コラムつみたてNISAに採用されたファンドを知ろう!

2018/02/16 16:22

 

●ギリギリまで絞り込まれたファンド

今回は、つみたてNISA向けに選ばれたファンドについてお話ししましょう。10月初めに金融庁よりつみたてNISAとして販売が認められる投資信託が発表になりましたが、全体のファンド数はいまのところ135本、ETFの3ファンドを含めても138ファンドしかありません(2018年1月12日現在)。

 

【図表1】 公募投資信託のファンド数とつみたてNISA採用ファンド数

 

※三菱アセット・ブレインズ作成                                     

 

5千ファンドを上回るといわれる投資信託(注)のなかの約135ファンドということは、全体の3%にも満たない数です。よくぞここまで絞りきったものです。絞り込みの代名詞、ライザップも真っ青ですね。

(注)ETF、ラップ専用口座向けファンド、公社債投信を除いた公募販売追加型投資信託

 

●どうしてこれほどまでに少ないの?

これにはファンドの届出要件が影響しています。つみたてNISA向けにファンドを投資家に販売するには金融庁への届け出が必要になるのですが、投資初心者でも安心して長期投資による資産形成に励むことに適したファンドでなければ販売できないように要件が課されているからです。それは、投資初心者でも安心して長期投資による資産形成に励めるように配慮したものだからです。具体的な届出要件については図表2に示していますが、共通項目として低い費用のファンドに限定していることは特筆すべき特徴です。販売時の販売手数料は無し、保有期間にわたってかかり続ける信託報酬にも上限を設定しています。

 

【図表2】 つみたてNISA向けファンドを金融庁に届出できる要件

※金融庁HPより三菱アセット・ブレインズ作成

 

現在、つみたてNISA向けに採用されている投資信託のほとんどはインデックス型と呼ばれるファンドで、投資する資産と同じ動きを目指すものです。これは、資産の動きを代表する指数と同じ構成の銘柄を組み入れることで運用できます。たとえばみなさんがテレビのニュースでよく目にする日経平均株価指数は、日本を代表する会社として選ばれた上場企業225社の株価を単純平均した指数なので、それらの株式を均等に購入するだけで同じ動きをするファンドが作れます。良い銘柄を発掘するなどの醍醐味はありませんが、それだけファンドの運営費用も安くて済みます。

資産形成は、どの資産に投資するのかによって投資成果の8割以上は決まるとする調査結果もあるので、どのファンドにするのかあれこれ悩まなくても、費用の低いインデックス型ファンドで十分といった見方もできます。よく、投資信託は数が多くてわかりにくいといった話をされますが、長期の資産形成に向いたタイプとしてここまで絞りきれば、安心して利用できます。

 

さらにアクティブ型ファンドに限ってみれば、わずか15ファンドしかありません。アクティブ型の運用とは、投資する資産の動きよりも良い運用成果を目指すものです。投資信託全体のなかで8割強を占め、4千もあるアクティブ型ファンドのうちの15ファンドということは、全体の0.4%弱です。どうしてこれほど少なくなったのでしょう?金融庁によれば、そもそもつみたてNISAはインデックス型ファンドを基本とし、アクティブ型ファンドは、例外的に、継続して投資家に支持・選択され、規模が着実に拡大しているもののみを対象としていると明言しています。これは、アクティブ型は投資初心者にとって見極めが難しいことなどの理由によります。そのため、アクティブ型ファンドがつみたてNISAに採用されるには、純資産残高が50億円以上であること、運用期間が長いこと(5年以上)、投資家による資金流入が全期間の3分の2を越えるなどインデックス型よりも多くの制約が課されています。

 

 

●数少ないアクティブ型ファンドはどういうもの?

ただし、この制約には運用成果の良し悪しは含まれていません。そのため、今回選ばれたアクティブ型ファンドのなかには運用成績ではそれほど秀でていないファンドも含まれています。こういった背景をよく理解していない個人からみれば、少数のアクティブ型ファンドは、インデックス型よりも優れた、厳選されたファンドが選ばれていると誤解する向きもあるのではないかと誤解されるかもしれませんので、この点について確認しておきましょう。

図表3は、アクティブ型ファンドを主な投資対象ごとにザックリと分類し、それぞれのファンドの運用成果を示しています。収益性を示す「リターン」、価格変動の大きさを示す「リスク」に加え、1リスク当たりのリターンを投資効率と見立てています。表における順位に注目してください。リターン、投資効率ともに、順位の高いファンドばかりが揃っていないことがわかります。

一方で、順位が極端に悪いファンドもほとんどありません。運用成績が極端に悪いファンドは、投資家から継続的に支持・選択されていないからです。

 

図表3:アクティブファンドのシャープレシオ、リターン順位

【日本株式】

 

【外国株式】

 

【複合資産】

 

(注)ETF、ラップ専用口座向けファンドを除く、運用期間5年以上、残高10億円以上、為替ヘッジなしのアクティブ型運用の公募販売追加型投資信託。

※三菱アセット・ブレインズ作成

 

この点からすれば、アクティブ型は全てがピカピカではないにしても、投資する人にとって安心して選択できるものと言えるでしょう。つみたてNISAに採用されたファンドはこのような特徴があることを理解しておきましょう。

 

 

【著者】勝盛 政治

三菱アセット・ブレインズ シニアファンドアナリスト

三菱UFJ信託銀行にて運用業務に長らく従事。平成24年より三菱アセット・ブレ

インズにおいて投信の評価、販売支援、投資教育等に携わる。著書に『顧客をリスク

から守る資産形成術』(きんざい)。

 

出所:三菱アセット・ブレインズ

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