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マルチアセット型投資信託の特徴と注意すべきこと

コラム
配信元: ミンカブ・ジ・インフォノイド
投稿:2020/09/16 07:00
マルチアセット型投資信託の特徴と注意すべきこと

国内外の株式や債券など幅広い資産を投資対象する「マルチアセット型」の投資信託の特徴とその注意点について考えてみたい。

 

投資信託とは、投資家から集めたお金を一つの大きな資金としてまとめ、運用のプロであるファンドマネージャーが国内外の株式や債券などに分散して投資・運用を行うものである。このため、保有する投資信託のリスク特性は、

①市場環境(各組入資産ごとの市場リスクやその相関)

②運用者の投資方針・手法やそれによる個々の売買判断・実行等

によりへんかする。この点、マルチアセット型投資信託は、一般の投資信託に比べ、国内外のより幅広い投資資産を対象としているため、運用者の判断による資産の入れ替え余地が大きい商品と言える。

 

 

マルチアセット型投資信託の一般的な分類

マルチアセット型投資信託の分類については、明確な定義があるわけではないが、概ね以下のように分類されることが多い。

 

①運用資産による分類

株式中心 株式(伝統資産:国内株式・先進国株式、非伝統資産:新興国株式・指数先物等)を中心に、その他資産(不動産、コモディティ、ファンド等)を加えて運用を行う
債券中心 債券(伝統資産:日本国債・先進国国債、非伝統資産:新興国国債・社債等)を中心に、その他資産(不動産、コモディティ、ファンド等)を加えて運用を行う
資産複合 株式や債券、その他資産等に対し幅広く運用を行う

 

②運用判断による分類

ルールベース型 あらかじめ定められたルールやモデルに従って投資判断を行う
ジャッジメント型 経済環境や市場環境に対する運用者の見通しに基づき投資判断を行う

 

③運用手法による分類

ボラティリティ型 目標ボラティリティ等を掲げ、リスクを一定の範囲内に抑制することを重視する
トレンド型 市場動向等の予想に基づきリターンの向上を重視する

 

分類が多岐に渡り、かつこのような形式的な分類だけから実際のリスク・リターンなどの商品特性を推し量ることは容易ではない。さらに、運用者による資産の入れ替えの頻度や大きさといった運用の実態も銘柄ごとに違いが大きく、リスク・リターンとの関係を把握することが難しい場合がある。

 

 

マルチアセット型投資信託の特性

日本銀行の2020年7月金融システムレポート別冊『マルチアセット型の投資信託の特徴とリスク管理上の留意点』によると、

市場の不確実性が高い局面では、運用者が投信リスクを低下させる行動をとったことで、超過リターンを高めていたこと、

市場が落ち着いている局面では、投信リスクの上昇にも関わらず、超過リターンは高まらなかったこと

が示唆されるとの調査結果を示している。

つまり、マルチセット型の投資信託は、

【市場の不確実性が高い局面】投信のリスク抑制とリターン追求(損失回避)双方の面で比較的良好なパフォーマンスを発揮してきた(ただし、リーマン・ショック時は例外)

【市場が落ち着いている局面】ポートフォリオのボラティリティを高める方向で資産の入れ替えを行っていたものの、結果としてリターン面のパフォーマンスは低い

という傾向が見られたとしている。

 

マルチアセット型投資信託の多くは、ミドルリスク・ミドルリターンを積極的に狙った商品設計になっていると考えられるが、市場の局面等によって、目標とされるリスクとリターンの組み合わせが必ずしも実現しないケースがありうることには留意が必要としている。また、リーマンショック時のように市場全体にストレスがかかる局面においては、リスクの遮断に至らないケースも有り得ることには、注意が必要としている。

 

 

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配信元:ミンカブ・ジ・インフォノイド

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