長期投資のすすめ9~新興国へお金を貸す際の注意点~

前回まではお金を「貸す」方法として債券投資をご紹介しました。日本はゼロ金利のため、海外で利回りのある国を探しながら先進国と新興国という区分けで分散した投資方法です。一つの国に絞るとお金が返ってこない可能性が高まるので、複数の国に分散することが大切です。
地域分散のカテゴリである先進国は、日本のようにゼロやマイナス金利の場合もあります。そんな中で新興国は年利で数%以上の投資機会がありました。もし日本の銀行預金でこの金利ならば素晴らしいですね。もちろん違うのでリスクがあります。その中の一つが、「借りたお金をちゃんと返せるのか?」というポイントです。
自分の稼ぎと借金を比較すると、健全性の一面がわかります。国にとっての稼ぎはGDPです。それに対してどれくらいの借金があるかを表示しているのがこちらの地図です。赤色の国は政府総債務がGDPに対して高いことになります。これを見ると新興国の方が安全そうにみえますね。
(出所:Refinitiv)
しかし、そんなに安全に数パーセントの金利にアクセスできるのであれば、みんながやっているはずです。
自分の使うお金「円」で考える
私たちは円で生活しているため、仮にトルコリラでお金が増えたとしても、日本の日常でそれは使えません。お店に海外のお金をもっていっても売ってくれません。円換算でいくらになったのかは現地通貨と円の為替レートで調べる必要があります。日本で人気があると言われているトルコリラ、ブラジルレアル、メキシコペソ、インドネシアルピア、南アフリカランドの対円レートはこちらです。1990年から直近までの長期間で比較してみます。
(出所:Refinitiv)
新興国の通貨はどれも長期で下落をし続けていることがわかります。理由についてはまた別の機会に取り上げますが、数%の金利でこの為替リスクを負うのは割に合わないことが分かると思います。
もし年利10%でも1日に直すと僅かです。コツコツ積み上げることは大切ですが、ここまで大きな価格変動がある為替とは相性が良いとは言えないはずです。このままでは新興国に投資はできないように思いますが、「現地通貨」の債券以外にも選択肢があるのです。
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配信元:ミンカブ・ジ・インフォノイド
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みんかぶ編集室 (ミンカブヘンシュウシツ)
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