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みんかぶプレミアムとは今回から、少し「つみたてNISA」の利用法やファンド選びなどのあれこれについて説明していきたいと思う。
ご存知のように、2021年は「つみたてNISA」がとても注目される年となった。
というのも、その口座数が1年間で約302万口座から約518万口座へと、217万口座も増加(71.4%増)したからだ。
その背景には、「老後2,000万円不足問題」や高校の学習指導要領改訂(高校家庭科に「投資信託」や「資産形成」が登場)など、世の中の資産形成に対する関心の高まりもあると思われる。
また今年5月には、訪英中の岸田総理がロンドンにおいて講演を行い、NISAの拡充など貯蓄から投資への移行を促し「資産所得倍増プラン」を始める、と表明した。
そのため、今後NISAの使い勝手がよくなることが想定され、ますます「つみたてNISA」に注目が集まるのではないか、と考えている。
そして、こういうブームの際によくありがちなのが、「流行に乗り遅れるな」的な動きだ。
「つみたてNISA」の口座開設においても、同じことがいえるのではないだろうか。
例えば、「投資信託やNISAについての詳しいことはよくわからないが、とりあえず始めてみよう。」という方も多いと思う。中には、口座は開いてみたものの、「さてどうしようか。」と悩まれている方もいるのではないだろうか。
言うまでもないが、「つみたてNISA」の中心となっている金融商品は、投資信託である。
そして、この投資信託に対する認知度は、一般的には、依然として高くない。家計金融資産に占める割合も4%台と低いままだ。投資信託が金融商品として、世に十分に浸透しているとは言えないだろう。
ということは、「つみたてNISA」の口座数は急速に増えているものの、口座開設後の次の一歩を踏み出せていない方も多いのではないだろうか。そこで、筆者なりの「初めの一歩」の踏み出し方をお伝えしてみたいと思う。
そもそも「つみたてNISA」の口座を開設される方には、投資信託を詳しく知らない、或いは、投資信託どころか投資自体初めてだ、という方が意外と多いのではないか。
そういう方々にとって、少しでも参考になることをお伝えできればと思う。
偉そうなことを言うつもりはないが、「つみたてNISA」をどのように利用しても、所詮、個々人の自由だ。こうでなくてはならない、というような使い方があるわけではない。
ただ、「つみたてNISA」を含むNISA制度は、国がわざわざ「少額投資非課税制度」と銘打って始めた制度だ。そこには、国民の資産形成に向けての国の想いもあるはずである。
それは何か。「つみたてNISA」がスタートした際の資料を見てみよう。
「つみたてNISA」は、平成29年(2017年)の税制改正大綱に概要が盛り込まれた。この税制改正に向けた金融庁の要望には、次のように書かれていた。
「分散投資(投資対象の分散と投資時期の分散)により、中長期的に安定的なリターンの実現が可能に。
• 投資対象をグローバルに分散させることで、世界経済の成長の果実を享受することが可能に。
• 投資時期の分散(積立投資)により、高値掴み等のリスクを軽減しリターンの安定化が可能に。
⇒長期の非課税期間を有する「積立NISA」を創設することを要望」
グローバルに投資対象を分散し、積立投資を行うことで、リスクが軽減され中長期的に安定的なリターンの実現が可能になるとしている。
ここから見えてくるものがあるのではないだろうか。
それは、中長期的に安定的なリターンの実現に適している投資の方法だ。
「つみたてNISA」創設時の国の想いは、上記から次の3つに集約できるだろう。
それは、「グローバルに投資対象を分散」、「積立投資による投資時期の分散」、「中長期的に安定的なリターンの実現を可能にするために、長期の非課税期間を」である。
実は、この考え方は、資産形成の王道である「長期・積立・分散」投資、そのものだ。
そして、通常の投資では享受できない運用益の非課税という税制優遇まで付けている。
資産形成を行おうとしている方が、この制度を利用しないという選択肢は、筆者には考えられない。
さて「つみたてNISA」の口座を開設し、これから資産形成を始めようとしている方に、強く意識していただきたいことは、この資産形成の王道である「長期・積立・分散」投資である。
このうち、「積立」投資を実践することは容易だ。
「つみたてNISA」の口座開設時に、積み立て方法として、毎月の定額積立を選択すれば実践できるからだ。金融機関によっては、毎日や毎週という積み立てパターンを選ぶこともできるようだ。ただ積立のキホンとしては、毎月の定額積立で十分と考えている。
また、金融機関によっては、年間の非課税投資枠を最大限活用できるように、年の途中から積み立てを始める場合に、臨時の買付ができる金融機関もあるようだ。
例えば、ある年の7月から月3万円の定額積立を始めるとした場合、12月までの6カ月間で18万円の積立投資ができる。このとき、その年は「つみたてNISA」の年間の非課税限度枠40万円を使い切ることはできず、22万円の枠を残すことになる。この部分を使えるように一時的な増額を可能としている会社がある。必要であれば、活用してもいいのではないだろうか。
次に、「長期」投資だ。
「つみたてNISA」は、20年間の非課税期間があるため、20年の積立投資と考えられがちである。
これは決して間違いではない。
しかし実際は、1年間積立投資を行い、その投資合計額をその後19年間、非課税で保有し続けることができる、と考えた方がいいだろう。そして、翌年も1年間積立投資を行い、それを19年間非課税で保有し続けることができる、ということだ。
つまり「つみたてNISA」口座には「2022年投資分」、「2023年投資分」というように、毎年の「投資分」ができて、投資をした年も含め、20年間非課税(「2022年分」であれば、2041年まで非課税)で保有することができるということだ。
現在の制度では、2042年に積立投資を開始する「2042年分」を、2061年まで保有し続けることができることになっている。
どういうことか、もう少し具体的に示すと、次の通りだ。
例えば、2022年に「Aファンド」の積み立てを開始した場合、2022年1年間に積立投資した額(毎月積立の場合は12か月分)を、2023年から2041年まで19年間非課税で保有することができる。「つみたてNISA」を始める2022年も非課税であり、実質20年間、値上がり益や分配金が非課税になるということなのだ。
そして翌年も「Aファンド」の積立投資を行う場合は、2023年に積立投資した額が、2024年から2042年まで非課税、となるのだ。
各年の投資分は、金融機関において、「Aファンド2022年分」、「Aファンド2023年分」というように、積み立てた年ごとに個別に管理されている。
そのため、金融機関を変更する場合も、暦年単位で行うことが可能となっているのだ。
実は、「つみたてNISA」導入時の金融庁の資料においても、同じような説明がされていた。
「国内株式」「国内債券」「先進国株式」「先進国債券」の4資産に均等配分して毎月買付(毎月投資)を行い、各年の買付後、買付開始から20年間保有した際の元本割れリスクは、極めて低くなることが説明されている。
「つみたてNISA」における長期投資の実践とは、このように、1年間積み立て投資を行い、それを2年目以降も非課税期間が終了する20年目まで保有し続けること、なのである。
そして、ご存知のように、積立投資の醍醐味は、定期定額投資、いわゆるドルコスト平均法にある。
「つみたてNISA」は、1年ごとの管理といったが、それは残高の管理上の話である。積立投資の良さを体感するためには、同じファンドを、2年目以降も継続して投資し続けることが必要である、と筆者は考える。そうすることで、ドルコスト平均法のより高い効果が期待できると思うのだ。
当然、20年間の非課税期間中には、政治的なイベントや経済的な変動などにより、株式市場を始めとする証券市場が大きく下落することもあるだろう。
そういうときに最も避けなければならないことは、そのような外的要因で株式市場が大きく下げるときに、慌てて積立投資を中断してしまうことや、今まで積み立てた分を売却してしまうこと、である。
長期投資には、我慢が必要なのである。
しかしながら、「つみたてNISA」は、いつでも解約、つまり換金が可能である。
ライフイベントなどでまとまった資金が必要な際に、「つみたてNISA」で積み立てた資産を取り崩すことを否定するものではない。ただ、長期投資という観点から言えば、途中換金は避けたいところだ。そのためにも、自分なりのライフプラン・マネープランを作成しておくことが望ましいだろう。
次に「分散」投資である。
投資信託は、商品の性格上、実は商品そのものが分散投資を実践している。
株式投資信託では、どんなに少なくても数十銘柄の株式を組入れていることが一般的である。多くなると、数千銘柄を組入れている場合もある。世界株式インデックスに投資するファンドなどは、その一つの例である。
そういう意味で「投資信託」は、株式投資や債券投資を個人で行うことに比べれば、圧倒的に分散投資を可能とする投資商品であると言っていい。
「つみたてNISA」は、その投資信託を投資対象としているので、「つみたてNISA」を始めることは、イコール分散投資を実践することになる、と言っても過言ではない。
ここまで書いてきたように、「つみたてNISA」は、「積立」投資、「長期」投資、「分散」投資、という資産形成の王道をそのまま体現している制度だ。
極端なことを言えば、「つみたてNISA」の対象となっている投資信託の何を選んでも、「長期・積立・分散」を実践できるといえる。
5月31日現在、ETFを除くと、指定インデックス投資信託は183本、指定インデックス以外の投資信託(アクティブ運用投資信託等)は23本ある。
(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/tsumitate/target/index.html)
極論すれば、このリストに掲載されているファンドの中から、好きなファンドを1つ選んで積立投資を始めれば、資産形成の王道を実践している、ともいえる。
しかし、これではあまり参考にはならないかもしれない。
そこで次回は、この合計206ファンドの中から、投資初心者はどのようにファンドを選んでいけばいいのか、というヒントを筆者なりにお伝えしていきたいと思う。
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配信元:NTTデータエービック
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