運用成績をもとに「S&P500指数に勝つ」ファンドを探す

アクティブファンドはインデックスに勝てない？

「アクティブファンドはインデックスに勝てない」と思っている人が多いのではないでしょうか？

実はインデックスに勝てないのではなく「アクティブファンドはインデックスファンドに勝つとは限らない」というのが正解です。

ある調査機関が調べたところによると、アクティブファンドの6割はインデックスを下回るとこのと・・・

また、将来、インデックスを上回るアクティブファンドを予想することは困難なので、インデックスファンドの方が良いと考える人が多いようです。

しかし、困難だから諦めるのではなく、敢えて勝つ4割を探す・・・というのも選択肢の一つではないでしょうか？

今回から何回かに分けて、インデックスに勝つファンドを探していきます。

それでは、どのインデックスに勝つか​？ですが、最強のインデックスと言われるS&P500指数に挑戦したいと思います。

近年、投資信託全体中でインデックスファンドの比率が高まる傾向がありますが、その中で、個人投資家に人気が高い指数が米国のS&P500指数です。

インデックスファンドの足元の月間資金流入額からも、そのことは明らかです。

インデックスファンド資金流入額上位5ファンド（2022年5月）

S＆P500指数に勝つファンドを探すには？

過去の騰落率がS&P500指数を上回ったからと言って、今後もS&P500指数を上回る成果を残すとは限りません。特に1年程度の期間だと、投資環境によっては真逆の結果になることもあります。

一般に「過去の運用実績は当てにならない」と言われる所以です。

ファンドの運用成績を参考にファンドを選ぶには、短期的ではなくある程度の期間のデータを参考にする必要があります。その際、その間の投資環境等と運用成績を合わせてみることがポイントです。

例えば、5年間で指数を上回ったとしても、1年ごとでは、上回った年もあれば下回った年もあるでしょう。また、上回るにしろ下回るにしろ、指数と大きく乖離しないファンドもあれば、上下とも大きく乖離するファンドもあるでしょう。各ファンドの投資対象の資産や運用スタイルにより、ファンドの価格特性はまちまちです。

投資対象と市場全体の関係や、運用スタイルによるポートフォリオの価格特性等と投資環境の変化との関係を確認すれば、長期的に指数を上回る運用実績を残す可能性の高いファンドを選ぶことができるのではないでしょうか？

それではでの程度の期間の運用実績を参考すればいいでしょう。

明確にこの期間であればよいという基準はありませんが、投資環境と運用成績の関係を確認できる期間は確保したいところです。10年程度あれば、その間、何度か投資環境が変化しているのが一般的だと思われます。

過去10年でS＆P500指数を上回る成果を残したファンド

過去10年間の騰落率をもとに、S&P500指数を上回る投資成果を残しているファンドを抽出しました。（S&P500連動ETFの騰落率を基に算出）

過去10年間の騰落率（2022年5月末現在）が、S＆P500指数を対象とするETFを上回るファンドは、24ファンドあります。

過去10年間の騰落率（2022年5月末基準）

上記ファンドが、これからも常にS＆P500指数を上回り続けるということではありません。実際に過去10年間では、どのファンドも下回っている時期があります。

従って、短期的ではなく、異なる投資環境を跨ぐような期間で見た場合、今後、S＆P500指数を上回る可能性のある「S&P500指数に勝つファンド」候補という位置づけです。

候補である24ファンドについて、10年間の投資対象と市場全体の関係や、運用スタイルによるポートフォリオの価格特性等と投資環境の変化との関係を確認し、今後、S＆P500指数を上回る可能性の高いファンドを見つけたいと思います。

また、それらのファンドの特性を踏まえて、運用期間が10年未満で今回の候補には抽出されなかったものの今後、期待できそうなファンドについても探してみたいと思います。

24ファンド同時に運用状況の比較をするのは難しいので、ファンドの投資対象の分類別で確認していきます。

候補ファンドの投資対象

日本株式

　国内株式・フリー型　（2）

　マルチメディア関連株型　（3）

　小型成長株型　（10）

先進国株式

　グローバル株式型　（3）

　北米株式型　（4）

エマージング株式

　中国・香港株式型（1）

　インド株式型（1）

（）内　ファンド数

次回は、最もファンド数の多い小型成長株型のファンドの特性を確認します。

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