『24か月連続で資金流入』~2022年11月資金流出入状況から~

2022年11月の投資信託の概況が投資信託協会から発表されました。
公募株式投信(ETF除く)の設定額から解約額と償還額を差し引いた資金増減額は、5,438億円増となりました。
資金流入は継続、運用増減額マイナスで純資産総額は減少
2022年11月の設定額は1兆9,602億円、解約額は1兆4,002億円、償還額は162億円で5,430億円の資金流入となりました。
設定額と解約額、償還額はともに10月と同水準です。
2020年12月から2年間、資金流入が続いていますが、運用による資金増減額が1兆0,655億円のマイナスとなったことから、11月末の純資産総額は前月末より7,084億円減少し、86兆6,549億円となりました。
2022年11月末の純資産総額上位10ファンドと約5年前の2017年末の純資産総額上位10ファンドを抽出しました。
5年間に株式投信(除くETF)の純資産総額は、2017年末の66兆6,380億円から約20兆円増加しており、それに伴い純資産総額上位ファンドの状況も変動しています。
2017年末 純資産上位10ファンド(純資産総額の単位は100万円)
ファンド名 | 運用会社 | 投資対象 |
2017年末 純資産総額 |
2022年11月末 純資産総額 |
新光US-REITオープン(ゼウス) | AM-One | 米国REIT | 1,004,177 | 453,500 |
フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし) | フィデリティ | 米国REIT | 985,009 | 688,065 |
フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド | フィデリティ | 米国ハイ・イールド | 919,197 | 511,227 |
ラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型) | 日 興 | グローバルREIT | 793,530 | 285,213 |
ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコース(為替ヘッジなし) | 大 和 | 米国REIT | 684,818 | 692,330 |
ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型) | ピクテ | グローバル株式 | 630,379 | 1,055,414 |
野村インド株投資 | 野 村 | インド株式 | 576,171 | 272,422 |
グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型) | 三菱UFJ国際 | グローバル債券 | 548,060 | 295,962 |
LM・オーストラリア高配当株ファンド(毎月分配型) | フランクリン | オーストラリア株式 | 516,845 | 134,239 |
グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年決算型) | 日 興 | グローバル株式 | 488,186 | 317,476 |
2017年末の状況
純資産総額上位10ファンドのうち、8ファンドが毎月分配型ファンドとなっています。従って、インカムゲインを重視する投資対象である、債券、REIT、高配当株式が多くなっています。
2022年11月末でも上位10ファンドに入ったのは「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)」、「ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコース(為替ヘッジなし)」2ファンドです。
2022年11月末 純資産上位10ファンド(純資産総額の単位は100万円)
ファンド名 | 運用会社 | 投資対象 |
2017年末 純資産総額 |
2022年11月末 純資産総額 |
アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型 | アライアンス | 米国株式 | 124,785 | 1,780,373 |
eMAXIS Slim米国株式(S&P500) | 三菱UFJ国際 | 米国株式 | --- | 1,630,154 |
ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型) | ピクテ | グローバル株式 | 630,379 | 1,055,414 |
グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)(未来の世界(ESG)) | AM-One | グローバル株式 | --- | 812,526 |
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー) | 三菱UFJ国際 | グローバル株式 | --- | 763,836 |
楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天・バンガード・ファンド(全米株式)) | 楽 天 | 米国株式 | 3,771 | 742,372 |
SBI・V・S&P500インデックス・ファンド(SBI・V・S&P500) | SBI | 米国株式 | --- | 726,322 |
ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコース(為替ヘッジなし) | 大 和 | 米国REIT | 684,818 | 692,330 |
アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Bコース(為替ヘッジなし) | アライアンス | 米国株式 | 25,852 | 689,014 |
フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし) | フィデリティ | 米国REIT | 985,009 | 688,065 |
2022年11月末の状況
純資産額トップの「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」は毎月分配型ですが、上位10ファンドに入った毎月分配型ファンドは、4ファンドと半減しています。代わって増加したのが、インデクスファンドで、4ファンドが10位以内に入りました。
資産活用から資産形成へ
2017年当時は、純資産総額上位の大半が毎月分配型ファンドでした。分配金重視する商品性から保有者は、既にある程度の金融資産がある資産活用層が中心であったと推測されます。
その後、2018年に「つみたてNISA」がスタートしたことなどもあり、資産形成目的の資金流入が、投信全体の純資産総額を押し上げました。それに伴い純資産総額上位ファンドも基準価額の上昇を重視するファンドが増加しています。
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配信元:NTTデータエービック
関連銘柄
順位 | ファンド名 | 運用会社 | レーティング(1年) |
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1 | ラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型) | 日 興 |
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2 | eMAXIS Slim米国株式(S&P500) | 三菱UFJAM |
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3 | eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー) | 三菱UFJAM |
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4 | ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコース(為替ヘッジなし) | 大 和 |
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5 | フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし) | フィデリティ |
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6 | フランクリン・テンプルトン・オーストラリア高配当株ファンド(毎月分配型) | フランクリン |
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7 | SBI・V・S&P500インデックス・ファンド(SBI・V・S&P500) | SBI |
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8 | フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド(毎月決算型)B(為替ヘッジなし) | フィデリティ |
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9 | ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型) | ピクテ |
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10 | 楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天・VTI) | 楽 天 |
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11 | グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)(未来の世界(ESG)) | AM-One |
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12 | 新光US-REITオープン(ゼウス) | AM-One |
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13 | 野村インド株投資 | 野 村 |
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14 | グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年決算型) | 日 興 |
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15 | グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型) | 三菱UFJAM |
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16 | アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Bコース(為替ヘッジなし) | アライアンス |
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17 | アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型 | アライアンス |
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このコラムの著者

NTTデータエービック (エヌティーティーデータエービック)
投資信託の評価機関として蓄積した各種データをもとに、みんかぶ投信のニュースやレポート、コラムを執筆しています。また、投信会社を訪問し、話題の投資信託等のインタビュー記事など投資に役立つコンテンツを提供しています。
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