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「グローバルREITは、買いか売りか」 ドイチェ・アセット・マネジメント 特別インタビュー

インタビュー
NTTデータ エービック
投稿:2019/11/27 15:00
「グローバルREITは、買いか売りか」 ドイチェ・アセット・マネジメント 特別インタビュー

高い分配金を背景に、8兆円を超える残高があったグローバルREITファンドですが、残高が減少傾向にあります。


残高が減少している間も、REIT市場は堅調に推移していますが、上昇も長期に及んでおり、「まだ」なのか?それとも「もう」なのか、非常に気になるところです。

 

 

そこで今回は、実物不動産・REIT両面で長年の運用実績を有するドイチェ・アセット・マネジメントにグローバルREIT市場の投資環境と、今後の見通しをお伺いしました。
インタビューにお答えいただいたのは、ドイチェ・アセット・マネジメント 投資戦略部 ヴァイス・プレジデント 清森 英晃様です。

 


-グローバルREIT市場の現状を、どの様に見ておられますか?

 

現在は、グローバルREITにとって投資妙味のある環境であると考えております。

 

その理由は以下の3つです。

 

まず、REITは、安定したインカム収入と成長性を併せ持つ資産クラスであることです。
不動産からの安定したインカム収入があるのがREITの特徴です。成長性については、株式のITセクターのような高い成長性ではないものの、安定的に成長している資産クラスなので、この二つのバランスが魅力であるといえます。

 

次は、キャッシュフローが安定していることから、ディフェンシブセクターとしての特徴があり、景気サイクル後半に選好されやすい資産だということです。

 

そして、実物不動産のファンダメンタルズが堅調なことです。REITは、不動産を保有する事業なので、実物不動産のファンダメンタルズが堅調ということは、ポジティブにみています。

 

足元のマクロ経済は、プラス成長を維持しながらも景気の勢いは減速しています。この様な環境では、株式は一方向には上がりづらいのではないかと思います。


債券市場はといいますと、利回りは低位に張り付いており、グローバルの債券でみると約30%がマイナス金利といった状況になっています。
景気の勢いが減速している局面では、資金は債券に流れるものなのですが、金利はつかない、むしろ債券を持つとマイナスといった状況です。


それでは、どこに投資すればいいのかが問題になります。

 

このような局面で、効果を発揮する資産の代表例がREITなのです。

 

過去のデータにおいても、GDP成長率減速時には、株式に対して相対的に高いリターンを残しています。

 


-REITの安定したインカム収入が期待でき、景気サイクルの後半に強いという特徴が生きる環境だということですね。
実物不動産から見た、REITの今後の見通しを教えて下さい。

 

REITのパフォーマンスは、中・長期的には実物不動産のパフォーマンスに連動するというのが、ドイチェ・アセット・マネジメントの考え方です。

 

過去のデータをみても、両者はほぼ連動していますが、足元ではREIT市場のパフォーマンスがやや出遅れています。
世界的な低金利を受けて、年金基金などの機関投資家の資金が、安定した利回りを求めて実物不動産に流入しているためです。


実物不動産の不動産利回り(CAP RATE)は、2009年をピークに低下し続けているのに対して、REITの利回りは、ここ数年、横ばい圏で推移しています。


不動産利回り(CAP RATE):実物不動産 VS リート


実物不動産市場と比べて、REITは割安な水準であるといえるでしょう。今後、実物不動産価値に収れんすることが予想されます。

 


-機関投資家の資金が実物不動産からREITに流れ込む可能性もありそうですね。

グローバルREITでも、各セクター、国や地域によって状況は異なると思います。まず、セクターごとの現状と、今後の見通しを教えて下さい。

 

オフィスセクターは、グローバルでは供給過剰の懸念もありますが、新興企業が集積しているシリコンバレーのようなイノベーション都市は引き続き賃料の成長が見られます。

 

商業セクターは、E-コマース(インターネットショッピングなど)の台頭により、テナントの倒産が増加しているのは見過ごせませんが、一方で、映画館やフィットネスジムなどの体験型施設や日常生活に根ざしたテナントの需要は引き続き強く、今後も成長が期待されます。

 

住宅についてですが、特に米国ではミレ二アル世代が住宅を保有せず、賃貸に住むライフスタイルに変化しつつあることが長期的な追い風になる可能性があるとみています。

 

その他のセクターですが、E-コマースによる構造的な追い風が吹く物流セクターをはじめ、ヘルスケア、IT系のデータセンターなどに成長要因があるとみています。

 


-各地域の現状と見通しは如何でしょう。

 

まず、米国の実物不動産についてです。
空室率は、セクター別にまちまちですが、全体で見ると過去最低水準であり、利益成長率も物流、住宅中心に堅調です。

 

REITについては、実物不動産に入っていないセクターに注目しています。


実物不動産のセクターは、「オフィス」・「商業」・「住宅」・「物流」の4セクターです。米国のREITでは、これらに含まれない新しいセクターがでてきています。この新しいセクターは、非常に成長力が高いという特徴があります。


データセンター、通信タワー等のIT関連インフラ施設、ヘルスケア、個人向け倉庫等、これらには、実物不動産投資では、投資してこなかったセクターですが、REITでは投資しています。
米国REITでは、新しいセクターの比率が増加しており、足元では50%を超えてきています。


これら新しいセクターの成長を享受できるのが米国REITの面白いところだと思います。

 

つぎに欧州についてです。


実物不動産は、都市ごとにまちまちであるものの、主要都市のファンダメンタルズは良好であるとみています。


低成長、低インフレかつブレグジット、それに加え政治的不透明感もあることから、REIT市場は、不動産価値からみたディスカウント率が大きくなっているのが特徴です。
このような状況下で、起こりやすいのが非上場化や買収であり、注目されるところです。

 

アジアで注目すべきは、他の地域に比べ高い経済成長率です。


豊富な若年層人口、都市化の進展、中産階級の増加により、アジアのREIT市場の見通しは良好です。


また、2019年4月には、インド初のREITが上場されるなど、REIT採用国が増加しており、アジア太平洋域内での魅力的な投資機会の拡大が見込まれます。

 


-実物不動産、REITともリーマンショック前後の大幅な値下がりが、まだ記憶にある方も多いと思います。また一部には、不動産バブルといった報道もあります。
最後に、リーマンショック当時との違いを教えて下さい。

 

実物不動産市場のファンダメンタルズをみると、リーマンショック当時は、不動産供給が少ない中、高レバレッジ(借入)による投資により割高な水準となっていました。
一方、足元の借入による投資は、過去平均の水準より低い状況です。バリュエーション面でも金利低下を考慮すると適正な水準であると考えています。

 

 

 

【インタビュアーより】
グローバルREITファンドが人気化した背景には、REITファンドの高い分配水準があり、それが引き下げられた後、残高が減少していきました。
投資する際には、分配金の多寡も大切ですが、より重要なのは分配金を含むトータル・リターンです。
トータル・リターンを向上させる意味でも、投資対象となる資産の投資環境を十分確認しておきたいところです。


今回のインタビューでは、足元の投資環境が、REITという資産の特徴がよく生きる環境だということがよく分かりました。

 

 

ドイチェ・アセット・マネジメントのREITファンド一覧

 

 

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出所:NTTデータ エービック

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