リートは米国内に保有する不動産からの賃料収入が主な収入源であり、好調な内需を背景に不動産需要の堅調な推移が継続すると見込まれることから、リートの業績拡大は続くとしている。
今後の見通しについて、各社で上値の部分ではバラつきはあるようだが、下値について、大きな下落はないという部分は共通している。
米国リート関連ファンドについて
米国リート関連ファンドは60本と多数あり、そのうちレーティング星4の銘柄は13本もある。
その中で最も純資産残高が高いファンドは、フィデリティ投信のフィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)となる。みずほ銀行や三菱UFJ銀行をはじめ、67社と多数の販売先で購入することができる。
最もリターンが高いファンドは岡三アセットマネジメントのワールド・リート・セレクション(米国)為替ヘッジあり(十二絵巻(為替ヘッジあり))となる。岡三証券や十八銀行などをはじめ、11社で購入することが可能だ。
最も信託報酬が低い銘柄としては、明治安田アセットマネジメントの明治安田米国リート・インカム・プレミアム・ファンド(毎月決算型)(スリーピース)、三井住友トラスト・アセットマネジメントの 米国REIT・リサーチ・オープン為替ヘッジなし(毎月決算型)と 米国REIT・リサーチ・オープン為替ヘッジなし(年2回決算型)となり、いずれも1.133%(税込み)となる。
明治安田米国リート・インカム・プレミアム・ファンド(毎月決算型)(スリーピース)は三菱UFJモルガン・スタンレー証券、SBI証券、楽天証券、auカブコム証券の4社で購入することが可能となっている。
米国REIT・リサーチ・オープン為替ヘッジなし(毎月決算型)と米国REIT・リサーチ・オープン為替ヘッジなし(年2回決算型)はどちらも三井住友信託銀行、SBI証券、楽天証券の3社で購入可能となっている。
>>米国REIT一覧
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配信元:ミンカブ・ジ・インフォノイド
関連銘柄
順位 | ファンド名 | 運用会社 | レーティング(1年) |
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1 | ダイワ米国リート・ファンド(毎月分配型)為替ヘッジなし | 大 和 |
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2 | ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコース(為替ヘッジなし) | 大 和 |
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3 | ダイワ米国リート・ファンドⅡ(年1回決算型) | 大 和 |
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4 | ダイワ・US-REIT・オープン(年1回決算型)為替ヘッジなし | 大 和 |
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5 | フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし) | フィデリティ |
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6 | フィデリティ・USリート・ファンド(資産成長型)D(為替ヘッジなし) | フィデリティ |
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7 | ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Aコース(為替ヘッジあり) | 大 和 |
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8 | ワールド・リート・セレクション(米国)(十二絵巻) | SBI岡三 |
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9 | ワールド・リート・セレクション(米国)為替ヘッジあり(十二絵巻(為替ヘッジあり)) | SBI岡三 |
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このコラムの著者

みんかぶ編集室 (ミンカブヘンシュウシツ)
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